サプリメントと一緒に見直したい、妊活中の生活習慣【女性編】
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妊活お役立ち情報
「今の卵子の質をなるべく守りたい」
「妊娠しやすい身体にしたい」
「少しでも治療の結果を良くしたい」
このような思いから、葉酸やビタミンD、抗酸化サプリメントなど、さまざまなサプリメントを取り入れている方も少なくありません。
もちろん、妊娠を考えるうえで必要な栄養素を補うことは大切です。
ただし、サプリメントで妊娠しやすさが決まるわけではありません。
食事や運動、体重、飲酒、喫煙といった日々の生活習慣も、身体の土台として非常に重要です。
実際、不妊治療実施施設では、問診の際に生活習慣や体調管理について確認されることが少なくありません。場合によっては、治療に入る前に、まずその部分の見直しを勧められることもあります。
そこで本稿では、妊活中に見直したい生活習慣についてお話ししていきます。…その前に、まず一番大切なことをお伝えします。
それは、
「なかなか妊娠しないな」と感じたら、早めに不妊治療クリニックへ相談してほしい、ということです。なぜなら、不妊の原因は生活習慣やサプリメントで改善できるとは限らないからです。
卵管の通過障害、排卵の問題、卵巣予備能の低下、精子の状態などは、検査をして初めてわかることもあります。
また、検査結果によっては、タイミング法を続けるよりも、人工授精や体外受精に進んだほうが、妊娠や出産への近道になる場合も少なくありません。
さらに、妊娠のしやすさには年齢も大きく関係します。
「体質改善もしているから、もう少し様子を見ながら自分たちでタイミングを取ってみよう」と考えている間にも、年齢による影響は進んでいきます。年齢が高めの場合には、その後に体外受精へ進んだとしても、簡単ではないケースがあります。
生活習慣の改善と不妊治療は、どちらか一方を選ぶものではありません。
必要な検査や治療を受けながら、できる範囲で生活習慣も整えていく――その進め方が、いちばん現実的です。
さらに言えば、少しでも妊娠や出産に近づくために、不利になりうる要因を一つでも減らしていく。その意識を持つことが大切です。
今回は前編として、女性が妊活中に見直したい生活習慣を項目ごとに整理していきましょう。
食事
ただし、肥満ややせすぎが妊娠しやすさに影響している場合を除けば、現時点で、特定の食品を食べることで卵子の質が改善したり、妊娠率が明確に上がったりすると証明された食品はありません。
一方で、野菜や果物、全粒穀物、魚などを取り入れた「地中海式食事」のような食事スタイルは、自然妊娠や体外受精の治療成績と関連する可能性があることが研究で示されています。そのため、不妊治療を行っている施設の中には、こうした食事スタイルを勧めているところもあります。
食事の見直しは、妊活だけでなく、身体全体の健康づくりにもつながります。サプリメントはあくまで「栄養補助食品」です。
まずは一度、普段の食事内容を振り返ることから始めてみましょう。

アルコール
アルコールと妊娠しやすさの関係については、研究によって結果が分かれている部分もあります。そのため、少量の飲酒が妊娠率を低下させるとまでは、現時点では言い切れません。
一方で、飲酒量が多い場合や、飲酒の頻度が高い場合には、妊娠しにくくなる可能性が示されています。
「妊活中だから一滴も飲んではいけない」と過度に構える必要はありません。
ただ、普段から飲酒量が多い場合は、一度見直してみたいところです。
まずは、飲む量を1杯減らす、飲む頻度を週に1日減らす、といったところから始めてみるとよいでしょう。
なお、妊娠中の飲酒は、胎児への影響の観点から避けることが勧められています。
妊活中であっても、妊娠の可能性がある時期や、妊娠が分かった後は飲酒を控えるようにしましょう。
喫煙
生活習慣の中でも、喫煙は優先して見直したい項目です。
喫煙は女性の不妊リスクの上昇と関連しており、自然妊娠だけでなく、体外受精の成績にも影響する可能性が指摘されています。
また、喫煙する女性では、流産リスクの上昇や、閉経年齢が早くなることとの関連も報告されています。
そして、もう一つ気をつけたいのが「受動喫煙」です。受動喫煙についても、不妊リスクの上昇との関連が報告されています。本人が喫煙していなくても、パートナーが喫煙している場合には、できるだけ避けることが望まれます。女性だけが生活習慣を見直すのではなく、パートナーも一緒に禁煙に取り組んでいくことが大切です。

