「子宮は動いていた」──空の森クリニックがMRIで解明した不妊の新事実。食事と栄養で身体の土台を整える、最先端と根本的アプローチ

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2026.01.23

クリニック

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空の森クリニック②│「子宮は動いていた」──MRIと栄養から見えてきた治療の本質

沖縄「空の森クリニック」の德永院長に、その独自の哲学と空間づくりについて伺った前編。後編では、その最高の環境の中で、実際にどのような医療が行われているのかを深掘りします。

リラックスできる環境は、単なる「癒し」にとどまらず、医療の質そのものを押し上げたと、德永院長は語ります。

森:前編では、空間づくりに込められた想いや哲学について伺いました。実際に、この環境は、医療の現場にどのような影響を与えているのでしょうか。

德永 先生:最大の変化は、ゲストの妊娠率が圧倒的に上がったことです。もちろん、空間が素晴らしくなったから、それだけで結果が出たわけではありません。

この環境に共感した、優秀なスタッフが集まり、職種を越えて活発にディスカッションできるようになった。そのことが、医療の質そのものを劇的に向上させました。

今日は、私たちが実際にどのような医療を実践しているのか、その中身についてお話ししたいと思います。

なぜ、個人クリニックにMRIが必要だったのか


森:なぜ、空の森クリニックでは、個人クリニックとしては異例とも言えるMRIの導入に踏み切ったのでしょうか。


德永 先生:それは、「原因が分からないまま治療を続けること」を、どうしても減らしたかったからです。個人クリニックだからこそ、検査と治療を切り離さず、一つの流れとして完結させたいと思いました。

きっかけは、東京大学の研究グループによる報告でした。原因不明の不妊や、反復着床不全、つまり、良好な胚を戻しても妊娠に至らない方々の中に、「子宮の動き」そのものが影響しているのではないか、という仮説があったんです。


森:子宮が「動く」、というのはどういうことでしょうか。

德永 先生:その動きを評価するためには、通常の静止画像ではなく、MRIを「シネマモード」で撮影する必要がありました。連続した画像として捉えることで、子宮の動きを動画のように確認できるんです。

この撮影には、放射線技師の高い技術と理解が欠かせません。当院の放射線技師が非常に熱意をもって取り組んでくれたおかげで、実現しました。実は彼自身も、不妊治療の経験者だったんです。

そして実際に撮影してみて、あることが分かりました。良好胚を何度も移植してもうまくいかなかったゲストが、本来、着床が起こるべき時期に、子宮が非常に活発に動いていたのです。

森:それは大きな発見ですね。妊娠率にも変化はあったのでしょうか。

德永先生:劇的に変わりました。良好胚を戻してもなかなか妊娠に至らなかった、あるゲストに対して、その動きを抑える目的で、昔から使われている胃腸薬(ブスコパン)を処方しました。すると驚くことに、その周期に自然妊娠されたんです。私たちにとっても衝撃的なケースでしたが、MRIによって「なぜ妊娠しないのか」を、これまでとは違う角度から捉えられるようになった。その象徴的な例だと思っています。

診断から治療まで、すべてがつながる「ワンストップ医療」


森:婦人科疾患と不妊治療は、密接に関係していると聞きます。


德永先生:おっしゃる通りです。だから当院では、「診断から治療までを一つの流れで完結させる」ことを大切にしています。先ほどお話ししたシネマモードMRIも、その一部です。子宮の状態を正確に「見る」ことができるからこそ、次にどんな治療が必要なのかを、無駄なく判断できます。

当院には、腹腔鏡手術の認定医が在籍しており、子宮筋腫などの手術もすべて院内で行えます。また、不妊の原因の約半分は男性側にあると言われていますが、男性不妊を専門とする泌尿器科の専門医もいます。

婦人科はA病院、男性不妊はB病院、検査はまた別の施設へ・・・。

そうした移動の負担・時間の負担をなくし、MRIによる診断から、治療・手術・男性不妊のケアまでを「空の森」で完結させる。これが、私たちの考える「ワンストップ医療」です。

