夜勤は妊娠しにくいって本当?交代勤務の流産リスクと、睡眠不足でも妊娠力を守る4つの対策

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2026.03.20

不妊治療

夜勤は妊娠しにくいって本当?交代勤務の流産リスクと、睡眠不足でも妊娠力を守る4つの対策

「夜勤明けは基礎体温がガタガタ。排卵日なんて全然わからない」
「生活リズムがバラバラのせいで、赤ちゃんが来てくれないのかな…」
看護師さんや介護士さん、空港勤務や工場勤務など、不規則な時間で働く女性からよく聞く悩みです。「妊活のために夜勤を辞めるべき?」と悩んでいる方も多いでしょう。

結論から言うと、「夜勤をしている=妊娠できない」というのは間違いです。
夜勤という働き方そのものが問題なのではありません。ただ、体調・ホルモンリズムを整えないままだとチャンスを活かしにくくなる、というのが実際のところです。

今回は、最新の医学データが明らかにした「夜勤・交代勤務と妊娠の本当の関係」について、流産リスクや不妊への影響を含めて解説します。実は、気をつけるべきはあなただけではありません。「夫の睡眠不足」も大きな落とし穴なのです。

最新データで判明!「夜勤=不妊」ではないが、「睡眠不足」は妊娠率を下げる


多くの女性が恐れる「夜勤をしていると妊娠しにくくなる」という噂。

実は、2019年にアメリカで行われた約7,000人を対象とした大規模な研究(※1)で、意外な事実が明らかになりました。

「シフト勤務(夜勤含む)」をしているかどうか自体は、妊娠のしやすさに悪影響を与えないという結果が出たのです。つまり、「夜勤という働き方そのもの」が不妊の直接的な原因ではありません。

しかし、この研究で同時にわかったのは、「睡眠トラブル(不眠・睡眠不足)がある人は、妊娠率が下がっていた」という事実です。

【朗報】しっかり寝れば、夜勤でも妊娠率は下がらない


このデータを裏返すと、非常に希望の持てる事実が見えてきます。

それは、「たとえ夜勤をしていても、睡眠時間をたっぷり確保し、ぐっすり眠れてさえいれば、妊娠のしやすさは日勤の人と変わらない」ということです。

問題なのは「いつ働くか」ではなく、「十分な睡眠時間がとれているか」です。

夜勤明けでも、環境を整えて質の高い睡眠が取れていればリスクは低く、逆に日勤だけでもスマホの見過ぎで睡眠不足の人は、妊娠しにくくなる可能性があります。

そもそもなぜ睡眠が妊娠に重要なのか、メラトニンや成長ホルモンがどう妊活に関わるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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【睡眠と妊活の関係】妊娠しやすい睡眠時間と質を高めるコツ

知っておくべき3つのリスク。「採卵数の減少」と「卵子の老化」

では、きちんと眠れていれば100%大丈夫かというと、長期的な視点ではいくつか注意すべきリスクも存在します。

1. 体外受精での「採卵数」が減る可能性

別の研究(※6)によると、夜勤や交代勤務をしている女性は、日勤の女性に比べて、体外受精をした際の「採卵数(取れる卵子の数)」が減少するという報告があります。

不規則な生活による概日リズム(体内時計)の乱れが、卵巣の反応を悪くしている可能性が示唆されています。

2. ハードな夜勤は「流産リスク」を高める

妊娠成立後に関しては、注意が必要です。複数の研究(※7)で、固定の夜勤や頻繁な交代勤務(週2回以上など)が、流産リスクを上昇させる(約1.3倍など)可能性が指摘されています。

妊娠反応が出た時点で、「夜勤を減らす」あるいは「日勤のみに変更する」といった職場への相談は、赤ちゃんを守るために非常に重要です。

3. 長年の夜勤は「卵巣の老化」を早める

これが最も重要な「時間のリスク」です。近年の研究(※3,4)で、「夜勤の頻度が高い」または「夜勤期間が長い」女性は、閉経年齢が早まる(=卵巣予備能が早く低下する)リスクが示唆されています。

「今はまだ若いから大丈夫」と思っていても、体内時計の乱れが積み重なると、卵巣へのダメージが蓄積される可能性があります。夜勤女子こそ、早めに自分の卵巣年齢を把握しておくことが必須です。

盲点!「夫の夜勤・寝不足」も男性不妊の原因になる


男性にとっても「睡眠」はとても重要です。

2020年の研究(※5)で、概日リズム(体内時計)の乱れが、精子のDNAを傷つける(断片化する)リスクを高めることが報告されています。

  • 受精率が下がる(妊娠しにくい)
  • 流産率が上がる(育ちにくい)


男性の場合、自覚症状がなくても「精子」だけが密かにダメージを受けていることがあります。

夜勤でも「妊娠力」を落とさない!今日からできる4つの防衛策

 

  1. 「遮光カーテン」+「サングラス」でメラトニン死守
    夜勤明けの帰宅時はサングラスを着用し、朝日の刺激を避けましょう。寝室は遮光1級カーテンで「完全な闇」を作ることが、卵子の老化を防ぐメラトニンの分泌を助けます。

  2. 「基礎体温」に振り回されない
    夜勤がある人は基礎体温が乱れて当然です。排卵日の特定は排卵検査薬やクリニックの卵胞チェックを活用しましょう。

  3. 男性こそ「抗酸化サプリ」を
    ビタミンC、E、コエンザイムQ10などは、睡眠不足による酸化ストレスから精子を守ってくれます。

  4. 「自己流」の期間を短く設定する:
    夜勤従事者は卵巣機能低下のリスクがあるため、半年を目処に専門クリニックを受診することをお勧めします。

夜勤は妊娠に「悪」ではないけれど、「工夫」は必要

大切なのは、「夜勤だから妊娠できない」と悲観することではなく、「睡眠の質」にこだわり、「期限」を決めて早めに行動することです。

もし体調に不安を感じたら、配置転換や休職を含めて、パートナーや職場と相談してみてください。

【出典・参考文献】

  • (※1) Fertil Steril 2019; 111: 1201
  • (※2) Fertil Steril 2019; 111: 1122
  • (※3) Hum Reprod 2019; 34: 539
  • (※4) Hum Reprod 2024; 39: 413
  • (※5) Hum Reprod 2020; 35: 1515
  • (※6) Occup Environ Med 2017; 74: 426-431
  • (※7) Occup Environ Med 2019; 76: 302-308

記事監修

LIB Laboratory 代表

今井さいこ

1979年6月14日生まれ 公認心理師睡眠指導者 自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。 心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。 ◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表 https://www.liblaboratory.com/ <保有資格> 公認心理師(国家資格) 日本心理学会認定心理士 ベスリクリニック認定睡眠指導者 サンカラ認定

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