着床しやすくするツボ|自宅でできる!お灸でセルフ妊活
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妊活お役立ち情報
今回は、アキュラ鍼灸院の院長の徐大兼先生に、お灸とは何なのか、妊活中に大事なお灸を据えるツボや、お灸がもたらす4つの効果、お灸をする頻度、お灸をするときの注意点などを詳しくお届けします。
お灸ってなに?
自宅でできるお灸についてご紹介させて頂ければと思います。お灸と言ってもピンとこない方もいるんじゃないのかな?と思いますので、お灸とは何か?を説明します。お灸の成分のヨモギとは、東京の道端にもいっぱい生えている植物です。
ヨモギの旬は大体3月から5月ぐらいです。4月ぐらいになると、日本中どこでもヨモギが見られます。葉っぱを手で揉んで潰してみると良い香りがします。葉の後ろが白いものがヨモギになります。後ろが白いのが綿毛と言って、お灸の原材料になります。
日本では、ヨモギ餅にするのは生え替えたばかりの柔らかいヨモギです。ヨモギを採ってきて、それをすり潰して、餅と混ぜたりして食べます。
アジアではお灸は食べ物に使われていた
日本だけではなく、韓国、中国、アジアではお灸(ヨモギ)は食べ物に使われますが、昔は皮膚に直接乗せて、民間療法として治療に使われていたという歴史があります。日本では昔から、お灸は一般の庶民に普及していた治療法ということになります。
ヨモギのレシピを調べると、ポタージュにしたり、揚げ物にしてみたり食べ方は色々あります。ヨモギは食物繊維が豊富でカリウム、ビタミンK、カロテン、クロロフィル、食物繊維はホウレン草の3倍含まれてると言われています。
お灸は海外で様々な商品に加工されて使われてる
海外では、お灸はMogwort(マグワート)といいます。ヨーロッパでもこのMogwort(マグワート)は広く普及しており、でヨーロッパでは、昔は魔よけとして使われていたり、今でもオイルとして使ったり、お茶として飲んだりします。
Mogwort(マグワート)ティーや、フェイシャルマスクに使ったり、精油として使ったりなど、日本だけではなく、世界でも使われているものになります。
お灸の効果は4つある
早速、お灸ってどういう効果があるのか、主な4つをご紹介します。
1:血行が良くなる
温めることによって血管が収縮拡張して局所の血流良くなります。お灸をしたところが、温かくなり、温かさがずっと続くので、皮膚がピンクっぽい色に変わります。
2:細胞が活性化されて免疫が調整される
2番目が細胞が活性化されて免疫が調整されます。最近、知り合いの鍼灸師が立ち上げた「モクサアフリカ」という団体があります。アフリカの結核を患っている方は、お金がないので、お灸を足の三里にすると耐性菌ができている結核が、薬を使わずに良くなるという論文を出しています。ウガンダですが、アフリ力の貧しい地方ではお灸が治療に使われています。
また、中国ではこのお灸をすると免疫調整するという作用が広く知られているので、コロナが流行り始めてから、買い占めが起きて、一時お灸がなかったと聞いてます。実際の研究で、足の三里のお灸をすると、体の免疫細胞の量が増えて、免疫が調整され様々な外部からのウィルスや細菌と戦う力が強化されると報告されています。
また、免疫の問題でなかなか妊娠できない患者さんがいらっしゃいます。特にTH1,TH2という細胞と、NK細胞が活性しすぎてしまって、着床した赤ちゃんを排除してしまう不育症の方がいらっしゃいます。
この足の三里にお灸をすることによってそういった細胞が過剰に産生されないように調整ができるという論文もあり、免疫に対しての効果を狙ったお灸もおすすめです。
3)体のエネルギー(気・血・水)の流れがよくなる
3番目はこれは東洋医学の理論に基づいていますが、体のエネルギーの調整役です。気・血・水というものがありますが、その滞り、淀んでいるものを改善します。
冷え性や、肩こり、腰痛、目の疲れ、むくみ、ストレス、不眠、色々な症状に使われています。
4)煙のリラックス効果
4番目は、お灸に期待したいのは、やはり煙のリラックス効果です。お香のような効果も体験してほしいと思っています。お灸の中にシネオールという成分が含まれていますが、これが沈痛・鎮静、リラックス効果があると言われています。
この煙は吸っても体に害がなく、リラックスできるので、煙と心地よい温かさを同時に活用してもらえればと思っています。
お灸を習慣化すると妊活が良い方向に変わる
お灸をするだけで妊活に対して非常にいい効果が見込めると思います。
