妊活・不妊治療中の「こころ」を大切にするために

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2025.07.14

心理師

妊活・不妊治療中の「こころ」を大切にするために

妊活・不妊治療時の感情(こころ)のケア

子どもを授かるために力を入れる人が多い不妊治療や妊活。

しかし「子どもがなかなかできない」と感じたり、不妊治療をスタートしてからイライラやモヤモヤに悩まされる人は少なくありません。

他にも孤独を感じたり、自分で性格がきつくなってしまったと感じ、自己嫌悪感に悩まされる人もいます。

そんな妊活や不妊治療時に表面化してくる感情(こころ)との向き合い方、ケアの方法などについてわかりやすく解説をしていきます。

子どもができない日々が続き悩んでいる人・・・一生懸命頑張っているのに・・・と思い詰めてしまう人も参考にしてみてください。

子どもの存在や不妊の焦りを知ることが大切

子どもの存在や不妊に対する焦りを理解することは、不妊治療中の感情(こころ)のケアにおいて非常に重要なポイントです。

ここでは、以下の2つの視点からその背景を解説していきます。

• 子どもを持つ意味とは
• 不妊に悩む方の感情(こころ)の不安定さについて

それぞれの項目を通して、感情の揺れを整理するきっかけにしていただければと思います。

子どもを持つ意味とは

まず子どもを持つ意味について少し掘り下げていきましょう。
結婚したら何となく子どもを授かると思っていた人もいるかも知れませんが、改めて考えてみると下記のような「意味」が頭に浮かんでくる人もいるでしょう。

遺伝的なつながりが欲しい
・妊娠や出産という経験が大事
・子どもを育てたいという気持ち

その上で子どもを持つ意味は考えるまでもないことで、尊いことだと感じる人も多いでしょう。

女性にとっては子どもは「授かる存在」であり、結婚から妊娠・出産までは自然な流れだと感じるのが今も昔も続く考え方です。

ただし最近では子どもを産むか産まないかを選択して、数と時期を決めて「つくる存在」に価値観が変化してきているのも現代の特徴でしょう。

もちろん、どちらか一方の極端な考え方に偏るのではなく、両方の価値観をある程度理解した上で、「子育てに専念できる環境を意識して子どもを授かりたい」と考える人もいます。

そのため、「子どもを持つ意味」は人それぞれ少しずつ異なる場合があることを覚えておきましょう。

不妊に悩む方の感情(こころ)は不安定

次に不妊に悩む方の感情(こころ)は不安定になりがちという点にも触れていきます。

先の「子どもを持つ意味」とも少しつながる部分なのですが、今も昔も「子どもができてこそ夫婦であり家族である」といった価値観・家族観を持っている人がとても多いです。

だからこそ「いつ子どもができるかわからない」と悩む人は、焦りや不安、嫉妬や絶望感などを感じてしまいがちです。

そして不安や悩みは子どもができるまで続くため、感情(こころ)が揺れ動いてしまいます。 これは人として当然のことなのですが、女性としてのアイデンティティの喪失、また描いていた家庭像や家族像と離れてしまうため、大きく感情が揺れ動き不安や焦りが日々増幅してしまうのです。

それは独学での妊活をしている人だけではなく、本格的な不妊治療を受けている人でも変わらない悩みです。

そういった悩みは一人で抱え続けるのではなく、後述する感情(こころ)の付き合い方、ケアの方法などを実践して不安や焦りと付き合いながら不妊治療を続けていくことが大切だと頭の片隅に入れておきましょう。

不妊治療中の感情(こころ)との付き合い方

ここからは、不妊治療中の感情(こころ)との向き合い方について解説していきます。

これまでにも触れてきたとおり、不妊治療に取り組む多くの方が、心の不調や感情の揺れを抱えることがあります。

そうした感情を無理に抑え込まず、上手に付き合っていくためには、いくつかのポイントを知っておくことが大切です。

ここでは、感情のコントロールに役立つ「3つの反応」に着目してご紹介します。

• 心理反応
• 生理反応
• 行動反応

こころの不調を抱えているのは自分だけではない、自分だけが特別な反応をしているわけではない、場合に応じた対処法があると知るだけでも感情(こころ)がグッと楽になるものです。

