不妊治療体験談│不妊治療と向き合うということ 。46歳で母になった「たま」さんの物語

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2025.11.03

患者の声

不妊治療体験談│不妊治療と向き合うということ 。46歳で母になった「たま」さんの物語

46歳で2児の母となった「たま(仮名)」さん。たまさんの不妊治療の期間は、喜びだけでなく、不安や葛藤も伴う道のりでした。この記事では、1人目と2人目の治療で全く異なる経験をされた「たま」さんの軌跡を辿り、その中で見つけた希望と、同じ道を歩む方への温かいメッセージをお届けします。

37歳から始めた妊活、不妊治療。不安の中でも、最短で妊娠したかった

Q.たまさんが 不妊治療を始めるまで、どのような道のりがありましたか?

結婚が37歳でした。自身の甲状腺疾患(バセドウ病)の再発で一時的に妊活を控える必要がありましたが、数値が安定してから本格的に妊活を始めました。

結婚から1年ほど経った頃、義母から「日本の名医」という本を勧められ、偶然にもパートで働いていた職場と同じ駅にある不妊治療クリニックを見つけました。

夫婦共に子どもを強く望んでいたため、すぐに治療を始めようと決意しました。

Q. 治療を始めるにあたり、どのようなことから始めましたか?

最初は何も分からず、東尾理子さんの著書『不妊じゃなくてTGP』を読んで勉強しました。この本のおかげで、一度タイミング法を試した後に、すぐに顕微授精にステップアップするという選択ができました。

37歳という年齢のこともあり、最短で妊娠できる方法を選びたかったんです。

Q. 1人目の治療はどのように進みましたか?

最初のクリニックで、風疹の抗体が低いことがわかり、3ヶ月の妊活お休み期間がありました。

その間に、たまたま参加した、石田純一さん、東尾理子さんがご登壇されていた不妊治療のシンポジウムで、治療で授かった方、授からなかった方のドキュメンタリー映像を観たのを機に、年明けからの治療に向けて心の準備ができました。

治療では、とても多くの薬を服用し、自分で注射を打つこともあって不安でした。多い時は14種類の薬を飲んでいましたが、これが妊娠するための最善の道だと信じていました。

副作用で眠くなったり頭痛がしたりもしましたが、おかげさまで1回の顕微授精で第1子を授かることができました。

2人目、同じクリニックで上手くいく!と思ったけれど

Q. 2人目の治療は、1人目とは異なる経験だったそうですね。

はい。同じクリニックに通いましたが、3回続けて移植しても陰性・・・うまくいきませんでした。当時は、移植後の私の行動が悪かったからだと自分を責めていました。

しかし、その頃に出会った「妊活研究会」で専門家の方々の話を聞くうちに、妊娠できなかった原因は移植後の生活にあるわけではないと知ることができました。

この転機によって、服用する薬が14種類から2種類にまで減り、体調も楽になりました。その後、妊娠はできましたが、2回の稽留流産を経験しました。

「もう何をしてもダメなのかな…」と何度も心が折れそうになりましたね。

Q. その辛い時期を、どのように乗り越えましたか?

夫婦で「あと1回だけ頑張ろう」と話し合い、治療を続けました。また、鍼灸院に通ったり、食事を見直して自分で料理を作る楽しさを見つけたりしました。

調味料も添加物がなく、めんつゆ、焼肉のタレも自分で作ったりしていました。やり過ぎて疲れてしまったこともありますが、自分の食事を見直せたことは良かったです。

何よりも大きかったのは、「妊活研究会」の仲間たちと話す時間です。周りの出産報告にモヤモヤする気持ちも、同じ経験をした人たちに聞いてもらうことで自然と心が温かくなりました。

一人目の病院では、病院の説明不足により常に何かを検索していたのですが、妊活研究会で、正しい知識を身に着けたり、疑問に感じたことを打ち明けることができ、検索しなくなりました。転院に踏み切ったのも、ここで相談できたことがきっかけです。

おかげで転院した二人目の病院では、疑問に思ったことをすぐにメールで相談できる環境だったので、検索魔にならずに不妊治療を終えることができました。

妊活研究会がなければ、2人目の子どもには出会えなかったと思います。

病院選びは重要。そして病院以外の選択肢もあることを知ってほしい

Q. 不妊治療を通じて、どのような気づきがありましたか?

まず、病院選びの重要性を痛感しました。1人目の治療がうまくいったので、その医師を「神様」のように思っていましたが、2人目の治療では心無い言葉を言われることもありました。

医師も人間なので、判断が異なります。もし治療がうまくいかない時は、セカンドオピニオンを考えたり、同じ病院でも別の医師に診てもらったりすることも大切だと気づきました。

また、不育症の専門病院があることや、鍼灸など、病院以外の選択肢があることを知りました。

そして何よりも、「頑張らない日も作る」こと。不妊治療は本当に大変な道のりなので、自分を責めずに、できることを少しずつ、自分のペースで進めていくことが大切だと思いました。

最後に…

「たま」さんの物語は、不妊治療が単なる医療行為ではなく、自分自身の心と体、そして人生全体と向き合う機会であることを教えてくれます。

もし今、不妊治療で悩んでいる方がいたら、一人で抱え込まず、正しい情報を集め、時には立ち止まる勇気を持って、ご自身のペースで進んでいってほしいと思います。

気軽に話せる無料のオープンチャット

妊活の歩み方では、不妊治療当事者、不妊症看護認定看護師や、胚培養士、不妊カウンセラー、助産師などの専門家が加わった、無料でお話できるコミニュティを運営しています。ぜひお気軽にご参加ください。

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本日お話をおうかがいした方

46歳女性 たまさん(仮名)

37歳で結婚し、不妊治療で2児を授かった女性。妊活研究会で、お茶会などに参加し、二人目不妊の際の治療を見直し、一人目とは異なる別病院にて妊娠・出産を経験。40歳で1人目、45歳で2人目を出産。

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