医療の土台は「食事と栄養」


森:治療と並行して、食事指導にも非常に力を入れていらっしゃると伺いました。


德永 先生:はい。実はもう25年近く前から、食事と栄養の重要性は訴え続けてきました。当時はまだサプリメントへの理解も浅く、学会でDHEAの重要性を発表した際には、「そんなもので妊娠するわけがない」と、古参の先生方から厳しい意見を受けたこともあります(笑)。

それでも、必要だと感じたことは、現場で一つずつ実践してきました。亜鉛のサプリメントをゲストに勧めていたら、それだけ多くの方が体づくりに真剣に取り組まれ、結果的に沖縄県中のドラッグストアで亜鉛が品薄になってしまった、という出来事もありました。

森:25年前からとは、かなり先駆的ですね。特に重視されていることは何でしょうか。

德永 先生:まず基本になるのが、「低糖質・高タンパク質」です。特にPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方は、食事を変えるだけで排卵が劇的に改善するケースを、これまで何人も見てきました。

例えば、毎日甘いコーヒードリンクを飲んでいる方には、アイスではなくホットにして、ゆっくり飲むことを勧めています。飲み方を変えるだけでも、体の反応は変わるんです。

重要なのは、インスリンを急激に上げないこと。そのため、ゲスト全員に「炭水化物(糖質)は、野菜やタンパク質を食べ始めてから、最低でも15分以上あけて食べてください」と、かなり具体的にお伝えしています。

「心と体の健康」という土台があってこそ、初めて高度な医療が活きてくる。これが、私たちの一貫した診療方針です。

沖縄の風土が育てた、「信じる」医療


森:最後にお伺いします。長年、沖縄という土地でゲストと向き合ってこられた中で、地域の文化や人々の価値観、そして先生ご自身が医療に向き合ううえで大切にされているスタンスについて、お聞かせいただけますか。


德永 先生:沖縄は出生率が全国で最も高い一方で、離婚率も高く、40代になって新しいパートナーと一緒に来院される方も少なくありません。

「子どもは3人いるけれど、今のパートナーとの子どもが欲しい」「4回帝王切開をしているけれど、それでも5人目を望んでいる」。どこか昭和のような、力強い文化が今も残っていると感じます。

そうした多様な価値観と向き合ってきたからこそ、私は「人を疑うよりも、信じたい」というスタンスを、大切にしてきました。もちろん、失敗したこともたくさんありますが、それも折り込み済みです(笑)。

私たちにできるのは、妊娠を「操作する」ことではありません。その人が本来持っている力を信じて、そっと寄り添い、支えること。

この広い宇宙の中で出会えたご縁に感謝しながら、これからも、ゲスト一人ひとりの人生に寄り添っていきたいと思っています。

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編集後記

空の森クリニックを訪れて、まず感じたのは「ここは病院というより、安心して立ち止まれる場所だ」ということでした。緑と光に包まれた空間には、治療を受けるためだけでなく、自分の気持ちと静かに向き合える余白があるように感じました。

不妊治療は、身体だけでなく心にも大きな負担がかかるもの。だからこそ、医療の質はもちろん、「どんな環境で」「どんな姿勢で」向き合ってもらえるのかが、とても大切だと改めて感じました。

德永先生の懐の深さ、そう表現してよいのか分かりませんが、どんな思いや不安も否定せず、静かに受け止めてくださる存在感と安心感から、お話を伺っているうちに、気持ちがほどけるように、涙が自然とこぼれました。

空の森クリニックの丁寧なチーム医療と、一人ひとりを“ゲスト”として迎える姿勢は、治療に迷いや不安を抱える方にとって、まるごと支えてくれる場所であると思いました。(取材担当:森)

 

 

本日お話をおうかがいした方

空の森クリニック 

理事長

德永 義光

琉球大学医学部卒業、医学博士。滋賀医科大学やローマ大学での解剖学研究を経て、豊見城中央病院などで臨床経験を積む。2005年に前身となるクリニックを開業後、2014年に沖縄にて「空の森クリニック」を設立。さらに2022年には「空の森クリニックKYUSHU」(2025年より「空の森クリニック くるめ」へ名称変更)を開設。高度な医療技術と心のケアを融合させた治療を、沖縄から広げている。

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