妊活中の夫婦の絆がふかまる睡眠改善

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2024.07.03

心理師

妊活中の夫婦の絆がふかまる睡眠改善

みなさんは快適な睡眠を取れていますか?睡眠には、脳や体を休め、疲れを回復し、免疫機能を整え、記憶や感情の整理をするなど多くの重要な役割があります。もちろん妊活中も睡眠は大事で、課題があれば改善していきたいことのひとつです。「妊活中こそぐっすり寝よう」をテーマに、これから妊活を始めようとする方、妊活を始めたばかりの方向けに、公認心理師の今井さいこさんが解説します。

妊活中、睡眠の時間と質がとても重要

結論から申し上げますと、適切な睡眠時間と睡眠の質を確保することが、妊娠の可能性を上げることにつながると言えます。理由は2つあります。

 

1つは、メラトニンと卵子の質についての関係です。

メラトニンについて聞いたことがある方もいらっしゃると思います。「睡眠ホルモン」と呼ばれることがありますが、睡眠の質に関係する重要なホルモンです。

眠りを誘うほかに、抗酸化作用もあるといわれ、卵胞内の活性酸素を打ち消してくれます。つまり、しっかり眠ることは、卵子の質にも良い影響を与えることが期待できると言えるでしょう。

 

もう1つは、睡眠不足と不妊についての関係です。

女性の場合、排卵サイクルに重要な役割をする黄体形成ホルモン卵胞刺激ホルモンがあります。睡眠不足になると、これらの分泌がうまくいかないことがあり、排卵サイクルを乱すことにつながります。

また睡眠が足りないと、プロラクチンというホルモンの分泌が増え、排卵が抑制され、止まってしまうことが起こることもあります。

 

妊娠のためには常に睡眠が足りている状態を作っておくことが大事です。

男性の睡眠不足は精子の質に悪影響

男性の場合は睡眠不足になると、精子の生成や性機能に重要な役割を果たすテストステロンというホルモン分泌に影響を及ぼすと言われています。結果として、精子の質の低下につながってしまいます。

このように、睡眠不足は男女ともにホルモンに大きな影響を与え、妊娠の可能性を下げてしまうような体の状態を作り出してしまうことがあるのです。したがって睡眠は、妊活においても重要だと言えます。

 

これから妊活を始めようとする方、または妊活を始めた方は、ぜひ睡眠にも意識を向けて、改善に取り組んでいただけたらと思います。

妊活で睡眠改善をおすすめする理由

妊活は、夫婦で取り組むことが大事だと言われています。

 

しかし実際には、例えば不妊検査のためにクリニックへ行くといっても、女性は婦人科、男性は泌尿器科など、それぞれが別々だったりします。

またクリニックに通う頻度や体への負担を考えると、どうしても女性のほうがリードする場面が多い傾向にあるでしょう。


妊活は、結果が出るまでに時間がかかることもあるかもしれませんが、夫婦の絆が深まる時期と言えます。ふたりの足並みをそろえることはもちろん、一緒にできることはなるべく夫婦一緒に取り組んでいきたいところです。

そういった面でも、睡眠改善は夫婦一緒に取り組みやすいことのひとつ。

仕事の関係などで寝る時間や寝室が別々の夫婦もいらっしゃるかもしれませんが、眠るということは、夫婦ともに必ず毎日行うことです。一緒に取り組むということにうってつけのテーマだと感じています。

睡眠改善を通して夫婦の絆を深めていきましょう。

妊活における睡眠改善の具体的な手順

では、具体的にどういった手順で睡眠改善するのかという点について、説明していきたいと思います。

1:睡眠課題を知る

まずは自分自身、自分たちの睡眠課題を知ることです。

たくさんある場合は課題の優先順位をつけていきましょう。

2:睡眠について知識をつける

次に睡眠について正しい知識を身につけいくことが大事になります。

睡眠の知識は一生ものです。

睡眠改善で得た知識は、今後お子さんが生まれた時も、育児の中でも、年老いていった時も生きていく上で重要になるでしょう。基本的な正しい知識を身につけることで、自分たちの睡眠に課題が発生している理由や原因が見えてきます。

3:睡眠の課題に対して取り組んだ成果を確認する

その上で、次に取り組むことを明確にしていきます。

実際に取り組むことが5つくらいあっても、まず1つずつ取り組んでいくのがポイントになります。

そして次に大事になることは、1つ取り組んだら必ず取り組んだことに対して成果を確認することです。

1つやって成果を確認したら2つめに取りかかっていきます。この時の成果とは何かというと、妊活においての睡眠改善なので、取り組んだ課題が妊活にどう結びついているのかということ。その成果を確認していくということです。

1つのことに取り組むことを1サイクルとしたら、1サイクルは3週間を目安にしましょう。人は習慣を作っていくために、3週間はかかると言われるからです。

睡眠は日々のことなので、急に何かに取り組んだからといって、急激に成果が出るということはないです。

3週間かけて少しずつ取り組みつつ、サイクルを回していきましょう。

妊活中の睡眠の重要性を知っていただいた中で、睡眠改善を夫婦一緒に取り組める妊活のひとつとして、モチベーションにつなげていただけたらと思います。具体的にどう取り組んでいけば良いかといった点は、次回以降にお伝えしていきます。

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本日お話をおうかがいした方

LIB Laboratory

代表

今井さいこ

1979年6月14日生まれ

公認心理師睡眠指導者

自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。

心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。

◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表
https://www.liblaboratory.com/<br />
<保有資格>
公認心理師(国家資格)
日本心理学会認定心理士
ベスリクリニック認定睡眠指導者
サンカラ認定

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