最先端の生殖医療と患者さんの体質改善で妊娠をサポート|HORACグランフロント大阪クリニック【前編】

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2024.09.05

不妊治療

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最先端の生殖医療と患者さんの体質改善で妊娠をサポート|HORACグランフロント大阪クリニック【前編】

大阪市北区のグランフロント大阪内にあるHORACグランフロント大阪クリニック。人間の身体をホリスティック、つまり全体的にとらえ、生殖医学の最先端技術に心理面、栄養面、運動面での療法を組み合わせた統合医療を実践しています。院長の森本義晴先生に、妊活の歩み方編集部がお話をお伺いしました。

身体を全体的にとらえた統合医療で不妊状態に対処する

編集部:HORACグランフロント大阪クリニック(以下HORAC)では、妊娠に向けて、西洋医学だけではなくそれ以外の視点からの取り組みもされています。その狙い をお聞かせください。


森本先生:いくら最高の医療技術を使って治療しても、受け手側の状態が整っていなければ、その治療は効果を出すことができないと考えています。不妊治療が続く患者さんは、ストレスがたまって精神がぼろぼろの状態でいる方が多いです。


そこで身体の器官の一つひとつの不調を対処的に直すのではなく、人間の身体を全体的にとらえ、まずは患者さん自身に心身ともにベストな状態を取り戻していただいきたいと思っています。生殖医療周辺の代替医療を中心とした統合医療プログラムを行うことで、患者さんを妊娠しやすい体質へと変化させ、我々が提供する不妊治療の最先端技術をより効果的に働かせることが狙いです。


編集部:統合医療プログラムとは どのようなものなのでしょうか?


森本先生:不妊治療に必要なのは良い卵子や精子を得ること、そして胚の質を上げることです。そのために、心理面や栄養面、運動面などからアプローチをしていきます。例えば、ご夫婦の健康状態や生活習慣の乱れ、ストレスなどを知り、生活習慣や食習慣、リラックス方法や適度な運動方法の指導などです。


医師だけではなく、各領域の専門家が、妊娠しやすい体質改善に向けてサポートしていきます。統合医療コーディネーターもいるので、患者さんは相談しながら、個々の状態に合わせて実践する内容を選択できます。


編集部:
具体的には、どのようなことをするのですか?


森本先生:特に我々が気にしている点は活性酸素なので、患者さんには、酸化ストレスと糖化ストレス数値の測定をお願いしています。もし数値が高ければサプリメントで対応したり、ミトコンドリア活性を目的とした「ミトコンウォーク」という運動を指導したりします。

体への負担が少なく、活性酸素の発生をほどよく調整することができるウォーキングです。運動前のストレッチ法、歩くスピードや姿勢など知識豊富な専門トレーナーが丁寧にお伝えします。他にも自律神経やホルモンバランスを整えるために、アロマセラピーや鍼、レーザーなどがあります。

ミトコンドリアと妊娠との関係とは

編集部:ミトコンドリア活性といえば、森本先生は長年研究されていますよね。妊娠との関係について教えてください。

森本先生:ミトコンドリアは、私たちの体の細胞内に存在し、エネルギー(ATP)産生という大役を担っています。特に卵子の中には、20~30万個のミトコンドリアが存在すると言われます。

ミトコンドリアが作るエネルギーによって卵子は成熟し、受精し分割し着床、妊娠することができるのです。しかし、ミトコンドリアの機能が劣化し、このエネルギーが不足している方がたくさんいるんです。


編集部:ミトコンドリアが十分なエネルギーを作れないため、質の良い卵子ができず不妊につながるということでしょうか?


