プレコンセプションケア助成金【東京都】
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妊活お役立ち情報
2024.09.20
カラダ
プレコンセプションケア助成金【東京都】
最近、妊娠や妊活をする前から、妊娠をしやすい身体づくりを意識するために、性や妊娠に関する正しい知識を若いうちから身に付けておこう、という概念「プレコンセプションケア」が話題になっています。今回は、東京都で毎月行われる「TOKYOプレコンゼミ」をご紹介しながら、プレコンセプションケアについて理解を深めて参りましょう。
プレコンセプションケアって何?
プレコンセプションケアとは、性や妊娠に関する正しい知識を身に付け健康管理を行うよう促すことをさします。とはいえ、正しい知識というとなんだか難しそうな印象がありますが、実は、日ごろの食生活や、運動習慣などを見直すことで、妊娠や妊活を考えた時に、妊娠をしやすい身体づくりをしていくというシンプルなことなのです。
妊娠の計画を立てる
結婚している人の多くは、お仕事をしているケースが少なくありません。キャリアを積みながら妊娠を考えなければいけない方も中にはいるでしょう。
女性は、とくに年齢を重ねると卵子の老化や個数が減少していくことから、いつまでに、何人産みたいのかということをパートナーとあらかじめ話し合っておくことをおすすめします。
結婚がまだであっても、いつか産みたい、と考えている場合は卵子凍結という選択も。仕事が忙しくキャリアを重ねているうちに、年齢も重ねていく。その中でパートナーを見つけることが今はできない、といった方は妊孕性(にんようせい)温存の1つの方法として検討しても良いかもしれません。
また、無計画な妊娠は、糖尿病管理が不十分な時期に妊娠が成立する可能性があり、胎児にリスクをもたらすこともあります。
適正な体重にする
妊娠前に適切な体重を維持することで、妊娠中の合併症リスクを低減します。18〜49歳の女性の適正体重の範囲は、BMI値でいうと18.5〜24.9となります。
BMI18.5未満になると、不妊症や初期の流産リスク、早産、低出生体重児のリスクが高まります。逆に、BMI26以上になると、妊娠糖尿病や高血圧を引き起こしやすく、ほかにも出産時の外傷や、帝王切開、自然早産、神経管閉鎖障害、心血管異常、口蓋裂などの先天異常のリスクが高まります。
肥満はこのようなことから減量が推奨される場合もあります。妊娠前から適正体重を保つことは、ゆくゆく児を守ることもにも繋がる、ということです。
ストレス管理とメンタルヘルスケア
妊娠中のストレスやメンタルヘルスは、母体や胎児の健康に影響を与えるため、妊娠前からメンタルヘルスの管理が重要といわれています。妊娠前から、ストレスを溜め込まず、健全なメンタルで過ごすことは、妊娠中や産後鬱などの予防にも繋がる、ということになります。
喫煙・アルコールの摂取
妊娠を望む女性にとって禁煙は重要です。喫煙は流産や早産、低出生体重児などのリスクを高めることが分かっており、完全に禁煙することをおすすめします。
自分の意思ではなかなか難しい場合は禁煙外来を利用するのも良いでしょう。パートナーである男性にとっても、精子の質を悪化させる元になりますので、一緒に禁煙するのがベストです。
また、アルコールも、厚生労働省「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均の純アルコールで20g程度といわれていますが、妊娠を望む場合は、禁酒することがすすめられています。 ※参考:飲酒、喫煙と先天異常
服薬の見直し
妊娠中に使用が推奨されない薬(例:特定の降圧薬やスタチン等)は、胎児に有害な影響を与える可能性があるため、プレコンセプションケアの一環として薬物療法の見直しとしてカウンセリングが推奨されています。意志と相談したうえで、妊娠前に催奇形性があることがわかっている薬をより安全な薬に切り替える必要があります。
葉酸を摂取する
妊娠前から葉酸サプリメントを摂取することで、胎児の神経管欠損(脳や脊髄の奇形)のリスクを軽減できるという報告があります。そのため、妊娠を計画している女性には葉酸摂取が推奨されています。
葉酸の摂取目安は、妊娠3か月前から800㎍と言われています。日本人はもともと葉酸の吸収率が悪い方が多いため、サプリなどで効率よく摂ることを奨められています。
なぜ今、プレコンセプションが注目されているの?
