鍼灸が妊活に効果を発揮する理由#4 不妊に対して鍼灸治療を継続する期間について
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妊活お役立ち情報
2024.04.11
東洋医学
鍼灸が妊活に効果を発揮する理由#4 不妊に対して鍼灸治療を継続する期間について

「卵子の質をあげるためにかかる時間」をテーマに約20年、妊娠をサポートしている鍼灸師の徐大兼さんがお届けするコラム第4回。前回は鍼灸院の独自データより妊娠に至った人の鍼灸治療の開始時期や回数などを解説しました。今回はどのくらいの期間、継続したら良いのかについてお伝えします。
「一定期間」鍼灸を継続すると胚盤胞や採卵数にプラスなデータが
前回は当院のデータの紹介をしましたが、今回は他データも紹介しましょう。他の鍼灸院で体外受精の結果記録が明確な65人を対象に調査では、鍼灸とレーザーを一定期間併用した場合、胚盤胞の到達率は2倍になったとの報告があります。ただし年齢で差があり、41歳以上になるとあまり有意な差は見られないのですが、36歳~40歳代の患者さんにおいては顕著に胚盤胞の到達率が上がった結果となりました。Effectiveness of Acupuncture in Conjunction with Laser Treatment for Fertility Issues K Nakamura, LASER THERAPY Volume 27 (2018) Issue 3)
また他の研究では、卵巣機能の改善を目的に陰部神経鍼通電の治療を一定期間行ったところ、採卵個数が増加した症例は18例中12例あったとの報告があります。卵巣機能低下に対する鍼灸治療で787人を対象にした海外の13の論文の分析では、FSH(卵胞刺激ホルモン)、AMH(卵巣予備能)、AFC(胞状卵胞数)など、一定期間鍼灸治療を継続した群において卵子の質に関係する数値が向上したといったデータもあります。Clinical efficacy of acupuncture for diminished ovarian reserve: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials (Front Endocrinol 2023 Aug 2:14:1136121)
いずれも単発ではなく、一定期間継続的に鍼灸治療や鍼灸・レーザー治療併用を行ったというところがポイントで、「3周期」(約3か月)を機に卵子の質の向上が見込めるケースが多いことが分かります。
3か月は「卵胞の発育」に関係する?
長年不妊に対する鍼灸の現場に携わってきた私自身も、この「3か月」の期間に着目してきました。当院でも3か月継続して鍼灸治療を受けている人が妊娠することが多いからです。 なぜ3か月なのかについて、その理由は個人的な見解になりますが、「卵胞の発育」にかかわっているのではないかと推測しています。卵胞とは卵子が入っている袋のことです。卵子のもととなる原始卵胞は150日かけて一次卵胞に、一次卵胞は120日かけて二次卵胞へと育ちます。さらに、二次卵胞は約90日かけて排卵に至るのですが、この発育期間が関係するのではないかと思っています。
つまり卵子の質をあげるために食や生活習慣を改善したり、鍼灸院に通ったりする際は、二次卵胞から発育して排卵されるまでの約90日を目安に続けてみると良いということが言えるでしょう。
次回は、鍼灸治療で期待できることについてお伝えします。
>>不妊に対して鍼灸治療で期待できること
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