妊活中の自分に合ったストレス対処法を見つける方法とは?
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妊活お役立ち情報
妊活中はストレスを感じやすく、メンタル面が不安定になることもあるでしょう。
ストレスをため込まないようために、どのように対処していったら良いでしょうか。
自分に合ったストレス対処法の見つけ方について、公認心理師の今井さいこさんが解説します。
今、自分が感じているストレスについて分かっていますか?
効果的な対処法を見つけるために、現在感じているストレスについて2つの質問があります。
〇質問1:あなたは現在、どのくらいストレスを感じていますか?最大を100%としてパーセンテージで表してみてください
いかがでしょうか?今のご自身とぜひ向き合って考えてみてください。
〇質問2:質問1で答えたパーセンテージの中で、どのくらいの割合が妊活に関わるストレスですか?
いろいろなストレスがある中で、妊活に関わるものがどのくらいかを振り返ってみてください。例えば仕事上のストレスでも妊活に関係していることがあると思います。
妊活に関わるストレスが、どのくらいの割合であるかを考えてみましょう。
ストレスを数値化し、妊活のストレス割合を知ろう
質問1は、ストレスを数値化してみることで、改めて大きいと思うのか、思っていたほどではないと感じるのか、ご自身で振り返ってみましょう。
「ストレスがある」という状態だけに着目すると、数値化するとストレス60%であっても体感として100%ととらえてしまいがちです。
パーセンテージで表すことで、実はストレスを感じていない部分が40%あるということも意識していただけたらと思います。
とはいえ、ストレスの数値が大きい方もいるでしょう。
そのストレスのうち妊活に関わるものがどのくらいかというのが、質問2です。
今、抱えているストレスをよく考えてみたら、妊活に関係するストレスの割合は小さくて、仕事のほうが大きかったというケースもあるかもしれません。
そうなったら、妊活よりは、まずは仕事のストレスのから解消していくほうが心身ともに良いと言えるでしょう。
現在の自分自身のストレスが何によるもので、割合はどうなのかを把握し、どのストレスから手をつけていくかを考えてみてください。
ストレスの対処していますか?今の対処法で解消できている?
続いて、2つの質問です。
〇質問3:ストレスに対して、どのような対処をしていますか?
ストレスを感じたときに、さまざまな対処法をしているかと思います。
早く寝るとか、映画を見るとか、買い物をするとか、無意識にやっていることもあれば、意識的にやっていることもあります。自分がやっているストレス対処法を書き出してみましょう。
〇質問4:その対処法によって、実際ストレスはどのくらい減っていますか?
よくあるのが、ストレス対処法としてお酒を飲むというケースです。
その瞬間はストレスが解消されたかもしれませんが、翌日、飲み過ぎで寝坊したり、仕事に影響が出てしまったりしていませんか? 結果、その後の負荷がものすごく高いのであれば、ストレス対処法としては向きません。お酒であれば、ストレスの解消として飲むのではなく、単に楽しみたいときに飲むほうが良いでしょう。
自分がストレス対処法としてやっていることが、本当に対処法として合っているのかどうかを精査してみてください。
妊活中に抱えやすいストレスの特徴
妊活中は、自尊心が傷ついたり、自己肯定感が下がったりすることが多く、自責、自己嫌悪、無価値観、敵対心によってストレスを抱える特徴があります。
例えば、自分の体のことなので、あの時もっとこうすれば良かったと自分を責めたり、友達の妊娠報告を喜べないでいる自分の心の狭さが嫌になったり、妊娠できない自分には価値がないと感じてしまったりすることもあるかもしれません。あの人より早く妊娠したいなど、他人と比べてしまうことで感じるストレスもあります。
ストレスが生まれる心のプロセスを知り、ネガティブな感情と向き合う
では、どのように自分のストレスや感情と向き合っていけば良いのでしょうか。
まずは、心のプロセスを知ることが大事になります。
人間は、ショックなことがあると、【否認と孤立➞怒り➞取引➞抑うつ➞受容】 という心のプロセスをたどります。
例えば「不妊治療がなかなかうまくいかない」というショックに対して、現実を受け入れたくないという気持ちになります。これが「否認と孤立」です。
そしてなぜ私ばかりそうなのか、といった「怒り」の感情が起きます。
怒りの次に、もっとこうしていけばうまくいくかもしれないなど考えるようになります。
これを「取引」と呼び、自分の何かを犠牲にしたり、我慢したりすればうまくいくかもしれないという気持ちになります。
しかし、ここまでやらないとうまくいかないのかと、今度は「抑うつ」状態に変わります。
そうして、さまざまな感情を行き来しつつ、自分の人生を良くしていくためには、受け入れて頑張っていかなくてはと「受容」していくのです。
現在、自分がどの段階にいるのかを知り、今抱えているネガティブな感情は「人として自然なことだ」と自分を受容することが大事です。
自分を責めたり、嫌になったりすることがあるかもあるかもしれませんが、いずれ受容していけるものだと知っておいてください。
ストレスの基にうまく対処する「コーピング」を知る
最後に、ストレスコーピングについて紹介しましょう。
ストレスコーピングとは、ストレスの基にうまく対処しようとすることです。
問題焦点コーピングと情動焦点コーピングの2つがあります。
問題焦点コーピングで具体的に解決!
問題焦点コーピングとは、ストレッサー(ストレスの原因)そのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすることです。
例えば妊娠しないことに対して、検査を受けてみる、不妊治療をステップアップしてみるなど、何かしらの解決を図ろうとすることを言います。
情動焦点コーピングで考え方・感じ方を変える!
情動焦点コーピングとは、ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすることです。
例えば、今は妊娠しないから、この期間に仕事を頑張るとか自分の体に向き合おうなど、妊娠そのものに働きかけるのではなく、それに関しての考え方、とらえ方を変えてみることを言います。
コーピングリストを作って自分に合ったストレス対処法を準備
この2つのストレスコーピングでリストを作っておくと、自分に合ったストレス対処方法を見つけるヒントになります。
やり方を解説します。
まずストレスを書き出し、次に、その出来事について、何を感じ、自分はどう受け止めているのかについて書き出していきます。
そこから、問題解決コーピングを考えていきます。「自分」「リソース」「時間」の3つに分けて考えることがポイントです。
例えば、妊娠できるために自分ができること、婦人科クリニックや検査、妊活研究会などどんなリソースがあるのか、そして時間がどのくらいあれば問題解決するのかといった見通しを立てていきます。
次に情動焦点コーピングを考えていきます。
自分の捉え方以外の捉え方ができるのかがポイントになります。パートナーと一緒に取り組むと、自分以外の捉え方を得られるのでおすすめです。リフレッシュやリラクゼーションの観点から、妊娠したらできなくなる、妊活中の今だからできることなどを書き出します。
コーピングリストは、常に更新して手元に持っておき、自分に合ったストレス対処法の準備しておきましょう。
大事なのは、やってみたらストレスが軽減しているか、実際にストレスが減ったことで、妊活がうまくいったのかを確認しておくことです。ぜひ実践してみてください。
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本日お話をおうかがいした方
LIB Laboratory
代表
今井さいこ
1979年6月14日生まれ
公認心理師睡眠指導者
自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。
心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。
◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表
https://www.liblaboratory.com/<br />
<保有資格>
公認心理師(国家資格)
日本心理学会認定心理士
ベスリクリニック認定睡眠指導者
サンカラ認定
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