妊活中の不安とネガティブな感情に向き合う「自分の労わり方」
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妊活お役立ち情報
2025.01.01
心理師
妊活中の不安とネガティブな感情に向き合う「自分の労わり方」
目次
妊活中は、気持ちが落ち込んだり、嫉妬心が芽生えたりと、ネガティブな感情に悩むことがあるかもしれません。このような感情をどのように乗り切っていけば良いのでしょうか?今回は公認心理師の今井さいこさんが、「妊活中の自分の労わり方」についてアドバイスします。妊活の辛さと向き合いながら心のケアを行う大切さについて、考えてみましょう。
妊活中はネガティブな感情を抱きやすい
みなさんは日頃、自分をどのように労わっていますか?労わり方には人それぞれ違いがあるでしょうが、妊活中は特に気持ちが落ち込みやすく、ネガティブな感情が出やすくなります。
例えば「妊娠できない」と感じることで、失望やプレッシャー、孤独感、自己否定感が生まれることもあります。
妊活が思うように進まないことで夫婦関係がぎくしゃくしたり、家族や親戚からの心配の言葉が重荷に感じられたりすることもあります。治療や薬の副作用で体調が悪化し、ネガティブな気持ちが一層強まることもあるでしょう。
妊活中に起こるこうした出来事により、自己肯定感が低下していくこともあります。「努力は実を結ぶ」といわれますが、妊活は努力が必ずしも結果に結びつくとは限らないため、気持ちの負担が大きくなりがちです。
この時期には、結果だけに焦点を当てず、まずは自分自身を労わることがとても重要です。
妊活中にポジティブな側面にも目を向けてみよう
妊活の過程では、ネガティブな気持ちだけでなく、ポジティブな側面にも気づくことが大切です。
たとえば、妊活をきっかけに健康意識が高まり、食生活や運動を見直したり体質改善に取り組んだりすることがあるかもしれません。また、パートナーと協力し合い、目標に向かうことで夫婦の絆が深まるケースも多いでしょう。
妊活中にポジティブな気持ちを抱くことで、妊活を「結果がすべて」ではなく、「自分や夫婦の成長の過程」として前向きに捉えることができます。もちろん、ポジティブな気持ちが生まれても、ネガティブな感情と共存することは珍しくありません。
例えば、友人や家族の妊娠に対して「嬉しい気持ち」と「焦りや孤独感」が入り混じるように、複雑な感情が同時に生じることもあるのです。
妊活中に「自分を労わる」ことが大切な理由
妊活は、結果が出るまで続けなければならないことが多く、プロセスの中で自己肯定感を保つためにも「自分を労わる」習慣が大切です。
妊活中はついネガティブな感情にとらわれがちですが、いつも自分を労わることで、心を安定させることができます。ネガティブな時には自分をケアし、ポジティブな時には努力を認め、自己肯定感を高めていきましょう。
どのような感情を抱く時も、日々の感情に寄り添いながら自分を労わることが必要です。
自分を労わるための「セルフコンパッション」
ここでおすすめしたいのが、「セルフコンパッション」という自分への思いやりの考え方です。セルフコンパッションは、妊活中のネガティブな気持ちに優しく向き合うための有効な方法です。ここではセルフコンパッションの3つのステップについてご紹介します。
- 1.自分に優しい言葉をかける
ネガティブな感情を感じたときは、「そうだよね、悔しいよね」「今はこう思って当然だよね」と、自分に優しい言葉をかけましょう。他人の妊娠報告を聞いて苦しくなった時も、「これほど頑張っているからこそ嫉妬してしまうのも仕方ないよね」と感情を認め、肯定してあげてください。ポジティブな気づきに対しても「自分を大切にしているんだ」「妊活が分かるからこそ、人にも優しくできるよね」と、励ます言葉をかけることが大切です。 - 2.誰にでもある気持ちと認識する
「妊活中にネガティブな感情を抱くのは私だけではない」と認識することも、気持ちを軽くする助けになります。「妊娠に対する嫉妬心を持つのは私だけではない」「同じ状況なら、誰でも同じように感じる」と意識することで、自分を責める気持ちを和らげることができます。自分が抱いている感情が、他の人にもある普遍的なものだと気づくことで、気持ちが少し楽になることもあるでしょう。 - 3.その感情を受け入れる
最後に、感じている嫉妬や怒り、失望の気持ちを「これも私の一部なんだ」として受け入れることが大事です。ポジティブな感情もネガティブな感情も、自分を構成する大切な一部です。ありのままの感情を受け入れ、「自分にこの感情があってもいい」と認めてあげることで、心の負担が軽くなり、自己肯定感も高まっていくでしょう。
妊活中の「心のケア」としてセルフコンパッションを取り入れよう
妊活は、結果だけでなく、その過程も重要です。ネガティブな時だけでなく、ポジティブな時にもセルフコンパッションを実践し、妊活の過程そのものを前向きに捉えてみましょう。いつも自分に優しい言葉をかけ、心のケアを行い、妊活中の自分を労わる習慣を身につけていきましょう。この過程で、きっと自己肯定感が育まれ、心の安定が得られるはずです。
本日お話をおうかがいした方
LIB Laboratory 代表
今井さいこ
1979年6月14日生まれ 公認心理師睡眠指導者 自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。 心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。 ◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表 https://www.liblaboratory.com/ <保有資格> 公認心理師(国家資格) 日本心理学会認定心理士 ベスリクリニック認定睡眠指導者 サンカラ認定
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