森本先生:そうです。車でイメージすると、ガス欠状態で走ろうとしているということです。そんな状態でいる人が、我々のクリニックに多くいらっしゃいます。ミトコンドリアの機能が劣化して起こる一番ひどい状況は、未熟卵です。たくさん採卵できるけれど、成熟せずに未熟のままというケースがあります。


受精障害とか分割しないとか。受精卵にフラグメントが発生したり、分割を停止したり、または変性したりといったことも起こります。こういった患者さんにミトコンウォークなどの統合医療でサポートをしていきます。


実際に、卵子の質が悪かった患者さんがミトコンウォークを続けて「卵が採れました」、「胚も分割しました」と良い結果が出ているのです。他院で8年ほど治療してもなかなか妊娠できなかった方が、うちに来て統合医療を実践して1回目で妊娠した例もあります。


編集部:
ミトコンドリアの活性にはウォーキングなどの適度な運動をするのが良いのでしょうか?


森本先生:それも1つです。日常動作であるウォーキング、ジョギングをはじめ、水泳、ヨガなど有酸素運動が良いでしょう。よく「運動しなさい」と言われて、急にマラソンや筋トレを始める人がいるのですが、活性酸素を作ってしまうので、妊娠しやすい体質を作るという面ではおすすめしません。


特にHORACが提供するミトコンウォークは、プロの知識をいかして、活性酸素の量を調整しながら行うのが特徴です。ただしミトコンドリアを元気にするためには、運動だけではなく。栄養面や心理面のアプローチも重要です。


編集部:
統合医療プログラムのお話でもあったように、運動面や心理面、栄養面からの療法を組み合わせるということですね。


森本先生:不妊治療を続ける患者さんは、ストレスによって脳で多くの活性酸素を作ってしまいます。これを少なくするためには、心理カウンセリングなどの抗ストレス療法が有用です。


またHORACでは生殖栄養カウンセラーがおり、患者さんから測定した活性酸素の量と抗酸化力から、その患者さんに合った食事の指導を行っています。


栄養バランスはもちろんですが、玉ねぎや緑茶など「スカベンジャー」と呼ばれる活性酸素を消去するような食品があるので、そういったものをうまく取り入れるような食事方法をお伝えしています。

難治性不妊症など反復不成功の患者さんへの治療


編集部:
HORACが得意とするのは、どのような患者さんなのでしょうか?


森本先生:胚の質が悪い患者さんですね。何度も体外受精を挑戦したにもかかわらず妊娠できなかった難治性不妊症の3割ぐらいは、胚の質が悪いケースです。今、どんどん増えていますね。

おそらく理由としては、心理的ストレスの増加、空気や水など環境因子の悪化、オゾン層破壊なども影響があると考えています。

特に心理的ストレスに関しては、ミトコンドリアを介してストレスが卵の質を下げているという論文もあります。そういった患者さんに対して、生殖医学の最先端技術とミトコンドリアに注目した統合医療を実践することで、大きな成果をあげています。


編集部:
反復不成功の患者さんへの対応でこだわっている点はありますか?

森本先生:基本的なことなのですが、丁寧に診ていき、根本を改善するストラテジーを練って治療を進めていくことです。持ってこられた検査データを見て、基準が甘いようでしたら、再検査することもあります。

きっちりと取ったデータから何をすべきかをはっきりさせます。例えば卵子の質や胚の質が悪い方に着床の検査ばかりをしても、意味がないんです。

卵の質が悪ければ良くするような方向に、卵の数が少ないのであれば増やす方向に、それぞれ患者さんに合ったストラテジーを練って治療を進めていきます。

 

前編は、HORACの統合医療で体質を改善しながら妊娠を目指す治療についてお話しをお伺いしました。

次回後編は、先端技術で高妊娠率の達成している治療法についてお話をお伺いします。

本日お話をおうかがいした方

グランフロント大阪クリニック

医療法人三慧会 理事長 IVF JAPAN CEO

森本 義晴先生

出身は大分県別府市生まれ。現在は神戸市在住。家族は妻と1女2男。趣味は読書・ゴルフ・スキー・バイオリン。たまにカラオケ。一つでも多くの家庭に暖かい命の火を灯したいと考えています。明けない夜はありません。力を合わせて頑張りましょう。

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