妊娠までにしたい100のリスト:セルフ・コンパッションで心穏やかな妊活を

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2025.06.18

心理師

妊娠までにしたい100のリスト:セルフ・コンパッションで今と向き合う

不妊治療中の皆さん、毎日本当にお疲れ様です。皆さんは、頑張っている自分自身に「頑張ってるね」「お疲れ様」と声をかけていますか?そして、今の皆さんの意識はどこに向かっていますか?

不妊治療に取り組んでいる多くの方は、もちろん「妊娠すること」に意識が向いていることと思います。それは当然のことです。

しかし、今日この時間は少し視点を変えて、「今、この状態の中にある幸せ」に意識を向けることについてお話したいと思います。

セルフ・コンパッションを高めよう

今日のテーマのサブタイトルにもある「セルフ・コンパッション(Self-Compassion)」とは、簡単に言うと「自分への思いやり」のことです。

私たちは、周りの人に思いやりを向けることは得意でも、自分自身に目を向けることは意外と少ないかもしれません。

このセルフ・コンパッションを高めることには、科学的に証明された良い効果があります。

  • 幸福感の向上: 他人に思いやりを向けるように、自分に思いやりを向けることで、幸福感や人生の満足度が高まり、ポジティブな思考ができるようになります。

  • ストレスの軽減: 自分自身に思いやりを向けることで、不安や抑うつ、ストレスが軽減され、精神症状の緩和にも繋がると言われています。

  • レジリエンス(回復力)の向上: ストレスの多い出来事があっても、そこから立ち直り、精神的なダメージから回復する能力が高まります。不妊治療中にはストレスフルな出来事がたくさんありますが、それを跳ね返す力が身につきます。

セルフ・コンパッションの3つの要素

では、具体的にどのように自分に思いやりを向ければ良いのでしょうか?セルフ・コンパッションには3つの要素があります。

  1. 自分への優しさ: ミスをしたり、思うような結果が得られなかった時、自分を責めていませんか?もし、親友が同じ状況にいたら、どんな言葉をかけ、どんな行動を取るでしょうか?それと同じことを自分自身にもしてあげてください。「あなたのせいじゃないよ」と自分に言ってあげるように、親友を励ますように優しく接してみましょう。

  2. 共通の人間性の認識: 失敗や困難な経験は、自分だけにあるものではありません。人間誰しもが経験するものです。不妊治療においても、苦しい経験や悔しい経験は多くの人が抱えています。「自分だけではないんだ」「他の人も同じ思いでいるんだ」と認識することで、孤独感が和らぎます。

  3. マインドフルネス: 自分の苦しみにしっかり気づくことです。自分が苦しんでいることに気づいていないと、適切にそれを緩和させることはできません。「まだ大丈夫」と我慢するのではなく、自分がどれくらい苦しいのか、悲しいのか、悔しいのかといったネガティブな感情にもきちんと気づくことが、セルフ・コンパッションのスタートです。

今に集中する「マインドフルネス」と「ジャーナリング」

マインドフルネスとは、「今ここに集中している状態」を指します。過去でも未来でもなく、今この瞬間に意識を向けることで、心が穏やかになります。思考、感情、呼吸、体の状態など、一つ一つのことに注意深く気づくことが大切です。

このマインドフルネスな状態を作り出す方法の一つに「ジャーナリング」があります。ジャーナリングは「書く瞑想」とも言われ、頭に思い浮かんだことを、決めた時間いっぱい使って書き続けることです。ポイントは「手を止めない」こと。

書くことがなくても「書くことがない」と書き続け、頭に浮かんだことをすべて紙に書き出します。

ジャーナリングを実践することで、今この瞬間に集中し、過去の後悔や未来への不安といったストレスから解放される時間を作ることができます。

 

「妊娠までにしたい100のリスト」作成手順

ジャーナリングを使って、あなただけの「妊娠までにしたい100のリスト」を作成してみましょう。

  1. お気に入りのノートとペンを準備する: ワクワク感を高めるためにも、お気に入りのものを選びましょう。

  2. ジャーナリングのテーマを設定する: 「妊娠までにやりたいこと」とします。

  3. 時間を決める: 20分、5分、あるいはノート3ページ分など、その時の気分に合わせて自由に設定してください。

  4. ジャーナリングを行う: 設定したテーマで、ひたすら書き続けてください。

  5. リスト化する: 書き出したものの中から、実際にやりたいことや、まだやっていないことをリストアップします。一度に100個書けなくても大丈夫です。少しずつ書き足していきましょう。

  6. 調べ物がある場合は調べてからリスト化: 「美味しいものを食べたい」など、具体的な場所や方法を調べてからリストに加えると、より明確になります。

    100個というのはあくまで目安です。目標として、どんどんリストを増やし、達成していくことで、今の幸せに集中できるようになります。

 

不妊治療中は、制限されたり、我慢したり、不便なことや窮屈なことが非常に多いと思います。しかし、今だからこそできることが必ずあります。どんな状況でも、その時に感じられる幸せは必ず存在します。

セルフ・コンパッションを高め、意識的に「今」に焦点を当てる瞬間を作ることで、今の幸せにも気づくことができます。妊娠後の夢を描くことも大切ですが、今ある幸せにも気づき、今できることをする中で、ぜひストレスケアをしていきましょう。

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イベント開催

『妊娠までにしたい100のこと』〜満月の夜、未来の私に出会う妊活コラージュ〜

7月11日(金)18:30~20:00

京浜東北線 大森駅北口 徒歩2分

お申し込み詳細はこちらへ↓

https://ayumikata-tgp.peatix.com

 

 

 

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本日お話をおうかがいした方

LIB Laboratory 代表

今井さいこ

1979年6月14日生まれ 公認心理師睡眠指導者 自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。 心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。 ◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表 https://www.liblaboratory.com/ <保有資格> 公認心理師(国家資格) 日本心理学会認定心理士 ベスリクリニック認定睡眠指導者 サンカラ認定

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