妊活に活用される六味地黄丸:効果・体質に合った選び方を解説

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2025.06.25

東洋医学

体質に合った漢方を選ぶ重要性#6│妊活と六味地黄丸

妊活中の方の中には、生理が短い方や、周期が不安定な方、生理がそもそも少ない方もいらっしゃると思います。もしかしたらそのような方は六味地黄丸(ろくみじおうがん)が向いてるかもしれません。今回は、薬剤師で国際中医専門員の住吉忍さんが「六味地黄丸」について解説します。

体質に合った漢方を選ぶ重要性!妊活と六味地黄丸!

体質に合った漢方を選ぶことはとても大切です。 大前提として体質は一人ひとり異なるため、同じ「薬」を服用したとしても効果は異なります。

これは「漢方」を選ぶ際にも言えることであり、人によって気血水の状態や五臓六腑の状態を勘案して適切な漢方を選ぶことがとても大切です。

特に妊活において漢方を服用しようとしている場合、大切なお子さんを授かるためにも、そして体調管理という面でも重要なポイントだと言えます。

だからこそ妊活での漢方選びに悩む人が多いのですが、当ページでは妊活をしている方に選ばれることが多い六味地黄丸について掘り下げて解説をしていきます。

妊活での漢方選びに悩んでいる方、そして本格的な妊活をスタートしたいと考えている方は当ページの内容を参考に選択肢の一つとして検討してみてはどうでしょうか。

六味地黄丸が妊活に選ばれる理由とは

それでは六味地黄丸が妊活に選ばれる理由について解説していきます。 六味地黄丸の特徴や適している体質などいくつかの視点で解説をしていきますので、是非参考にしてみてください。

そもそも六味地黄丸とは

そもそも六味地黄丸とはどんな漢方なのかが気になる人もいるかもしれません。 六味地黄丸は古くから妊活や更年期、老化予防に使われてきた漢方であり、加齢や慢性的な不調に有効だとされています。


さらに生殖機能の低下にも有効とされ、卵胞の質や月経周期の安定化をサポートしてくれる効果にも期待ができます。


妊娠にはホルモンバランスだけではなく腎(じん)の充実が重要であり、腎の衰えは卵巣や子宮の機能低下につながることがあります。


だからこそ加齢による卵巣機能の低下を感じる方にオススメなことはもちろん、妊活を本気でしたいと考えている方にもオススメなのが六味地黄丸なのです。

 

六味地黄丸の構成生薬

次に六味地黄丸の構成生薬についても掘り下げていきましょう。

・地黄(じおう)…血・陰を補い腎を潤す
・山茱萸(さんしゅゆ)…精を補い、腎を強める
・山薬(さんやく)…胃腸を整え、気と陰を補う
・択瀉(たくしゃ)…余分な水を排出する(利水)
・茯苓(ぶくりょう)…水分代謝を助け、消化機能を高める
・牡丹皮(ぼたんぴ)…血行を抑止、炎症を抑える

そして腎陰虚(じんいんきょ)の改善から精力・ホルモンバランスの回復などにも期待できるのが特徴的です。

これらの生薬で構成されている六味地黄丸は「慢性疲労・腰痛・耳鳴り・頻尿」などにも対応できる、そんな優れた漢方として多くの人に親しまれています。

全身の潤いを整えて老化や衰えにアプローチができる点も見逃せないメリットであり、妊活はもちろん加齢による体調不良に悩む人にもオススメな漢方だと言えるでしょう。

六味地黄丸が適している体質

また六味地黄丸が適している体質について解説していきます。

・35歳以上で妊活中の方
・月経周期が短い(不安定)な方
・生理が少ない方や卵の成長が早い方

上記のような体質や条件、症状に当てはまる方には六味地黄丸は非常にオススメです。


他にも夜間頻尿やのぼせ、口の乾きや寝汗などの症状に悩む方にも六味地黄丸がオススメなので、妊活と健康面のケアの両立をしたい方は六味地黄丸を選択肢に加えてみてはどうでしょうか。

 

六味地黄丸が合わない体質

さらに六味地黄丸が合わない体質についても触れていきます。

・冷えが強くお腹を下しやすい方
・元気がなく舌が白くふわっとしている方
・むくみや水太り、胃腸虚弱傾向が強い方


上記のような体質や症状がある方が六味地黄丸を服用した場合、むくみの悪化や下痢、胃もたれが悪化したりなどのリスクがあるのです。


※その場合には「補陽剤」や「補気剤」の併用や切り替えが必要なケースもあります。 また生理周期が乱れてしまったり疲労感が強まることがあった場合は、漢方相談や体質診断の利用をオススメいたします。

 

自分の体質に合った漢方の選び方

最後に自分の体質に合った漢方の選び方についても触れておきましょう。 もしも漢方選びで不安な方は専門家による「体質診断」や「漢方相談」を積極的に利用して、適切な漢方を選ぶことが大切です。

また「不妊治療」をクリニックなどで受けている場合、それらの治療内容を考慮することも忘れてはいけません。

・治療内容
・現状のホルモン値
・検査で引っかかった項目の有無

上記のような内容も含めて専門家に相談をすると、より体質や目的に合う漢方と出会うことができます。

ちなみに漢方には様々な分野があり、不妊治療や更年期障害、消化器系やメンタルの問題など様々な悩みに対応できるのも漢方の強みです。

もし不妊治療や妊活で漢方を活用する場合、その分野の専門家に相談をすれば西洋医学の知識もあるため適切な治療や妊活につなげることができます。


注意点として最近はSNS上で「自称専門家」も存在するため、安易に不確かな情報を鵜呑みにしたり振り回されることのないように注意しましょう。

 

体質次第では妊活には六味地黄丸がオススメ

今回は体質に合った漢方を選ぶ重要性、そして妊活に活用されることも多い六味地黄丸について解説をしてきました。

もし「六味地黄丸が適している体質」に当てはまる方は妊活や健康のために六味地黄丸を試してみることをおすすめします。

※逆に「六味地黄丸が合わない体質」に当てはまる方は、自身の体質や症状に合う別な漢方を探してみるのが良いでしょう。

最近では妊活サプリなどを試す人が増えていますが、健康面の症状も一緒にケアしたい方にとって漢方を取り入れた妊活は非常に優れた選択肢だと言えます。

ホルモンバランスのケアをはじめ様々な症状にアプローチができるため、妊活に最適な漢方を探している方は六味地黄丸で妊活の第一歩を踏み出してみてはどうでしょうか。

 

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本日お話をおうかがいした方

ウィメンズ漢方 薬剤師/国際中医専門員

住吉 忍

相談薬局で生まれ育ち、薬剤師となる。自身も不妊治療を経験し、妊活、女性のヘルスケアを専門に対応するため、ウィメンズ漢方(https://ninkatsu-ayumi.com/facility/1330/)創業。複数の不妊治療専門クリニックの漢方外来を担当し、西洋医学の不妊治療に適した漢方処方の提案を得意としています。

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