現代の女性の多くは、仕事をしながら自分の健康の管理をすることがとても難しい状況にある人が多く、女性ならではの月経・妊娠・出産に関する健康課題の発見や、適切なケアが十分にできているかというと、そうでないケースが多くなっています。
例えば「内閣府の健康意識に関する調査」によれば、月経に関わる不調によって、生活への支障がある、と答えている人は、女性全体でいうと、81.9%を示しています。また、20~39歳の月経による不調による生活への影響は78.0%と高く(下図参照)、また、PMSなどに関しても同様に、71.9%と、月経やそれに伴う不調による影響が大きいことが分かっています。とはいえ、不調があった際に適切なケアがきちんとできているか、と問われると、病院に行くなどの割合も、女性の方が男性よりも低くなっている結果となっていました。
女性が健康的に長く働き続けるためには、自分自身の体の状態を知り、不調があれば適切なケア、通院を行うことが何より大切で、それが将来妊娠や出産を考える際に、自分を助ける手立てになるのです。そこで、プレコンセプションケアという考え方が今注目をされている、というわけです。
東京都主催の「TKYOプレコンゼミ」
東京都では、若い世代がプレコンセプションケアに興味・関心を持ち、取り組むきっかけとなるよう、「TOKYOプレコンゼミ」を開催しています。
*プレコンセプションケアとは、性や妊娠に関する正しい知識を身に付け健康管理を行うよう促すことをさします。
「TOKYOプレコンゼミ」を受講し、検査のことを正しく理解した上で希望する方は、都が指定する検査のうち、個人の状況に合わせ医師と相談の上、実施した検査等の費用を助成します。
【プレコンゼミ講座内容】
(1)未来の家族を考えたとき、知っておきたいこと 生活習慣~知っておきたい検査値(AMH検査、経膣超音波検査、精液一般検査、風しん抗体検査等)~妊娠成立に関する知識(講師:国立成育医療研究センター医師等)
(2)妊娠・出産前のヘルスチェック支援のご案内
【対象者】
妊娠・出産をこれから考える、都内在住の18~39歳の方
※ パートナーの有無は問いません
【日時・会場・申し込み方法】
月1回程度、都内各所にて開催(会場とオンラインによるハイブリッド開催)
※ 講座の開催時間と会場は回により異なります。
各回の申込み締切(おおむね開催の1週間前)までに、下記からお申し込みください。
https://preconceptioncare2024.jp/
【定員】
カップル:各回25組50人程度
シングル:各回100人程度
※ 定員は、会場等の都合により異なる可能性があります
【検査費用助成要件】
(1) 「TOKYOプレコンゼミ」の受講を完了し、検査のことを正しく理解すること。
(2) 受講完了後、プレコンセプションケアの一環として、当該年度内に、登録医療機関において、対象の検査及び検査結果を踏まえた助言・相談を受けること。
(3) 都が実施するアンケートに回答すること。
(4) 講座受講日から申請日までの間、対象者(検査、助言・相談を受ける方)が継続して東京都の区域内に住民登録していること。
(5) 検査に係る初診の日における対象者の年齢が18歳以上40歳未満であること。
【助成金】
女性:上限3万円、男性:上限2万円
※ 上限額を超えた分は自己負担となります。
※ 都が指定する登録医療機関で検査から助言・相談まで受けられます
※ 助言・相談の終了後に、今後の都事業の参考とするためのアンケートにご回答ください
【対象となる検査】
女性 | 男性 | |
必須検査 |
尿検査(たんぱく、糖) 血液検査(Fe、TP、コレステロール、糖、腎機能) 麻しん抗体検査 |
|
選択できる検査 |
B型肝炎検査 C型肝炎検査 感染症検査(梅毒、淋病、クラミジア、HIV) |
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AMH検査 甲状腺ホルモン検査 経膣超音波検査 (子宮サイズ、卵巣サイズ、 腫瘍有無、嚢胞多い少ない) 女性ホルモン検査 (エストロゲン、プロゲステロン、LH、FSH、 プロラクチン) |
精液一般検査 (精液量、精子濃度、総精子数、白血球数、 総運動率、前進運動率、正常精子形態率) 男性ホルモン検査 (テストステロン、LH、FSH、プロラクチン)
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ぜひ、機会を見つけて、プレコンセプションケアについて理解を深め、できることからやってみてはいかがでしょうか。
編集:妊活の歩み方
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