一般不妊治療から高度生殖医療、男性不妊も対応。不妊治療の総合クリニック|英ウィメンズクリニック【前編】

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2024.11.01

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一般不妊治療から高度生殖医療、男性不妊も対応。不妊治療の総合クリニック|英ウィメンズクリニック【前編】

タイミング法や人工授精といった一般不妊治療はもちろん、体外受精、顕微受精といった高度生殖医療まで対応する英ウィメンズクリニック(さんのみやクリニック)。クリニックの特徴や着床の研究、最新情報について、妊活の歩み方編集部が、院長の苔口昭次先生にお話を伺いました。

患者さんの状況に合わせて必要な治療を提案


編集部:英ウィメンズニックが得意とする患者さんはどのような方でしょうか?

苔口先生:当院では、不妊治療の総合クリニックとして、タイミング法や人工授精といった一般不妊治療はもちろん、体外受精、顕微受精といった高度生殖医療まで対応しています。

日帰りで行える卵管鏡下卵管形成術(FT法)をはじめ、保険診療と組み合わせて受けられる先進医療もあります。男性不妊専門も同建物内にありますので、ご夫婦そろっての不妊治療が可能です。いらっしゃっていただけたら、それぞれの状況にあわせて必要な治療の提案できます。

編集部:まるで不妊治療の総合デパートですね。同じ建物内に男性不妊専門もあるのは、治療でいろいろとメリットがありそうです。

苔口先生:2019年に「英メンズクリニック」を開き、男性不妊治療にも力を入れています。ご夫婦の情報をリアルタイムに共有できる体制なので、女性側の治療状況を把握した上で男性側の治療も組み立てることができ、高い治療効果を得ています。

特に精巣内精子使用のICSIにおいては、一般的には男性不妊の場合は凍結した精子と新鮮卵子で受精しますが、当院ではタイミングを合わせて新鮮精子と新鮮卵子で行うことができます。

卵管を通す日帰り手術FT法も実施可能


編集部:それはすごいですね。ちなみに卵管形成のFT法も実施できるとのお話でしたが、FT法を行えるクリニックは、日本ではまだ少ないですよね。どんな手術なのか教えてください。

苔口先生:FT法は、狭くなっていたり詰まったりしている卵管を通すために行う日帰りのカテーテル手術です。手術自体は、およそ15~20分で終了します。

極小カメラを搭載した円筒状の伸長性バルーンカテーテルで行いますが、技術習得が難しく、現在のところ日本では当院を含め136施設しか実施できません。

卵管に障害がある卵管性不妊のケースは、体外受精の選択をすることも少なくありませんが、FT法によって自然妊娠が期待できます。


編集部:
卵管性の不妊は、不妊の中でもけっこう多いのでしょうか?また原因は何なのでしょう?

苔口先生:全体の不妊で原因不明が4割、うち卵管性の不妊は2割~2割5分くらいなので、けっこういますね。症状は全くないので、調べてみて初めてわかるといったケースがほとんどです。

調べるといっても、今のところは卵管の造影検査でしかわかりません。卵管通過障害の原因もまだはっきりとはわかっていません。

一番多いのはクラミジア感染ですが、感染していない人が閉塞していないとは言えないですね。

編集部:FT法の治療効果は、どうなのでしょうか?年代別で違いはありますか?

苔口先生:治療効果は良好です。当院ではFT法の後6か月を大切な期間とし、FT法の効果が高いうちに早めに妊娠するようにタイミング療法、人工授精法などを提案します。

他に不妊要因がなければ、当院の妊娠率では20~30代の方で34~37%になります。40代以上の方になると、もちろん妊娠する方もいらっしゃいますが、7%ほどです。

がくんと下がってしまう傾向にあります。そのため年齢が高い方は、FT法の後2~3か月くらいで切り替えることがあります。

SEET法など着床の研究について


編集部:英ウィメンズクリニックといえば、子宮内膜刺激胚移植法であるSEET(シート)法を開発したことでも知られています。着床しやすい子宮内膜を作る治療方法ですが、改めてSEET法についてお聞きかせください。


苔口先生:そもそも着床の成立には、胚盤胞を受け入れる子宮側の準備が必要です。この子宮側の準備には、胚が受精から胚盤胞までの成長過程に発する伝達物質(シグナル)が関与しているのではないかと考えられています。

SEET法は、体外受精においても自然妊娠と同様のシグナルを子宮に届けることで、より着床しやすい子宮内膜の状態を作り出し、妊娠率の向上を促進する技術になります。

編集部:具体的には、どんなシグナルをどのように届けるのでしょうか?


苔口先生:体外受精によって作られた受精卵は体外で培養され胚盤胞になりますが、このとき用いた培養液を、胚移植する前に子宮の中に少量注入する方法です。

概念としては、この培養液の中に受精卵が成長する過程に出されるシグナルが含まれており、そのエキスを体内に戻すことで「これから行くぞ」という胚由来のシグナルが子宮に届きます。

すると子宮側が準備を始め、着床に適した状態を作り出すというものです。

編集部:現在のところは自費になりますか?

苔口先生:今は自費になります。ただし先進医療の始めのステップである単独施設の研究から、現在は第2ステップである多施設共同研究の段階に入っています。

着床は、妊娠成立の2/3を占めていると言われているので、SEET法が保険適用になってほしいものです。

編集部:他にも着床について注目している最新情報があれば教えてください。

苔口先生:いろいろと研究が進んでいるので、お話したいことがたくさんあるのですが、1つ挙げるとしたら、ERA(子宮内膜着床能検査)ですね。

体外受精において良好胚移植を複数回⾏っても妊娠しない方に対して、子宮内膜に受精卵を受け入れる時期「着床の窓」を調べる検査として、ERAを行うことがありますよね。

この検査は子宮内膜の組織を採る必要があるのですが、近い将来、血液だけでわかるようになるかもしれません。

編集部:検査が採血で済むということでしょうか?

苔口先生:そうです。ERAは、子宮内の組織を採取する必要があるので痛みが気になったり、検査をするための周期をわざわざ作ったりするのですが、1回目の胚移植のときに採血しておけば、妊娠できなかったら結果が出て着床の窓のずれがわかるので、検査周期を作る必要もなく、次の周期に合わせられるようになります。

つまり、時間を短縮して一発でわかる。研究段階ではありますが、そういった時代が今、目の前にきています。

本日お話をおうかがいした方

英ウィメンズクリニック(さんのみやクリニック)

院長

苔口昭次先生

2004年9月より英ウィメンズクリニック勤務。 2005年9月より英ウィメンズクリニック 副院長。 2012年8月より卵管鏡・内視鏡部門顧問、統合医療部門顧問に就任。 2013年3月より英ウィメンズクリニック 院長。 明石海峡大橋の見える垂水に住んでいます。孫文縁の移情閣の西側からみる海峡大橋の眺めが気に入りジョギング時には必ず立ち寄ります。そこに「夢のレンズ」という大きな石作りの車輪形の2mのモニュメントがあります。まさにレンズをのぞくように対岸の淡路島をみることができます。未来の姿がすうっと透けてみえるような感じになります。機会があれば一度行ってみてください。笑ったかわゆいお子さまを抱いた未来の皆様の笑顔がきっとみえるはずです。それが現実となるように日々努めて参りたいと思っています。

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