電子カルテではなく患者の目を見て向き合う診察を|浅田レディースクリニックPart2
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妊活お役立ち情報
2024.05.11
クリニック
電子カルテではなく患者の目を見て向き合う診察を|浅田レディースクリニックPart2
名古屋の勝川から開院し、現在、名古屋駅前、品川と3拠点を構える浅田レディースクリニック。今回は、東尾理子が浅田レディースクリニック理事長の浅田義正先生に、どのような体制で診察にあたっているのかお話をお伺いしました。
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全ての情報が必要な医師と共有できる環境で安心
東尾:医師や看護師、カウンセラーなどスタッフの人数は何名ほどいらっしゃいますか
浅田先生:全体で250人以上います。ドクターだけでも実際に働いている人が20人くらいです。女医が多いです。 胚培養士は、38名ですね。そこに5人ぐらい情報処理の専門の人もチームになっていますので、40人以上で培養研究部が構成されています。臨床心理士の心理カウンセラーがおります。
また、私が研究を好きなので、当院専門の研究員が一人おります。現在、近畿大学、山梨大学と共同研究を行っています。
東尾:沢山の先生方がいらっしゃると情報共有が難しいと思います。電子カルテを導入されているというお話もありましたが、患者側としては、違う先生になったときに、前に話したことを先生が覚えていてくれているのかな、というのが凄く不安になることがあります。
浅田先生:その辺の情報共有は本当に大事なことで、それができていないと患者様との信頼関係が崩れるので、そういったことがないように、電子カルテでも一番大事な情報がすぐ見られるようになっています。 診察は、ドクター、クラークが2名であたります。問題点や、患者さんが不安になっている点があれば、メモで内容が分かるようにしています。 電子カルテとは別にIVF記録というのがあって、そこでタイミング法はもちろん、体外受精などの記録が全部見られるようになっていて、2つのモニターで画面を見て診療するため、過去の内容もすぐに見られますし、非常に診察しやすい状況をつくっています。
特別な問題があったり、治療の経過が特に悪かったりすると、私のところに連絡が来ますし、我々の医師部会という会議など、色々なところで共有できるようになっています。
入職したての医師も浅田式の研修プログラムで教育を
浅田先生:また、ドクターの教育は、入職してすぐの医師でも、ベテランの医師のようにすぐには診療することができません。そこで当院は、独自のマネジメントシステムを導入しており、全ての業務において、医師の手順書は全て作ってあるのです。
その上で、教育カリキュラムがあって、入職何ヶ月だとここまでやっても良いよ等全部記録に残しますし、力量チェックということで、業務に当たる力量があるかということを、私自身がチェックしています。そして、少しずつ慣れていってもらいます。
大学で体外受精やっていましたよ、と言われても、当院とはやり方が違うため、入職してから何ヶ月かとか1年でやっと普通のことがちゃんとできるという感じの教育システムを運用しています。
患者と向き合う診療をしたいからクラークを導入
東尾:浅田先生は普通のことの様におっしゃったのですが、クラークが付くというのは、浅田レディースクリニックの診療体制って特別ですよね。通常は先生と患者さん1人じゃないですか
浅田先生:例えば大学病院などはクラークがつかないし、ドクターも電子カルテを見て、患者さんの方を見ずに話をする。電子カルテを打ち込むのに必死な感じですが、そうすると患者さんとコミュニケーションが取れないですよね。
だから、医師が患者さんと話をし、それをクラークが言葉を拾って打ち込んでいく。それを最終的に直してドクターが認証して初めて電子カルテに入力される、ということになります。
東尾:患者は先生とお話がゆっくりできるということですよね。凄く画期的ですよね
浅田先生:画期的なのですか?(笑)。私が大学病院にいる時に電子カルテが始まったのですが、コンピューターを置く場所がなくて、席の後ろにコンピューターがあったので、殆ど背中を患者さんに向けて「薬、この前と一緒で良いよね?」なんて言いながら診療をしていた経験があります。
それで、電子カルテは下手をすると、患者さんとのやり取りが全然できなくなるのではないかなと感じました。 もともと自身で情報を打つよりも、クラークという専門の人に打ち込んで貰った方が早いですし、電子カルテは様々な操作もあるので、そういうことを覚えるよりも、患者様とコミュニケーションを取った方が良いだろう、というのが私の考えです。
