片側卵管閉塞のFT後自然妊娠率は約30%!体外受精の着床率も底上げする「子宮環境の浄化」とは?
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妊活お役立ち情報
目次
- 卵管閉塞と診断されても「自然妊娠」の可能性は残されている
- 片側卵管閉塞と両側卵管閉塞の違いとは?
- 自然妊娠の道を開く「外来卵管鏡下卵管形成術(FT)」とは
- FTは保険適用・日帰りで身体への負担が少ない治療
- 【実績紹介】片側卵管閉塞のFT術後の妊娠率は?
- 片側卵管閉塞の場合、約3人に1人(30%)が自然妊娠
- 両側卵管閉塞でもFTで自然妊娠できた方が13%です。「体外受精」だけが選択肢ではありません」
- FT術後「半年以内」が妊娠のゴールデン期間と言われる理由
- 【重要】FTは「体外受精(IVF)」の成功率も上げる
- 卵管の詰まりを放置すると体外受精の着床率が下がる?
- 自然妊娠を狙いつつ、将来の体外受精の「土台作り」にもなる二重の恩恵
- FT治療を受ける前の注意点とデメリット
- 術後の卵管「再閉塞」のリスクについて
- FTの適応外となるケース(卵管采の閉塞や重度の卵管水腫)
- FTか体外受精か?迷った時の「納得できる」ステップアップ
- 遠回りにならない!まずは自分の機能を回復させる意義
- 年齢や卵管の状態に合わせたベストな選択肢の見つけ方
- FTを選択するメリット
- 早期に体外受精を選択するメリット(FTを見送る場合)
- まとめ:卵管閉塞=体外受精と焦らず、まずはFTの検討を
- 【参考文献・データ引用元】
※この記事はIVF大阪クリニックの福田愛作先生に監修いただきました。
「片方の卵管が詰まっている」と診断され、今後の妊娠について強い不安を抱えていませんか?「すぐに体外受精へステップアップするべきか」と悩む方も少なくありません。
しかし、片側卵管閉塞であっても、「外来卵管鏡下卵管形成術(FT)」という治療を選択することで、本来の機能を回復させ、自然妊娠に至るケースも数多くあります。さらに近年、FTは自然妊娠を目指すだけでなく、将来的に体外受精(IVF)へ進んだ際の「成功率(着床率)」を底上げする効果があることでも注目されています。
本記事では、片側卵管閉塞におけるFT治療の可能性や、体外受精の土台作りとなる「子宮環境の浄化メカニズム」について詳しく解説します。
卵管閉塞と診断されても「自然妊娠」の可能性は残されている

片側卵管閉塞と両側卵管閉塞の違いとは?
卵管は、卵巣から排卵された卵子を子宮へと運ぶための重要な通り道であるだけでなく、精子と卵子が出会う受精の場でもあり、またその受精卵が発育する場でもあります。ここで胚盤胞まで発育した受精卵が子宮内へ運ばれます。この通り道が何らかの原因で塞がっている状態を「卵管閉塞」と呼びます。
左右どちらか一方が塞がっている「片側卵管閉塞」の場合、もう片方の卵管が正常に機能していれば自然妊娠の可能性は残されています。
しかし、排卵はどちらか一方の卵巣で起こりますから、妊娠のチャンスが実質的に半減してしまうため、早期の対策が推奨されます。当然ですが、両方の卵管が塞がっている「両側卵管閉塞」の場合は、そのままの状態では自然妊娠が極めて困難です。
自然妊娠の道を開く「外来卵管鏡下卵管形成術(FT)」とは

卵管の詰まりや狭窄(狭くなっている状態)を解消し、再び通り道を開通させるための治療が「卵管鏡下卵管形成術(FT)」です。
バルーン(心臓のバルーン治療と呼ばれる、心筋梗塞で心臓の冠動脈という血管を通すのにもつかわれます)と呼ばれる細い管を、FTカテーテルを用いて膣から子宮、そして卵管へと進め、先端についた小さなバルーンを膨らませることで、詰まっている部分を物理的に押し広げます。
この治療により卵管を元のように開通させ、本来の機能を回復させることで、ご自身の力での自然妊娠(タイミング法や人工授精)への道を開くことができます。
FTは保険適用・日帰りで身体への負担が少ない治療
FTの大きな特徴は何より自然妊娠が可能な点です。
それ以外に、患者様の身体的・経済的な負担を抑えることが出来ます。メスを使ってお腹を切開することはなく、多くの場合、静脈麻酔(10-15分間眠るだけ)での日帰り手術が可能です※1。
また、健康保険および高額療養費制度の適用対象となるため、費用を抑えながら(収入にもよりますが、多くの方で8万円代の自己負担です)治療の第一歩を踏み出せる利点があります。多くの場合民間保険からの支払いもあります。※1。
【実績紹介】片側卵管閉塞のFT術後の妊娠率は?

