後悔をしないで欲しい。子育てに時間を掛けて欲しい|浅田レディースクリニックPart3

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2024.05.17

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後悔をしないで欲しい。子育てに時間を掛けて欲しい|浅田レディースクリニックPart3

名古屋の勝川から開院し、現在、名古屋駅前、品川と3拠点を構える浅田レディースクリニック。 3回連載でお届けしている第3回目の今回は、東尾理子が浅田レディースクリニック理事長の浅田義正先生に、印象に残った患者様とのエピソードについてお伺いしています。

 

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AMHの啓発は「どうしてそんな酷い事を言うのですか?」の一言から

東尾:印象深かった患者様はいらっしゃいますか

 

 

浅田先生:それこそ僕は一人で開業した時に、47歳ぐらいの患者さんが来て、私やっと結婚したし、事業も上手くいって、生活に余裕が出来て今から不妊治療を始めますと言って来たんです。 「でも、47歳だと卵はね、もうダメなんだよ、妊娠できないんですよ。」と言ったら「どうしてそんな酷いこと言うのですか。私は今までいっぱい努力してきました。どうして私と一緒に頑張っていきましょう。と言ってくれないのですか。」と言われ、私もちょっとショック受けました。 それで、たまたまその時に来た出版社のダイレクトメールで作ったのが、最初の本で、編集者の方に会った時「不妊治療のこういう本で、こんな目次でいいですか。不妊症とは~」と言われたのですが、私が「違うよ第一章、卵の話だよ」と言ったら、編集者の方が「哺乳類でも卵ですか?」と言ったのですね。そうか、それが一般的にはその認識なのか!と思いました。 だから、それ以来私は卵の話をずっと話すようになったし、本もいっぱい作ってきたし、それが、AMHのセミナーをやったりするきっかけでしたね。

頑張れば出来ますよ、と言ってあげたいけれど、そうではないじゃないですか。だから、その患者様は印象に残っていますね。

 

もうやめましょうね、なんて酷い事を言ってしまったんだ

浅田先生:あとは「奇跡の妊娠」というのを経験しました。

それは30代前半ぐらいで早発閉経の方でした。他院で何年か治療してから当院に来られたのですが、33、34歳くらいまではなんとかホルモンを調整し、たまに卵が少し採れたのですけど、その後、全く卵が採れなくて、もうダメだから毎回、毎回、私が会うと「やめようね」って言っていたんです。 でも、患者様ご本人が我慢強くて、治療を続けていらしたんですよね。その後37歳で、1個だけ受精卵ができたのですよ。 その後また1年以上受精卵が全然できなくて、それで、その凍結していた1つの受精卵を「もう1年ぐらい受精卵ができてないから、移植しよう」と言って、その後この患者様は39歳で本当に赤ちゃんを産んでいるのですよ。

だから、「僕は酷いこと言ってきたな」と思って。

「もうお金の無駄になるし、やめよう」、というつもりで言ってきたのだけど、本当に酷いこと言ってきたなと。もし、そこでやめていたら、その赤ちゃんたちは生まれてないですからね。だから、奇跡の妊娠ですし、反省ですよね・・・。 早発閉経の人で、卵はほとんど無いにしても、30代の受精卵ができたとしたら、40歳過ぎの人に比べたら妊娠する可能性が高いわけなので、だから45歳位で卵がなかなかできない人と同じように「もうしばらく育ってないからやめようね」って、30代の人に気軽に言ってはダメですね。

 

東尾:最近は患者さんにはどういう風に接していらっしゃるのですか

 

浅田先生:以来30代の早発閉経の方は割と粘ってもらっています。卵は半年前から育つと言われているので、半年以上ちゃんとホルモンコントロールしても育ってこなかったら、もう卵は無いよ、と言っていたのですが、もうちょっと1年くらいは様子を見るようにしています。 早発閉経の方は、長いことじっくり見てあげなきゃいけないなというか、私がやめましょうと言ったら本当にその後、生まれてくる子がいなくなっちゃうかもしれないので、今は怖くて言えないですよね逆に。

 

不妊治療より子育てに時間を使い、人生を進んで欲しい

東尾:最後にメッセージをお願いいたします

 

浅田先生:やっぱり卵子のお話!

卵子と精子は全然違うので、やっぱり卵子が老化する、それから卵の数が少なくなってくる、卵巣予備能など、そのへんのところで、女性にとって生殖というのは後回しにできない話ですよね。

仕事やいろんな自分の目的に合わせて、どういう風にそれを実現していくか考えてほしいですね。

不妊治療というのは結婚したら、子供は普通にできるでしょうと、言っていたのが「おや?何でできないのだろう」と。そこで計画が狂うみたいなものですよね。だからそれをもう1回デザインし直す。私はリデザイン言っているのですけど、だからやっぱりそれで人生を設計し直すためには、やっぱりある程度科学的で医学的で、やっぱり結果にこだわらなきゃいけないと思うのですね。期間も短い方が良いですよね。そして、子育てに時間をかけてほしいと思っています。 それがなんとなく、「私、そんな不妊症じゃないし」みたいな感じで、そこまでは・・・と言って手遅れになる人がいます。少し科学的な思考になってほしいし、世の中はなんとなく情動的な、「そのうちにできるよ」とか、「そこまでやらなくても・・・」という風に、不妊治療もどきみたいなことをして時間を潰してしまうことがあるので、ちゃんと結果が出るようにしてほしいし、私は当院の説明会の最後では、いつもこう言うのです。 人生の大切な時間は子育てに使ってほしい。子育てを経験して、自分では記憶にない人生の一部を穴埋めすることができて、人生が完結する、というふうに思っています、ということを最後にお話ししています。

だからやっぱりちゃんと妊娠という結果を出して、子育てを経験してほしいなと思っています。

東尾:やっぱり先生のお話を伺うと科学的にいろんなことに研究を積み重ねて来られてそれを患者さんのために行っているのだなということが分かります。医療法人浅田レディースクリニック理事長の浅田義正先生にお話をお伺いしました。ありがとうございました。

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お話をお伺いした先生

浅田義正先生の一言: 「座右の銘は『悪魔のように細心に、天使のように大胆に』です。これは黒澤明監督の言葉です。高校生の時に、うまくいかなくて挫折していて、勉強もしなきゃいけないし、と色々悩んでいました。何か自分を奮い立たせる言葉はないか、と思っていた際に出会った言葉です。人間に陰と陽があるように、両方必要だよねと思った時、何か物事をちゃんとやろうと思ったら、本当に悪魔のように細心にやらなければいけないのだけれども、それとはまた裏腹に、何かやるときには大胆な面がなければならない、と思ったところから、座右の銘になりました。」

 

編集後記

浅田先生との出会いは、2012年に名古屋の説明会で初めてお会いしました。当時の私は、ピルで体調を壊した経験から、ホルモン剤の副作用が怖く体に負担の少ない治療をして2年がたった頃だと思います。不妊治療の回数を重ねるごとに心の負担が大きくなり、何が正解かわからなくなっている時期でした。そんな時に、「妊娠しない治療をしてても仕方ないでしょ!妊娠できる治療をしなさい」というお言葉にハッと気づきをいただけたことを今でも鮮明に覚えています。 その後、私の治療方針はガラリと変わり、最短で妊娠を目指し、子育てに時間を費やす!ことを目標に治療をした結果、その後の治療で2人の子を授かりました。浅田先生は妊娠への道標を示していただいた、命の恩人といっても過言ではありません。浅田先生の科学的根拠に基づいた治療方針や、患者の負担を減らすための努力など、心から尊敬している医師です。(取材担当:森)

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