転院する時に遠慮は無用。転院して妊娠できることも
東尾:それでは総合診療についてお伺いしたいと思います
浅田先生:総合診療というと、難病でどの科に行ったら良いか分からないような人を診る場合ですね。
当院は、不妊治療専門なので、何か合併症があったり、当院のスクリーニングで、例えば甲状腺のホルモンの異常等が見つかれば、専門の病院をやっぱり紹介するという風で対応しています。 セカンドオピニオンは聞きに来られる患者さんはもちろんいらっしゃいますが、当院は比較的説明会をやっているので、受診する前にお越しいただく方は、そんなに多くないですね。
当院の治療方針はいろんなこと先に話をしているので、セカンドオピニオンも良いと思いますし、患者さんが割と病院を変わるとか、他のドクターに相談するのが、やっぱり、自分がかかっているドクターに対する裏切りというか、悪いと感じておられる方がいらっしゃいますね。
でも、私はどんどん変わるのが良いと思います。 逆に言えば当院が合わないと思っている患者様は、私も文句も言われるし、合うところに行ってもらった方が、そこで時間を取るよりも、もっと他の患者さんを見られる時間ができますし、変わるのは良いじゃないですか、と思いますよね。 やっぱり人間合う合わない、ありますよね。
治療方針もそうだし、なんとなく好き嫌いもあるだろうし、もっと気軽に変わるべきだと思いますね。変わりやすいし変わったかって恨むことないですよ。
当院で妊娠できなかった人がそれでポッと他院で妊娠できたら、僕はそれでそれはいいんじゃないかなと思いますね。
使える検査結果は活用し、無駄の無い治療を
東尾:実際に転院する際に、検査結果の資料等色んな物がありますが、持ち出し、持ち込みについてはいかがですか
浅田先生:例えば当院の場合、検査結果は常にどんな検査も、プリントアウトした結果をお渡しています。
また、アプリで見られる検査結果もあります。紹介状を出すときにはもちろん、印刷できる結果を印刷して一緒に付けています。他院から来た人の検査データも使える検査はそのまま生かしています。
自費の検査など、やり直す必要がなければ、それらは活かします。
東尾:どういう検査が使える検査結果になりますか?
浅田先生:例えば血液型RH(-)とか。B型肝炎、C型肝炎等など、は1年経ったらやり直します。それから風疹は最近割と短い期間でやり直しますね。一通り使えるものは使っています。ただ口頭ですと、異常ありませんでした、と言われてもちょっとそれは使えません。
東尾:2人目不妊についてお伺いしたいのです
浅田先生:浅田レディースクリニック品川は、親子待合*がありますね。名古屋駅前と勝川は同じフロアの中にあります。
品川は同じフロアでも廊下を隔てて全く反対側になるので、受付通らずにお待ちいただけます。 お子さん見るのが嫌だというようなご意見もあるのですが、それはちょっとしょうがないかなと思うのと、自分の未来の姿として暖かく見守ってください、ぐらいの僕はお返事を書くのですけど。
だから、そんなに目立つ場所でなく、お子さんの部屋という感じにしたいとは思っています。 卵を凍結しておけば、一人産んだ後にその年齢の老化していない卵で2人目、3人目が可能なので、是非そういう考えで2人目、3人目を可能にしてほしいと私は思っています。
*2024年現在は保育士が不在のため、親子待合室のみとなり、利用時は予約なしで、親子で診察を待つことが可能です。
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お話をお伺いした先生
浅田義正先生の一言: 「座右の銘は『悪魔のように細心に、天使のように大胆に』です。これは黒澤明監督の言葉です。高校生の時に、うまくいかなくて挫折していて、勉強もしなきゃいけないし、と色々悩んでいました。何か自分を奮い立たせる言葉はないか、と思っていた際に出会った言葉です。人間に陰と陽があるように、両方必要だよねと思った時、何か物事をちゃんとやろうと思ったら、本当に悪魔のように細心にやらなければいけないのだけれども、それとはまた裏腹に、何かやるときには大胆な面がなければならない、と思ったところから、座右の銘になりました。」
次回は、東尾理子が浅田レディースクリニック理事長の浅田義正先生に、印象に残った患者様とのエピソードについてお話をお伺いします。Part3はこちら
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