片側卵管閉塞の場合、約3人に1人(30%)が自然妊娠
国内で累計9,760件以上という圧倒的なFTの手術実績を持つIVF大阪クリニックの臨床報告によると、「片側卵管閉塞」の患者様がFTを実施した場合、その後の自然妊娠率は約30%(3人に1人)にのぼるとされています※1。
「もう体外受精しかないのではないか」と悩んでいた方にとって、ご自身の卵管の機能を取り戻して自然妊娠を目指せるこの数値は、希望になるのではないでしょうか。
両側卵管閉塞でもFTで自然妊娠できた方が13%です。「体外受精」だけが選択肢ではありません」
従来、両方の卵管が塞がっている「両側卵管閉塞」と診断された場合は、直ちに体外受精へ進むのが一般的な選択肢とされてきました。しかし、IVF大阪クリニックのデータでは、両側卵管閉塞の患者様でもFTを実施することで、約13%の方が自然妊娠に至っています※1。
FT術後「半年以内」が妊娠のゴールデン期間と言われる理由
FTを受けた後、最も妊娠の確率が高まるのは「術後6ヶ月以内(長くても1年以内)」の期間です。卵管の通りが最も良くなっているこの期間を「ゴールデン期間」と呼びます。この間にタイミング法や人工授精を計画的に行うことで、治療の効果を最大限に引き出すことができます。
術後は担当医と受診スケジュールをしっかり組み、ゴールデン期間を有効に活かしましょう。
【重要】FTは「体外受精(IVF)」の成功率も上げる

卵管の詰まりを放置すると体外受精の着床率が下がる?
FTは「自然妊娠」を目指すためだけの手術ではありません。実は、卵管の詰まりを放置したまま体外受精に進むと、せっかくの着床率(妊娠率)が低下してしまうリスクがあります。
卵管はただ単なる管ではありません。卵管液という大切な成分を分泌しています。
実は、卵管液の構成をまねて作ったのが体外受精の培養液です。
ですから、卵管液には胚の発育に重要な成分や生理活性物質、さらには免疫を整える成分も含まれています。つまり、卵管が閉塞していることは胚の着床にも良くないのです。※2。
自然妊娠を狙いつつ、将来の体外受精の「土台作り」にもなる二重の恩恵
つまりFTは、術後すぐに自然妊娠を狙うことができるだけでなく、将来もし体外受精へステップアップした際の子宮環境を最適化する「環境整備(土台作り)」という二重の恩恵を生み出します。
決して遠回りな治療ではなく、その後のあらゆる不妊治療の成功率を底上げする、非常に理にかなったプロセスと言えます。
FT治療を受ける前の注意点とデメリット

術後の卵管「再閉塞」のリスクについて
自然妊娠の可能性を広げ、子宮環境も整える有効なFTですが、注意すべき点もあります。それは、一度開通させた卵管が、時間の経過とともに再び塞がってしまう「再閉塞」のリスクです。術後数ヶ月〜1年程度で、一部の方に再閉塞が見られることが臨床データとして報告されています※4。
そのため、術後は様子を見て待つのではなく、医師と相談しながら計画的にステップアップ(体外受精にいつ頃進むべきか)を見据えた妊活を進めることが重要です。
FTの適応外となるケース(卵管采の閉塞や重度の卵管水腫)
すべての卵管トラブルにFTが有効なわけではありません。卵子を取り込む卵管の先端部分(卵管采)が完全に塞がってしまっている場合や、重度な「卵管水腫」を引き起こしている場合は、FTの適応外となることがあります。
卵管水腫では、子宮を「畑」、水腫を濁った水の水たまりと考えてください。この濁った水が畑(子宮)に流れ込めば、体外受精でどれほど良い種(受精卵)を移植しても、泥水で流されて根を張る(着床する)ことができません。
このようなケースでは、腹腔鏡手術での癒着剥離や卵管切除、あるいは速やかに体外受精へ移行する方針が推奨されます。
FTか体外受精か?迷った時の「納得できる」ステップアップ

