妊活中の快眠術|質の良い睡眠で妊娠力を高める

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2025.04.09

心理師

妊活中の快眠術|質の良い睡眠で妊娠力を高める

脳や体を休めて免疫機能を整えるため、良い睡眠をとることはとても重要です。妊活中の快眠術として「質の良い睡眠で妊娠力を高める」ことをテーマに、公認心理師の今井さいこさんが解説します。

「良い睡眠」とは?時間?質?なにを指すの?

 

妊活と睡眠には深い関係があると、私は考えます。これまでも睡眠改善の講座で対策をたくさん紹介してきましたが、今回は睡眠全体をとらえた時に、どんな取り組みができのるかということをお話ししていきます。

 

そもそもなぜ、妊活中に睡眠に目を向けたほうが良いのかについて押さえておきましょう。

 

「昨日は良い睡眠をとれましたか?」と聞かれたら、みなさんは何を考えますか?「6時間寝られたので、まあまあかな」とか、「2~3時間しか寝られなかったから良い睡眠をとれなかった」など、睡眠の時間で、睡眠の良し悪しを判断することが多いかもしれません。

 

しかし実際に睡眠は、時間という量だけではなく、質もあるのです。睡眠の質とは、眠りの深さのことをいいます。良い睡眠とは、時間だけではなく、睡眠のなかでいかに深い眠りがとれたのかも大事なのです。

 

睡眠の量だけではなく、質にも意識しよう

 

睡眠の量については、アメリカのある団体の研究報告によると、成人に必要な睡眠時間は7~9時間だといわれています。日本人の成人の平均睡眠時間は6時間といわれているので、足りていません。

 

睡眠時間が足りない場合は、ご自身で睡眠時間をいかに確保していくかが大事になりますが、量が叶えられないのであれば、質を高めることにも目を向けてほしいと思います。例えば「2~3時間しか寝られないからダメだ」ということではなく、確保した睡眠時間でいかに質を高めるか、つまり深い眠りをとるかを意識していきましょう。

 

睡眠には、ノンレム睡眠(深い睡眠)とレム睡眠(浅い睡眠)があります。人間は眠りに入るとノンレム睡眠になるのですが、いかにこの深い眠りが確保できるかが睡眠の質に関わってきます。

 

 

卵子にも関係する?!妊活と睡眠の関係とは?

 

睡眠と不妊については、さまざまな研究が行われ、発表されています。一例を紹介しましょう。

 

・睡眠の改善により睡眠時間が1時間延びると平均で1.5個多く卵子を採取できた

・ストレスによるコルチゾール(ホルモン)の乱れにより睡眠の質が悪くなる

・メラトニンは卵子の質に関係する

・睡眠不足の男性は正常な睡眠をとっている男性に比べてテストステロン値が低下傾向にある

 

これらさまざまな研究報告は、睡眠を改善することで、妊活に良い影響を与えることができることを示唆するものであると思います。睡眠だけが不妊の原因とはいえませんが、睡眠が妊活に与える影響は少なからずあるといえるでしょう。

 

妊活中の方は、ぜひご自身の睡眠を見直していただきたいと思います。大事なのは、今の睡眠課題を知り、睡眠改善をすることで、妊活にどんな良い影響があるかどうかをみていくことです。例えば、血液検査の数値が変わったとか、排卵がきちんとあったなど、睡眠改善をした結果、妊活がどうなったのかまでとらえていきましょう。

 

 

快眠に向けた取り組み3つの方法

 

これまで開催した睡眠講座では、入浴タイミングや寝る前の過ごし方など、快眠に向けた具体的にできることを「点」で解説してきました。部分的に試している方もいると思いますが、今回は睡眠全体をとらえるために「線」でつなぐ、快眠に向けた取り組みを3つ紹介します。

 

自分の生活スタイルのなかでできる、自分の睡眠課題に対する取り組みを、きちんと知っていくことは大事です。

 

睡眠の記録を取る


自分の睡眠時間の課題を知るために、まずは睡眠の記録を取ることをお勧めします。書くことが好きな方なら、手帳に手書きするのが良いでしょう。または、今は睡眠記録がとれる無料のスマホアプリなどもあるので、それを活用するのも手です。

 

記録は一日で見るのではなく、週単位や月単位でどうだったのか、どのくらい寝られたか、睡眠不足の日がどれくらいあったかなど、全体としてとらえていってほしいと思います。

 

単に記録を取るだけではなく、記録全体から振り返り、どこに自分の睡眠課題があるのかを探し、改善に取り組んでいきましょう。

 

過ごし方を記録する

 

起床から時間経過ごとに、自分の過ごし方が分かる表を作ります。起床時間、起床4時間後、起床8時間後、起床11時間後、起床16時間後で考えていきましょう。例えば、7時に起きている方であれば、起床4時間後に11時、起床8時間後に15時などと書き、その時間に自分が普段何をして過ごしているかを記録していきます。

 

できれば平日版と休日版と両方作ってみると良いでしょう。平日と休日で、起床時間や過ごし方がずれているなど違いが見えてくる方もいると思います。睡眠リズムは起床時間を基軸に作られていきます。起床時間が毎日ずれる、または平日と休日でずれている場合、睡眠が整わないこともあるかもしれません。

 

起床から自分がどう過ごしているかを知ることで、より睡眠リズムに沿った日中の過ごし方や生活習慣を身につけていきましょう。

 

 

就寝前の過ごし方を見直す

 

リラックスしている状態でないと、人は眠れません。就寝前にテレビやスマホを見ていたり、直前まで仕事していたりしたら、急にリラックスしてくださいといわれても、できないのは当然です。

 

快眠のためには、就寝前に自分が何をしているのかを見直し、よりリラックスするための過ごし方に変えていきましょう。

こちらの記事もご参考下さい。

→ 「妊活中の睡眠講座|五感をいかす!リラックスできる睡眠法にリンク」 

 

睡眠の知識は「一生もの」

 

ご自身の睡眠を全体としてとらえることで、課題を知り、改善することで、今の睡眠をより良いものに変え、妊活の良い結果につなげていっていただけたらと思います。

 

睡眠の知識は一生ものです。妊活や不妊治療を終えてからも、ご自身の健康を守っていくために、より良い睡眠をとることは大事な生活習慣だと思います。これを機に、今の睡眠を見直してみてください。

 

この記事の動画はこちらから

本日お話をおうかがいした方

LIB Laboratory 代表

今井さいこ

1979年6月14日生まれ 公認心理師睡眠指導者 自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。 心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。 ◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表 https://www.liblaboratory.com/ <保有資格> 公認心理師(国家資格) 日本心理学会認定心理士 ベスリクリニック認定睡眠指導者 サンカラ認定

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