どうすればいい?妊活中のショックな出来事との向き合い方
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妊活お役立ち情報
2024.10.23
心理師
どうすればいい?妊活中のショックな出来事との向き合い方
妊活中にあるショックな出来事。不妊治療がうまくいかなかったり、パートナーと理解し合えなかったり、予期せぬ状況に陥ることもあるでしょう。
上手に乗り越える方法はあるのでしょうか?妊活中のショックな出来事との向き合い方について公認心理師の今井さいこさんが解説します。
妊活中に起こるショックな出来事
妊活をしていると、想定していなかったことが起こって、ショックを受けてしまうことがあります。
例えば、妊娠検査の結果が陰性だったり、医師から厳しい診断を受けたり、流産や死産を経験してショックを受けている方もいらっしゃるかもしれません。
また周囲の妊娠や出産報告、社会的なプレッシャーや偏見、夫婦間の摩擦や意見の不一致、経済的な負担やタイムリミットへの焦りなど、実にさまざまな出来事が起こり、ショックを受けます。
ショックで、心身に反応が起こることがあります。じんましんが出たり、眠れなくなったりする身体的な反応、急に涙が出たりするなど生理的な反応がある方もいるでしょう。
また否認や怒り、不安や恐怖、孤立感や無力感、悲しみや喪失感をはじめ、自分を否定したり、感情が麻痺してしまったりするなど精神的な反応が出ることもあります。
ショックを受けて抱く感情は「あって当然」と受容を
ショックを受けたことで心身にさまざまな反応が起こると、さらに自分を責めたり、否定したりすることがあるかもしれませんが、それは「自然なこと」と認識してほしいと思います。
感情を抑え込んだり、ふたをしたり、なかったことにしたりしないでください。「あって当然の感情として受容すること」として捉え、それを前提にケアを考え、ショックな出来事や状況と向き合っていくことが大事です。
もちろん、ショックで受け入れられない感情も出て来ます。その時は「あって当然」と捉えることに矛盾を感じるかもしれませんが、感情的に理解はできなくても、頭の片隅に置いておいてください。
セルフケアで良いのか専門家のサポートが必要なのかの基準
ショックを受けた際の心のケアには、ご自身でできるセルフケア、または専門家のサポートを受けながらのケアがあります。
両方ができたら良いと思いますが、どちらかを選択したい場合の基準について説明していきたいと思います。
セルフケアの選択基準とは
セルフケアを実践するのであれば、ショックを受けたご自身が次のような状態でいることが一定の基準となります。
- 感情がコントロールできている
- 日常生活に支障がない
- 気持ちの回復が感じられる
- パートナーや友人と感情を共有できる
専門家のサポートの選択基準とは
一方で、仕事中にも涙が出てしまう、眠れないなど気持ちのコントロールや日常生活が難しい状態にあれば、カウンセラーや心療内科医など専門家の力を借りてください。
次のような場合は、すぐに専門家とつながってサポートを受けましょう。
- 感情がコントロールできていない
- 日常生活に支障が出ている
- 気持ちが回復しない、または悪化している
- 孤立感が強い
- 自傷や希死念慮がある
妊活中にショックを受けた際のセルフケア5つ
セルフケアでは、とにかく感情にふたをしない、抑え込まないことが重要です。手軽にできる5つのケア方法を紹介します。
- 「書く」こと
- 深呼吸すること
- 自分に優しい言葉をかけること
- いつもの生活リズムで過ごすこと
- 疲れたら休むこと
1つめは「書く」ことをおすすめします。
例えば、今の感情について「悲しい」と文字にしてみたけれど、実際に「少し違うかもしれない」と感じたら、どんな言葉が当てはまるのかを考えていきましょう。
感情を言語化して外に出す「書く」作業によって、自分の感情を客観的に捉えることができます。
2つめは深呼吸です。
息を深く吸って吐いてを繰り返していると、その瞬間、悲しみや焦りなどショックな反応から離れて、今に集中できます。
過去にとらわれたり、未来を不安視したりせず、今を生きることができるのです。リラックス効果があるのも良い点と言えます。
3つめは、自分に優しい言葉をかけることです。
「セルフコンパッション」という「自分への思いやり」を実践する方法の1つです。
「こんなに頑張って結果が出ないなら、悲しくて当然だよね」など、自分自身をいたわることでケアをしていきます。
4つめは、いつもの生活リズムで過ごすことです。
ショックな出来事の中でも日常生活を過ごせている、ということは大きなセルフケアにつながります。
5つめは、疲れたら休むことです。
何かを頑張ることではなく、疲れたらいったん手放して休むことも大事です。
ぜひ自分にあったセルフケアを取り入れましょう。
ネガティブ感情をポジティブに変換しなくていい
妊活中のショックに対するセルフケアで、留意していただきたい点があります。それは、「マイナスな感情をプラスに変えていくことがセルフケアだ」と考えないことです。
妊活中のネガティブな感情をポジティブに変換する必要はありません。回復させなくていい感情があります。その感情や出来事を受け入れながら、前に歩んでいくことが重要です。そのためのセルフケアと捉えてください。
セルフケアの効果を確認する
セルフケアは、行うだけではなく、その効果を確認するまでがケアです。
セルフケアに取り組んだら、ぜひご自身の状態をチェックしてみてください。1つでも実感できるものがあれば、継続していきましょう。
- 感情の安定感が増している
- ポジティブな思考が増えている
- 身体的な不調が改善される
- 日常生活がスムーズに送れる
- 自己肯定感が高まる
- 他者との関係性の中で孤立感が薄れる
- 未来に向けた希望や計画が持てる
夫婦で取り組むメンタルケア
妊活は、あなた1人ではなく、夫婦やカップルで一緒に歩んでいくものです。焦りや悲しみなどを話して共有し、一緒にリラクゼーションするなど夫婦でメンタルケアを実践していけば、さらに絆が深まっていくでしょう。
最後に夫婦で取り組むメンタルケアのヒントを挙げておきます。
- 感情を共有する時間をつくる
- 相手の話を肯定的に最後まで聴く
- 一緒にリラクゼーションをする
- 妊活以外の目標を共有する
- 夫婦の足並みをそろえる
- お互いの存在を確認し合う
夫婦の話は、妊活だけではありません。それぞれのキャリアや2人のこれからについての話もしながら、互いの存在を確認し合うことも大事です。
必要であれば専門家のサポートも上手に取り入れて、共に歩んでいけるような心構えを作ることに、夫婦で向き合って実践いただければと思います。
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本日お話をおうかがいした方
LIB Laboratory
代表
今井さいこ
1979年6月14日生まれ 公認心理師睡眠指導者 自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。 心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。 ◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表 https://www.liblaboratory.com/ <保有資格> 公認心理師(国家資格) 日本心理学会認定心理士 ベスリクリニック認定睡眠指導者 サンカラ認定
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