それぞれの反応について順番に解説していきますので、ご自身に合ったケアのヒントとしてぜひ参考にしてみてください。

心理反応

まず不妊治療中の感情(こころ)との付き合い方として、心理反応を知ることが大切です。

・なぜ自分は怒っているのか
・なぜ自分は悲しんでいるのか
・何が気分を落ち込ませているのか

このように「ネガティブな感情の意味を考える」ことで、自分の心の深い部分にある思いを知るきっかけとなり、解決策を導くきっかけとなります。

同様に「ネガティブな感情を保留にする」ことも大切で、すぐに解決することが難しい場合は「心配はあとですれば良い」と考える思考スタンスを試してみましょう。

ネガティブな感情や思考を「抑制」しようとしても上手くいかない人は多いですが、ネガティブな感情や思考を無理に抑え込んだり無かったことにする必要はありません。

一旦その場を離れたり他のことをするなど、今の気持ちを無理に変えようとするのではなく、その気持ちと距離を置いてみることが効果的な場合もあります。

別な行動をするだけでも脳(思考)が一時的にネガティブな考え・感情と距離を置くことが可能な場合もありますので、不妊治療中の感情のコントロールとして大切なのです。

生理反応

次に生理反応についても解説をしていきましょう。

・イメージ法
・呼吸法
・AT(自律訓練法)

上記のような自律神経をコントロールする方法(リラクゼーション法)として知っておくと、不妊治療中の不安やつらさを少しでも小さくしていくことが可能です。

リラクゼーション法を実践している間は、様々な思い(思考)を巡らせることが難しいので、スマートにネガティブな思考から離れることが可能な場合もあります。

他にも日常生活を快適に過ごしたり、ストレス対処や気晴らしの手段としてもオススメですので、ぜひ自分が取り入れやすいリラクゼーション法を試してみることをおすすめします。

行動反応

最後に感情のコントロールとして「大切な3つの行動反応」について解説をしていきます。

表情を変える
声を出して笑わなくても、笑顔になる・笑顔を見るだけで自律神経に変化が生じて、副交感神経優位(リラックスな状態)となります。 昔から笑顔はストレスから身を守り、免疫力を活性化する働きがあると言われていますが、それには確かな理由が存在するのです。

姿勢を変える
姿勢(さらに呼吸や動作)は感情と一致するため、姿勢を整えることで感情を整えることが可能! 先の表情と合わせて姿勢も変えることで、自分の感情だけではなく周りの人達からの印象も良くなり、良好な人間関係を構築するきっかけにもなるのです。

気分転換(気晴らし)
気分転換(気晴らし)も不妊治療中の感情のコントロールで大切なポイントです。
自分にとって心地よいと感じること、今までの自分の経験を参考にささやかなリラックスタイムを過ごす習慣をつけるなど、適度な気分転換はとても大切!

不妊治療に全力を注ぐあまりプライベートな時間が疎かになってしまうと、それはストレスの原因となり自律神経やホルモンバランスの乱れにもつながってしまう場合もあります。

不妊治療中だからとそれ以外のことを制限するのではなく、自分の気が向いて可能な場合には、少しでもやってみたいと思っていることにチャレンジしたり、自分を大切にするリラックスの時間を確保するのも良いでしょう。

そういった気分転換(気晴らし)も感情のコントロールとして大切なポイントだと認識しておきましょう。

不妊治療は感情(こころ)も大切に

今回は不妊治療における感情(こころ)の動きやケアについて、色々な視点で解説をしてきました。

不妊治療は「努力と妊娠」についての経過が見えるわけではないので、多くの方がつらいと感じてしまう瞬間は出てくるものです。

ただ不妊治療は気持ちがしんどくなるのは多くの人が経験している当たり前のことと知っておくだけでも、少しは気持ちが楽になります。

今回お話してきたような感情(こころ)のケアを適切に取り入れることで、つらい気持ちと付き合いながら妊活や不妊治療に取り組むことができるようになるでしょう。

 

絹谷産婦人科の治療以外のサポートでもある「こころセラピーサロン」、また「絹ちゃん会(患者会)」や「リラクゼーションサロン」なども上手に活用することで、不妊治療中のつらさと付き合いながら治療できる可能性はより広がるでしょう。

つらいときは決して一人で抱え込むようなことはせずに、適切な治療と適切なサポートを活用しつつ、大切なお子さんを授かるための不妊治療を継続していきましょう。

紹介した内容は、絹谷産婦人科で実施された「妊活セミナー〜不妊をうけている方のこころ〜」をもとに作成しています。
なお、このセミナーの動画はホームページからご視聴いただけます。(https://www.kinutani.org/seminar/

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