子どもを迎える選択肢を探しているご夫婦へ私たちも「親」になれる 特別養子縁組の法的条件・現実の疑問・家族になるために知るべきこと
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妊活お役立ち情報
目次
- 1. 不妊治療の終結から「育てる喜び」へ
- 養子縁組は、新しい家族の形を描くための手段
- 2. 「特別養子縁組」と「里親」の根本的な違い
- 特別養子縁組:法的な「親子」になるための制度
- 里親:子どもを自分の家庭に迎え入れ、養育するための制度
- 【比較表】特別養子縁組 vs 里親制度
- 3. 特別養子縁組の法的条件
- 法律婚であること
- 年齢要件
- 2026年4月改正のポイント:実親の同意について
- 4. 現実の疑問:年齢・費用・子どもの年齢
- 費用はどれくらいかかる?
- 対象となる子どもの年齢は?
- 5. 現実の疑問:監護期間・お別れ・実親の存在
- いきなり家族になるの?「試験養育期間」について
- 途中で子どもが施設に帰ることはある?
- 縁組成立後に実親が現れることは?
- 6. 親だからこそ向き合う「3つの現実」
- ① 真実告知(テリング)の問題
- ② 民間あっせん機関選びの注意点
- ③ 実親の「同意撤回」への不安
- 7. 子どもを迎えるための「5つのステップ」
- ステップ1:正しい情報の収集とパートナーとの対話
- ステップ2:相談窓口へのアプローチ
- ステップ3:里親研修の受講と登録
- ステップ4:マッチングと試験養育の開始
- ステップ5:家庭裁判所への申し立てと審判
- まとめ:夫婦で足並みを揃え、一生涯の「親」になる覚悟を
- 参考資料
長い不妊治療の末に、「自分たちの遺伝子を受け継ぐ子ども」という選択肢から、「社会の中で温かい家庭を必要としている子どもを迎え入れる」という選択肢へ。
子どもを家族に迎えたいと願うとき、最初に直面するのは「自分たちは親になれるのか」という不安と、「制度の複雑さ」です。この記事では、特別養子縁組の法的な条件・里親との違い・現実的な疑問・具体的な5つのステップを、公的な制度に基づきわかりやすく解説します。
1. 不妊治療の終結から「育てる喜び」へ

養子縁組は、新しい家族の形を描くための手段
不妊治療を終結させるという決断には、筆舌に尽くしがたい喪失感が伴います。「自分たちの子どもを抱きたかった」という悲しみを十分に癒やす前に、焦って養子縁組へと進むことは推奨されません。
特別養子縁組は「大人が子どもを得るための制度」ではなく、「子どもに温かい家庭を保障するための福祉制度」です。ご夫婦で悲しみを共有し、「血縁はなくても、子どもを愛し、育てる喜びを分かち合いたい」という気持ちへシフトできたときが、まず最初の一歩。
そして、養子縁組を検討する際に、忘れてはならないのは、子どもたちもまた「親の愛の喪失体験を抱えている」という点です。「喪失体験を抱えた子どもたちの人生に寄り添い、養親として支えていきたい」、そういった想いを夫婦で抱いた時、初めて子どもを迎える選択肢の1つになってきます。
2. 「特別養子縁組」と「里親」の根本的な違い

「特別養子縁組」と「里親」は混同されがちですが、子どもの人生におけるあなたの「立ち位置」が決定的に異なります。
特別養子縁組:法的な「親子」になるための制度
「特別養子縁組」とは、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。
●戸籍・関係性:実子に近い形で記載され、相続権・扶養義務も実親子と同じ
里親:子どもを自分の家庭に迎え入れ、養育するための制度
里親制度は、さまざまな事情で家族と離れて暮らすこどもを、自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する制度です。
●戸籍・関係性:法的な親子関係は実親に残ったまま
【比較表】特別養子縁組 vs 里親制度
| 視点 | 特別養子縁組 | 里親制度 |
|---|---|---|
| 子どもの安心感 | 「一生、この人の子ども」という法的保障 | 「今はここで暮らす」という公的な受託 |
| 親権 | 親権を持つ | 親権は実親や児童相談所長が持つ場合がある |
| 社会の支援 | 養育費の支給はない 子ども手当の支給あり *但し、要手続き |
委託中、国から継続的な養育費の支給がある |
3. 特別養子縁組の法的条件

