鍼灸が妊活に効果を発揮する理由#2 体外受精の妊娠率や生産率の現状と鍼灸への期待の高まり

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2024.04.09

東洋医学

鍼灸が妊活に効果を発揮する理由#2 体外受精の妊娠率や生産率の現状と鍼灸への期待の高まり

「卵子の質をあげるためにかかる時間」をテーマに約20年、妊娠をサポートしている鍼灸師の徐大兼さんがお届けするコラム第2回。前回は、卵子の質が原因で不妊治療が進まないケースがある、というお話を「卵子の質が原因で不妊治療が進まないケース」でお届けしました。今回は、引続き鍼灸師の徐大兼さんが、「体外受精の現状と不妊治療における鍼灸への期待」についてお届けします。

体外受精での妊娠率は上昇するも生産率は低下

日本産科婦人科学会の日本の体外受精に関するデータ(2021年)によると、1採卵あたりで子どもが生まれる確率(生産率)は3.9%です。1997年から年別で比較すると年々、生産率は下がっている傾向にあります。一方凍結胚移植の妊娠率は年々上がっています。 つまり、体外受精の技術が進歩して妊娠率は上がっているけれど、妊娠判定をもらってもその後に染色体の異常などで流産してしまうケースが増えているということです。それは年齢的な問題、つまり高齢も原因にあるのだろうと推測します。

不妊治療における鍼灸や代替医療への期待の高まり

西洋医学では、卵子の質などが影響して体外受精で思うような結果が出ないことに対して、現状では体質改善などの方法はありません。医師としてはお薬・注射の使い方の工夫や採卵時期を工夫し、培養士は培養方法を検討し、結果につながるよう最善の努力をします。近年では、培養技術もかなり進歩しており、卵子活性や精子の選別といった方法もありますが、クリニックでは患者さんの体質までは、なかなかケアできないのが現状です。そこで不妊治療の際、体質改善の一環として、自分自身で積極的にできることとして、鍼灸が注目されています。

2000年代に入ってから、鍼灸と不妊に関する研究や論文がどんどん増えてきています。生殖医療の行き詰まり感が出てきているからこそ、不妊に対してその他の代替医療(漢方、サプリメントなど)も活用しようと期待する人も増えている傾向にあると言えるでしょう。

次回は、徐さんの鍼灸院の患者さんが鍼灸を取り入れて妊娠に至るまでのデータについてお伝えします。
>>妊娠の可能性を鍼灸院の患者データから解説

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