体重
体重も、妊活では見落とせないポイントです。BMIが高い状態(肥満)では、女性では排卵障害や月経不順との関連が知られています。また、体外受精においても肥満は妊娠率の低下や流産率の上昇などとの関連が報告されています。
体重が軽すぎる「やせ」も月経不順との関連が報告されており、不妊の原因となる可能性があります。BMIがかなり高い場合、あるいはかなり低い場合には、妊娠を目指す前に、体重を適正な範囲に近づけることを治療施設から勧められる場合があります。
ただし、体重は単純に「減らせばよい」「増やせばよい」というものではありません。急激な体重変化は身体への影響が大きく注意が必要です。体重を整えるときは、短期間で一気に変えようとするより、食事や運動を少しずつ見直しながら進めるほうが現実的です。
運動
適度に身体を動かしている女性では、自然妊娠しやすさや体外受精の成績が良好な傾向を示した報告があります。しかし、運動が妊娠率や出生率を直接改善するとまでは明らかになっていません。
一方で、高い負荷の運動(過度な運動)を行っている女性では、出生率の低下や、体外受精における採卵周期のキャンセルなどとの関連も報告されています。
適度な運動には、生活習慣病の予防や気分転換、体力維持など、妊活以外にも多くのメリットがあります。妊娠率のためだけに運動量を増やすのではなく、自分の体力や生活スタイルに合うものを、無理なく続ける、いわば「身体を整えることを意識する」ことが重要です。

睡眠
睡眠不足が続くと、月経周期の乱れや、体外受精での採卵数・妊娠率の低下と関係する可能性があるとする報告があります。しかし、「たくさん眠れば妊娠率が上がる」とまでは、現時点では言い切れません。
睡眠の評価方法や対象となる人の背景などが研究によって異なり、結果も一貫していないためです。
ただ、十分な睡眠は、心身の疲れを回復させ、日々の生活リズムを整えるうえでも欠かせません。妊活中は「妊娠率のために眠る」と考えるより、まずは自分に合った睡眠時間を確保して、心と体の調子を整えることを意識してみてください。

クリニックへの受診
最後にお伝えしたいのは、最初にも強調した、適切なタイミングで不妊治療施設を受診することの大切さです。もちろん、生活習慣の改善やサプリメントの摂取は大切ですが、不妊の原因には、生活習慣やサプリメントといったもので改善できないものが多数あります。
- 卵巣予備能の低下
- 排卵障害
- 卵管の通過障害
- 子宮の形態異常
- 精子の数や運動率などの異常
上記のような、検査を受けて初めて見えてくる原因も少なくありません。
また、特に重要なのが年齢です。生活習慣を整えることは大切ですが、年齢による妊娠しやすさの変化そのものを止めることはできません。

だからこそ、「生活習慣を整えてから受診する」のではなく、必要な検査や治療を受けながら、できる範囲で生活習慣も整えていく、という進め方がおすすめです。
「なかなか妊娠しない」「タイミングをとっているが1年が経過した」と感じたときは、まずは一度不妊治療施設に相談してみてください。身体の状態を把握したうえで、自分に必要な治療と生活習慣を一緒に考えていくことができます。
ここを出発点に考えると、必要以上に遠回りせずにすむかもしれません。
まとめ
ここまで生活習慣について紹介してきましたが、最初から「完璧な生活」を目指す必要はありません。妊活をしていると、
「昨日お酒を飲んでしまった」
「運動できなかった」
「野菜が足りなかった」
「睡眠時間が短かった」
など、一つ一つの行動を気にしてしまうことがあります。ただ、不妊治療の結果は生活習慣だけで決まるものではありません。できることから、日々の生活全体を少しずつ整えていく。そのくらいの向き合い方が、妊活中の生活習慣にはちょうどよいはずです。
参考資料
- ESHRE Task Force on Ethics and Law. Lifestyle-related factors and access to medically assisted reproduction. (Hum Reprod) 2010
- ASRM:Optimizing natural fertility: a committee opinion
- ASRM:Obesity and reproduction: a committee opinion
- Cochrane:Does preconception lifestyle advice help people with infertility to have a baby?
- Caetano G, et al. Impact of sleep on female and male reproductive functions: a systematic review. (Fertil Steril) 2021
- 日本産婦人科医会:不妊の原因と検査
本日お話をおうかがいした方
塚田寛人
大学卒業後、検査会社にて動物検査業務に従事。その後、医療法人三秀会中央クリニックにて胚培養士として勤務。また、クリニック開業時の培養室立ち上げにも参画。現在は川越レディースクリニックで医療部マネージャーを務めながら、高度生殖補助医療(体外受精)や妊活に関するオンライン相談を行い、患者様支援に幅広く携わっている。
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