特別養子縁組は、子どもに「永続的な家庭」を保障するための制度であるため、要件は厳格に定められています。
法律婚であること
日本の現行法では、法律上の夫婦(法律婚)であることが必須条件です。未婚のカップルや同性パートナーシップの場合、現在の制度では「夫婦共同での養親」になることは認められていません。
年齢要件
・法律上の下限:一方が25歳以上、もう一方が20歳以上
・民間あっせん機関の場合:妻が45歳以下・夫が50歳以下など、より厳格な独自基準を設けている団体も多い
2026年4月改正のポイント:実親の同意について
これまでは離婚した実親の片方が反対すると縁組が難航するケースがありましたが、2026年4月からは裁判所が一方の親を「親権行使者」に指定することで、反対する側の同意なしでも縁組を進めることが可能になりました。
養親側の精神的な不安は以前よりも軽減される方向に向かっています。
4. 現実の疑問:年齢・費用・子どもの年齢

費用はどれくらいかかる?
① 児童相談所(公的機関)を通じた場合
・試験養育期間中のみ、子どもの生活費(月額5〜6万円程度)や医療費が公費から支給される
・縁組成立後は支給終了。法的な実子となり、ご家庭の収入で養育する
・基本的に斡旋時の費用はかかりません(原則無料)
② 民間あっせん機関を通じた場合
・機関の運営費・実母の出産費用・交通費などの実費として数十万〜200万円程度の負担が発生
・多くの自治体で最大60万円程度の補助金制度があり、費用の一部をカバーできる
対象となる子どもの年齢は?
法律上は原則15歳未満(例外的に17歳未満)が対象です。ただし実際には、新生児〜乳児(0歳児)段階での委託が圧倒的に多いのが現状です。早期からの愛着形成(アタッチメント)が子どもの健やかな発達に不可欠とされているためです。
5. 現実の疑問:監護期間・お別れ・実親の存在

いきなり家族になるの?「試験養育期間」について
法律により、家庭裁判所が縁組を成立させる前に、必ず「6ヶ月以上の試験養育期間」が義務付けられています。子どもと一緒に暮らしながら絆を深め、家庭裁判所の調査官が家庭訪問を行った上で最終的な審判が下されます。
途中で子どもが施設に帰ることはある?
試験養育期間中にマッチング不調と判断された場合、子どもが施設等へ戻るケースはゼロではありません。しかし、家庭裁判所の審判が確定した後は、原則として縁組の解消はできません。法的に完全な実子となるため、離縁は「著しい虐待など子どもの利益を害する場合」にのみ認められます。
縁組成立後に実親が現れることは?
特別養子縁組の最大の特徴は、縁組成立と同時に実親との法的な親族関係が完全に消滅することです。親権も100%養親へ移るため、成立後に実親が親権を主張したり、法的な面会交流を要求したりすることはありません。
ただ、個別のケースや民間あっせん機関の方針によっては養育家庭側から生みの親との面会や手紙のやり取りなどを望めば可能な場合もあります。
6. 親だからこそ向き合う「3つの現実」

① 真実告知(テリング)の問題
特別養子縁組において最も重要な親の責任が「真実告知(テリング)」です。子どもに養子であることを隠し通そうとし、思春期に偶然事実を知ってしまい、親子関係が崩壊するトラブルは少なくありません。
現在では、幼児期から絵本などを通じて肯定的に、日常的に伝え続けることが強く推奨されています。「あなたはどのような生い立ちであっても、特別な絆で結ばれた大切な子どもである」というメッセージを積み重ねることが、親子の信頼の土台になります。
② 民間あっせん機関選びの注意点
民間機関を利用する場合、都道府県から正式な許可を得ている団体かどうかを必ず確認してください。法外な手数料を請求されるトラブルを防ぐため「許可制」となっており、複数機関の費用・サポート体制を比較検討することが重要です。
③ 実親の「同意撤回」への不安
かつては試験養育期間を経ていざ審判という段階で、実親が同意を撤回し縁組が成立しないケースがありました。しかし2026年4月の法改正により、「親権行使者の指定」を通じて不合理な同意撤回から子どもと養親を守る仕組みが整えられ、養親側の不安は以前より大きく軽減されています。
7. 子どもを迎えるための「5つのステップ」