血流が良くなったり免疫が調整されたり、リラックス効果があるので、それが結果的にはホルモンのバランスが良くなることに繋がります。
子宮の血流が良くなることも期待できるでしょう。
健康的な生活を送りながら、是非生活の中にお灸を組み込んでほしいと思います。
そのために私たちの鍼灸院では治療を受ける患者さんに、ほぼ全員お灸をしています。
生活習慣の中に何か妊活に良いことを1つ取り入れることで習慣化してもらう。これが習慣化できるようになってくると、お灸でリラックスして体調が良くなって、他の妊活にも良いこともやってみようかな、早く寝よう、など好循環となっていきます。
お灸をすることによって生活習慣の改善の1つに繋がるということもあるのです。
患者さんに「治療した日はお灸しなくていいですか」と聞かれますが、治療した日も、毎日やる!一日しないだけでも遠のいてしまうので、できる限り毎日やっていただくのが良いと思います。
睡眠が不調を取り除く鍵。夜のスマホは要注意
近年、睡眠不足の人が非常に多く、1日5〜6時間しか眠れていない方も少なくありません。実は、睡眠をしっかりとるだけで、疲労回復はもちろん、首や肩の痛み、こりの改善にもつながります。さらに、寝る前にお灸をすることでリラックス効果が高まり、ぐっすり眠ることができ、翌朝はすっきりと目覚めて、元気に仕事へ向かったり、軽い運動を楽しんだりと、より良い1日のスタートを切ることができます。 良質な睡眠は、心身の回復だけでなく、毎日のパフォーマンス向上にもつながります。
また、スマホは寝る直前まで見ていると、頭が覚醒したままになってしまうので、できるだけ睡眠の1時間前は控えてください。
「眠りが浅い」「なかなか寝付けない」「つい夜更かししてしまう」といったお悩みがある方は、たとえば「夜11時にお灸をする」と時間を決めてしまうのも一つの方法です。お灸をしたら寝る、と習慣づけることで、夜更かし防止の“おやすみ儀式”としても役立ちます。
排卵前(陰フェーズ)と着床サポート(陽フェーズ)に良いツボとは?
排卵の前と、排卵した後の着床サポートで陰のフェーズと陽のフェーズと、2つに分けて説明します。
三里のツボは排卵前(陰フェーズ)も後も基本のツボ
足の三里というのは、排卵前と着床サポートと、基本中の基本のツボなので、これは両方に入ってます。三里は免疫にも関わります。
松尾芭蕉という昔の詩人は、足の三里をしながら奥の細道を書いたという風に言われています。
排卵前には足の三里以外に、三陰交(さんいんこう)と陰陵泉(いんりょうせん)というこの2つのツボがあります。
卵巣・子宮を通過する重要なツボ「三陰交」
三陰交は、3つの陰が交わると言われています。ちょうど、卵巣、子宮っていうのは肝経(かんけい)肝臓の経絡、脾経(ひけい)脾臓の経絡そして腎経(じんけい)腎臓の経絡、この3つが卵巣と子宮のところを通っていきます。
この3つの陰が重なるツボというのは、実はすごく大切で婦人科系は色々なものに対してこの三陰交というツボを使います。
消化不良や足のむくみに。リンパの流れを良くする「陰陵泉」
陰陵泉というのは、消化不良や足のむくみ、リンパ液の流れを良くするなど、足の三里と合わせて、血と消化作用を良くして食べたものを栄養に変えて吸収しやすくする作用があるのと、この脾経というのがこの陰陵泉というツボがあるラインちょうど卵巣の上を通りますので、しっかり排卵するように、そしてしっかり卵が育つように、生理が始まってから排卵するまでの陰のフェーズをサポートする、この3つのツボに(お灸を)していただいています。
着床サポートのツボ(陽フェーズ)は外関・照海・大衡
排卵しました!高温期になりました!着床サポート(陽フェーズ)のツボになります。
足の三里は一緒です。
外関(がいかん)というものは、自律神経を整えます。
照海(しょうかい)というのはこの腎経(じんけい)というところで子宮の着床する力を高めるツボ。
大衝(たいしょう)というのは肝経、血液に関連するので子宮にしっかりと血液が行って着床をサポートする。
こういった2つのフェーズで患者さんには利用していただいています。
ツボの取り方が分からない方は、こちらのウェブサイトで、お灸のツボの取り方について説明しています。
是非、こちらもご覧ください。
https://www.acuraclinic.com/moxibustion-points/
お灸をする上での注意事項
お灸をする上では以下に気をつけて行ってください。
火を使うのでやけどになる恐れがあるので注意をして行ってください。
妊娠中の場合は鍼灸師や医師に、必ず相談をして行なうことが大切です。
お灸にはどんな種類があるの?