遠回りにならない!まずは自分の機能を回復させる意義
治療の選択に迷った際、「まずは自分が本来持っている生殖機能を回復させる」というステップを踏むことは、心理的な負担を軽減する上でも非常に大きな意義を持ちます。
体外受精という高度な治療へ直行することに精神的・経済的な抵抗がある場合、まずは自然妊娠が可能で保険適用のあるFTで機能を回復させることで、「やれることはやった」と納得して次の治療に向き合うことができます。
年齢や卵管の状態に合わせたベストな選択肢の見つけ方
FTを選択するメリット
- ・なんと言っても、自然妊娠が可能なことです。
- ・体外受精に進む際の子宮環境(着床率)を改善できる。
- ・保険適用で費用負担を抑えやすい。
早期に体外受精を選択するメリット(FTを見送る場合)
- ・再閉塞のリスクや、FTから自然妊娠までの時間をショートカットできる。
- ・年齢因子(AMHの低下など)が懸念される場合、最も妊娠率の高い治療を最優先で受けられる。
女性の年齢、卵巣機能、パートナーの精液所見などによっては、FTを挟まずに早期に体外受精へ進んだ方が良いケースもあります。
メリット・デメリットを正しく理解し、担当医としっかりコミュニケーションを取りながら、ご自身が一番納得できる選択をすることが大切です。
まとめ:卵管閉塞=体外受精と焦らず、まずはFTの検討を
- ・片側卵管閉塞であっても、FT後の自然妊娠率は約30%という実績がある。
- ・FTによる卵管の開通は、子宮内の炎症性液体の逆流を防ぎ、将来の体外受精の着床率も底上げする。
- ・保険適用かつ日帰りで可能だが、再閉塞のリスクや適応外のケースもあるため早期の計画が重要。
「卵管が詰まっている」と言われても、焦る必要はありません。まずは不妊治療の専門医療機関を受診し、ご自身の卵管の状態がFTに適応するかどうか、医師に相談してみることから始めてみてください。
【参考文献・データ引用元】
※1(診療実績・基本データ):IVF大阪クリニック 公式サイト「外来卵管鏡下卵管形成術(FT) 診療のご案内」
※2(炎症性サイトカインと子宮内膜への影響):論文名:『Effects of Hydrosalpinx on Endometrial Implantation Failures: Evaluating Salpingectomy in Women Undergoing in vitro fertilization』
※3(FTによる体外受精の成績向上):論文名:『Pregnancy rate of bilateral tubal occlusion patients by IVF improves after recovery of tubal patency by falloposcopic tuboplasty』(Y. Nakaoka, 2008)
※4(FT後の再閉塞リスク等の治療成績について):論文名:『Renaissance of surgical recanalization for proximal fallopian tubal occlusion: falloposcopic tuboplasty as a promising therapeutic option in tubal infertility』(2011)
記事監修
IVF大阪クリニック
院長
福田愛作先生
出身は京都市生まれ。現在は大阪市在住。
家族は夫婦2人暮らし。
趣味はマラソン、家庭菜園。
患者さんの気持ちに配慮した医療を心掛けています。
まず簡単な治療から必要があれば体外受精へ。
昭和53年 関西医科大学卒業
昭和55年 市立舞鶴市民病院 産婦人科医長
昭和63年 京都大学大学院 医学研究科修了
平成元年 京都大学医学博士 授与
平成2年 米国東テネシー州立大学 医学部産婦人科留学
平成3年 米国東テネシー州立大学 医学部産婦人科准教授
平成4年 米国東テネシー州立大学 体外受精ラボディレクター
平成8年 米国バイオアナリスト協会(ABB) IVF培養室長資格(HCLD)取得※日本人で唯一
平成10年 IVF大阪クリニック副院長
平成15年 IVF大阪クリニック院長 医療法人三慧会理事
平成26年 医療法人三慧会常務理事
平成27年 医療法人三慧会専務理事
令和3年 医療法人三慧会副理事長

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