技術を磨き続ける顕微授精のパイオニア|浅田レディースクリニックPart1
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2024.04.24
クリニック
技術を磨き続ける顕微授精のパイオニア|浅田レディースクリニックPart1
名古屋の勝川から開院し、現在、名古屋駅前、品川と3拠点を構える浅田レディースクリニック。今回は、東尾理子がまさに顕微授精のパイオニアと言っても過言ではない、浅田レディースクリニック理事長の浅田義正先生にお話をお伺いしました。
調整刺激、培養、顕微授精、こだわり抜いた技術を提供
東尾:浅田レディースクリニックはどちらに拠点があるのでしょうか
浅田先生:一番初めは、名古屋の春日井市というところにある、勝川というところで始まりました。 2024年で開業20周年になります。それから、名古屋駅前、そして3つ目の拠点として品川になります。
東尾:浅田先生は普段、どちらにいらっしゃるのでしょうか
浅田先生:行ったり来たりしています。1週間に各拠点を回るようにしています。
東尾:それぞれの病院での治療方針は同じでしょうか
浅田先生:はい同じです。私が一番初めにこの分野でスタートしたきっかけが、実は顕微授精の研究でした。だからこそ、私が一番こだわっているのは、顕微授精ですね。
顕微授精を行うためには、成熟した成熟卵、卵が採れなければいけないので、ちゃんとした卵巣刺激を施して採卵を行い、培養がきちんとなされる、という体外受精の技術に一番こだわっています。
東尾:顕微授精自体は始まって何年くらいですか
浅田先生:世界で顕微授精が最初に成功し、赤ちゃんが生まれたのが1992年です。私がアメリカで研究したのが93年94年なので、ちょうど顕微授精の研究が始まった頃ですね。
東尾:浅田先生と言えば研究というイメージがありますよね
浅田先生:ありがとうございます(笑)。私が研究が好きというか、そこからスタートしたので、他の先生とそこが違うのでしょうね。
東尾:タイミング法や人工授精などの他の治療もやっていらっしゃるのでしょうか
浅田先生:はい。ちゃんとステップアップを行っています。
東尾:浅田レディースクリニックのだいたいの通院回数を教えて下さい
浅田先生:患者様の負担にならないよう、通院回数を少なくしようというのが僕の考え方です。タイミング法や人工授精であれば、早くその時期を決めて、通院回数を少なくするため、一周期の通院回数は3回4回くらいで私は十分だと私は思います。
体外受精になると、採卵し卵を採るためにに3日か4日に1回くらいの受診で、一番多くて、採卵日、その後のフォローも含めて6回から7回の通院になりますね。
胚移植の通院は3回。自分の都合に合わせて移植可能
浅田先生:胚移植の周期は、当院の場合は3回しか通院しません。内膜をチェックして、移植して判定だけになります。それで十分です。それでしっかり成績が出ます。
私が最初に名古屋大学で体外受精を始めた頃は、本当に毎日に近いくらい、ホルモン検査をしたり、移植時においても様々な事を行っていましたが、無駄なことや、分かりきったことはどんどん省いていき、簡素化ということで、通院回数は移植の際は3回です。
また、移植はいつ行ってもOKなので、患者様の仕事の都合に合わせて、この日に移植する、と合わせて行えば良いだけです。受精卵を一旦凍結しておけば、仕事の負担には全くなりません。
東尾:だいたい排卵後、何日後に移植ということではないのですか
浅田先生:移植の際にはホルモン補充を行います。その方が、ホルモンの状況が自然排卵よりも、より良い状態で移植できるため、より良い成績が出るのです。だから全て計画的に進みます。黄体ホルモンが出るところから、移植の日数は決まるのですが、黄体ホルモンの使い始めのところは、割と自由に長くしても短くしても良いのです。患者様の都合で移植日を決められるということです。
クリニックによって胚盤胞のグレードの付け方が違う
東尾:胚盤胞のグレードは病院によって異なる気がしますがどのように決まっているのですか
浅田先生:私が留学していた時には、ビーク(Veeck)分類というのが有名でした。当時は培養の技術が今より未熟だったので、2日目の4細胞の時の細胞がきれいに揃っているか、悪いと、そこにフラグメンテーションというツブツブが出来てしまいます。
その割合が多いとか、少ないなどで分ける分類方法がビーク分類でした。 当院もビーク分類を基本にしているのですが、その後移植するのが、3日目などになってきたので、そこに細胞の数を入れて、8細胞だとビーク分類でAとかBとか、そういう風に分類していました。その分類は、やはりクリニックによって独自なところがあると思います。
PGT-Aで染色体異常と胚盤胞の見た目はリンクしない
浅田先生:名古屋大学でもちょっと違うやり方していたのですが、胚盤胞の場合のグレードは、ほとんどデビッド・ガードナーのガードナー分類というもので世界的にも判断しているように思いますね。
ただ2日目3日目ぐらいだとやっぱり3日目に8細胞じゃなくて、6細胞4細胞だったらやっぱり成績が悪いですよね。胚盤胞になって、ある程度、胚盤胞の理想的な形になるのは、1から6段階で3以上です。3以上にならないと当院も凍結しません。 PGT-Aで調べると、中身の染色体異常と胚盤胞の見た目って、全然リンクしないので、胚盤胞のグレードというのは、僕は患者さんに説明しているのは、「背番号を付けているみたいなものですよ」と。
野球でいうと「打順決めても誰がヒット打つかわからないので、そこにこだわってもしょうがないですよ」とお伝えします。 ただ患者さんは、例えば4AAで妊娠しなかった。次が4BAだったというと、前の良いグレードでも妊娠しなかったのに、2回目はもっとダメでしょ?みたいな感覚ですよね。でも関係ないです。
それよりもPGT-Aをやれば、良いグレード順に並べたって、良いところに正倍数性がくることもあれば、4番目、5番目に正倍数性がくることもあるので、そうなったら(グレードの順番を)変えて移植しますよね。ただ、ある程度の胚盤胞でなければダメなので、最低「3」以上しか移植しないですね。
東尾:その「3」というのは、大きさなのですか。それとも育った日数なのですか?