実際にどんな種類があるのかというと、一番普及していて、皆さんが使いやすいものには「台座灸(だいざきゅう)」というものがあります。
また、鍼頭鍼灸(きゅうとうしんきゅう)といって鍼を刺して、その上にモグサを乗せて温める方法や、棒灸(ぼうきゅう)といって棒のように葉巻のようになっているものに火をつけて、上から温めるものや、隔物灸(かくぶつきゅう)というニンニクや生姜などを皮膚の上に置き、その上にお灸を置いて燃やすなどといった方法があります。
江戸時代の人がやったのは直接灸と言って熱いお灸を直接皮膚の上に乗せてお灸をするので、とっても熱くやけどになっていました。
私が、鍼灸を始めたばかりの頃は、まだ明治時代の人が治療をしに来ていて、背中にすごいやけどの痕が残っている人をよく見かけました。
今ではそういった治療はほとんどないですが、細々と続けられています。
以下は私が自分達で原材料から選び、企画販売しているお灸になります。
なぜお灸を、わざわざ自分たちで作る必要があったかというと、現在はお灸の種類は沢山ありますが、私たちが開業した20年前は、患者さんに台座灸を薦めると熱いものしかなかったのです。
そうすると、足に水ぶくれができて、やけどになったり、中国製の質が悪いものですと、パチパチって燃えている途中で、灰が落ちてシーツが焦げてしまうなどということがあったので、質の良いものを、自分達で作りたいという想いで作りました。
妊活にはできるだけ農薬不使用で安心できるお灸を
私たちのお灸のこだわりは、ヨモギの芯のところを少なくして、ふわふわのところを増やすと煙が少なく煙も黒くなく、白い煙で香りも良く仕上がりました。
中国産のヨモギから農薬が検出された事案がありましたので、品質の良いものにこだわって使うということが大切です。妊娠中や、妊娠したい人が使うので農薬吸い込んだりして、赤ちゃんに影響があったら怖いですよね?
できるだけ悪影響があるものは排除できるように、天然で無農薬のものを使う。また大切なのがやけどにならないことと、熱すぎないこと。
大切なのはその香りが、お灸をして心地よくリラックスできて一日の終わりに「お灸をしよう」といった気持ちで使っていただけるのが一番良いと思っています。
妊活でお灸って本当に効果があるの?
では、お灸をすると本当に効果があるのか?どういう風に判断するのか?自分で簡単にチェックできる方法がありますので実施してみてください。
排卵前のポイントなどにお灸をする前に、まずはバックベンドしてください。(下・左写真)
そして、お灸をした後に、もう一回バックベントしてみてください。(下・右写真)。
お灸前・後の写真を撮れば、お灸の効果が効いてるのか目安になります。
熱く感じないとか、なんか効いてる感じがしなくても、このような比較をすると、体が柔らかくなって血流が良くなっているというのが分かると思います。
お灸を始める前に医療機関の不妊検査を終えておくのが大切
お灸は妊活にとても大切ですが、カップルで医療機関で検査をする。ということもすごく大切だと思います。
男性が検査をしないと、女性が無意味な検査を繰り返すことも
検査をしていないと、無駄に時間だけが過ぎてしまいます。特に男性の検査は一番簡単なので、男性の検査を必ず実施してください。かっこいい男は自分が先に検査すること!女性の場合は調べる項目が多く血液検査などの検査が必要です。男性は精液検査で精子がいるかいないか。元気か元気じゃないか。まずはそれだけでも検査してただくと、女性が無意味な検査をする必要がなくなります。
やはり病院に行くというのは、男性も女性も、勇気がいることだと思います。でも、できるだけ早く受診するようにしてください。
お灸の素朴な疑問について、いつやる?何回までOK?
お灸をする上でよく患者さんからいただく質問をいくつか答えたいと思います。
「お灸はいつを行うのがいいでしょうか」
1番しやすいリラックスできるような時間にしてください。いつ行っていただいてもいいです。朝でも夜でも、一番お灸がしやすい時間に行ってください。
「お灸は一日何回までやっていいですかとか」
何個まで置いていいですか?
最初に始める時は、1個2個くらい。初めて沢山すると疲れると思うので6個〜8個を1つ目安にして1日何回やっても大丈夫ですが、3回くらいが適度だと思います。
「熱さは我慢した方がいいですか」
熱さは我慢しないでください。我慢し過ぎるとやけどになります。やけどをすると治るのも時間がかかりますし、皮膚に後が残ってしまいますので、我慢はしないでください。
我慢すればするほど効くということはないです。心地よいリラックスできる熱さが一番いいですね。
「煙は体に悪くありませんか」
お灸には精油に入ってるリラックス成分が燃えるので、リラックスできる香りと感じる方が多いです。香りが苦手という人は、煙の出ないタイプもありますので、自分にあったお灸を使ってください。
「不妊治療と同時にお灸をしても大丈夫ですか」
不妊治療を行っていても毎日お灸をしても大丈夫です。
お灸の基本をお話しさせていただきました。無理なく生活にお灸を取り入れて、医療とセルフケアの両輪で体のケアをしていっていただければと思います。
プロフィール
徐大兼(じょ・たいけん)
鍼灸師/日本不妊カウンセリング学会 認定 不妊カウンセラー/アキュラ鍼灸院 院長 https://ninkatsu-ayumi.com/facility/629/
「こころもからだも温める」
開院から20年、鍼灸と独自のアキュラメソッドでこころとからだを整え、お一人おひとりが持つ妊娠するチカラを最大限に引き出す鍼灸治療を目指しています。一人で悩まれている方、一緒にお悩みの解決をしていきましょう!
◾️東尾理子主催「妊活研究会」
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