ステップ1:正しい情報の収集とパートナーとの対話
まずは制度を正しく理解することから始めます。夫婦間で「なぜ子どもを迎えたいのか」を深く話し合うことが、すべての出発点です。
ステップ2:相談窓口へのアプローチ
窓口は「児童相談所」または「民間あっせん機関」の2種類です。
児童相談所:公的な窓口。定期的に説明会が開催されている。費用は原則無料だが、待機期間が長い傾向あり
民間機関:独自の基準でマッチング。実費(100〜200万円程度)が発生するが、補助金制度の活用が可能
ステップ3:里親研修の受講と登録
特別養子縁組を希望する場合も、まずは「養子縁組里親」としての研修を受ける必要があります。
ステップ4:マッチングと試験養育の開始
子どもとの引き合わせが行われます。2026年の改正法下では手続きが「適格性の確認」と「成立の審判」に二段階化されており、一度実親が同意した後の撤回には厳しい制限が設けられ、養親側の不安が軽減されました。
ステップ5:家庭裁判所への申し立てと審判
試験養育期間の結果を踏まえ、家庭裁判所に申し立てを行います。調査を経て審判が確定すれば、法的な親子関係が成立し、新しい戸籍が作成されます。
まとめ:夫婦で足並みを揃え、一生涯の「親」になる覚悟を

特別養子縁組は、子どもに一生涯の「安全基地」を提供する、深い覚悟を伴う決断です。年齢や費用といった現実的な壁はありますが、それ以上に求められるのは「血の繋がりがなくても、この子の人生を最後まで背負う」という揺るぎない思いです。
不妊治療を共に乗り越えたご夫婦だからこそ築ける、新しい家族の絆があります。まずは制度を正しく知り、ご夫婦でじっくりと対話を重ねることから始めてみてください。
参考資料
・こども家庭庁:特別養子縁組制度について:https://www.cfa.go.jp/policies/shakaiteki-yougo/tokubetsu-youshi-engumi
年齢要件、試験養育期間、実親との法的関係終了など基本的要件が網羅された公式ページ。
・こども家庭庁:養子縁組あっせん事業者一覧(令和8年4月1日現在):https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f33696fb-1ccf-416e-9eff-0724df1bab11/6e98bbcd/20260514_policies_shakaiteki-yougo_tokubetsu-youshi-engumi_61.pdf
都道府県の許可を受けた民間あっせん機関の最新の公式一覧PDF。
・裁判所:特別養子縁組成立の申立て手続:https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_09/index.html
申立てに必要な書類や家庭裁判所での手続きフローが掲載。
・法務省:養子縁組について知ろう:https://www.moj.go.jp/MINJI/kazoku/youshi.html
法的な制度の全体像と基礎知識の参照先。
記事監修
一般社団法人特別養子縁組家庭支援団体Origin
代表
みそぎさん
特別養子縁組家庭で育ったこども当事者。
生まれた日に遺棄されているところを保護され乳児院に入所。その後児相のあっせんで特別養子縁組成立。真実告知は高校生のころで、社会人になったタイミングで当事者団体であるOriginを立ち上げ代表を務める。
一般社団法人特別養子縁組家庭支援団体Origin
2020年4月発足のこども當事者団体。
毎月オンラインでの養親サロン・養子サロンを開催しており、年に数回東京と福岡で対面形式のサロンも開催。
Xアカウント:https://x.com/Origin73686845

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