浅田先生:大きさです。大きさが普通の卵の大きさなのですけど、そこの中に水がちゃんと溜まったところで、赤ちゃんになる部分と周りは胎盤になる部分で、それがちゃんと胚盤胞の形になったものです。そこから、拡大胚盤胞になるとグレードは「4」になります。
そこから、ちょこっとはみ出すと「5」で、完全に飛び出していると「6」になります。 胚盤胞は膨らんだり縮んだりを繰り返すので、縮んでいる時の写真を見ると、元気がないなという風に見えますよね。写真だと当てにならないですね。
(胚盤胞の)良い人相は撮れるので、それこそ8細胞、4細胞でも、それこそ8細胞4細胞でも、そのフラグメンテーションの多いところを撮れば、なんとなく顔つきが悪くなるし、きれいな風に撮ればよく見えます。
患者のために待ち時間・待ち方も多様に改革
東尾:浅田レディースクリニックのお休みは?
浅田先生:名古屋駅前院、勝川院は、日曜日は採卵、移植は行っていません。(品川院は日祝日も外来診療、採卵、移植を行ってます)ただ連休になるような休日は1日置きで全部やっています。
採卵は、1日はずらせるけど、2日はずらしたくないので、ということで、5月の連休も1日置きで行います。そうすると患者側も我々も支障が何も無いですね。
東尾:患者として通院回数が少ないのはとてもありがたいのですが、待ち時間はいかがでしょうか?
浅田先生:待ち時間は、当院は患者様が当院に入ってから、その患者様が予約受付を行い、出て行くまで、全て記録してあります。どこの部署で、何分かかった、というのが全部記録に残っています。
10年間かけて、全て電子化してきました。全ての部署で誰が担当し、全て記録に残るようにして、最終的に電子カルテに全て繋ぎました。 それ以前に比べたら、待ち時間は、今現在、半分くらいになったと思います。支払いも自動支払いで簡単になりました。
また、アプリで管理を行っていますが、看護師の説明なども、待っている間に事前に動画を見てもらって、実際の説明を短くする等、工夫をし、待ち時間を短くなるようにしています。 とはいえ、待ち時間がゼロにはならないので、待っている間に、居眠りをしながら待つのか、勉強しながらなのか、パソコンで調べながらなのか、仕事をやりながらなのか、そういった、色々な待ち方ができるような待合室に工夫はしています。
東尾:待合室だけでも、何カ所もあって、リラックスできる待合室や、パソコンを使える待合室と、様々ありますよね。
浅田先生:待合室の種類は、4種類、5種類ありますね。待ち方改革と、待ち時間改革このペアで色々考えてきました。
東尾:タイミング法や人工授精の患者様もいらっしゃいますか
浅田先生:はい。もちろんお見えになります。ステップアップを行っていますので。ただ、平均40歳を超すと、人工授精で陽性反応だった方が、昨年は120~130人くらいしかいませんでした。
当院は、全胚凍結になるのですが、採卵周期と凍結周期を分けた方が成績が良いのでそうしています。凍結しておけば移植を好きな時に何回か移植する、という方法で、陽性反応になる方が、3000人弱います。
当院にいらっしゃる患者さんの多くは、タイミング法を既にやっている方になるので、本当にタイミングがズレていて妊娠できていない人というのは、あまりいないため、そう長いことは行いません。35歳以下だったら5回ぐらい人工授精をやりますが、タイミング法は1、2回、多くて3回ですね。
次回は、東尾理子が浅田レディースクリニック理事長の浅田義正先生に、どのような体制で診察にあたっているのかお話をお伺いします。
>>電子カルテではなく患者の目を見て向き合う診察を|浅田レディースクリニックPart2 はこちら
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お話をお伺いした先生
浅田義正先生の一言: 「座右の銘は『悪魔のように細心に、天使のように大胆に』です。これは黒澤明監督の言葉です。高校生の時に、うまくいかなくて挫折していて、勉強もしなきゃいけないし、と色々悩んでいました。何か自分を奮い立たせる言葉はないか、と思っていた際に出会った言葉です。人間に陰と陽があるように、両方必要だよねと思った時、何か物事をちゃんとやろうと思ったら、本当に悪魔のように細心にやらなければいけないのだけれども、それとはまた裏腹に、何かやるときには大胆な面がなければならない、と思ったところから、座右の銘になりました。」
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