自分を知って上手に乗り切ろう!#2 自分で自分の性格を正しく知るための方法
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妊活お役立ち情報
「自分を知って妊活中の自分ともっと上手に付き合おう」をテーマに、公認心理師の今井さいこさんが解説するコラム第2回。前回は自分のことを理解していないと陥りやすいことについてお伝えしました。今回は、自分で自分のことを正しく知るための方法をお話します。
「自分軸を作ること」と「周囲の意見にも耳を傾けること」
自分を正しく知るための方法として2つのことを紹介したいと思います。1つめは「自分軸を作ること」、2つめは「パートナーや周囲の意見にも耳を傾ける」ことです。ここでは1つめについて解説していきたいと思います。2つめは4回目に後述します。
自分軸を作るために「ビッグ・ファイブ理論」の活用を提案
まず1つめの「自分軸を作ること」について。自分が自分の一番の理解者になるために、心理学を活用することを私は提案します。
心理学の理論として世界で最も信頼性のある「ビッグ・ファイブ理論」があります。その理論をもとにしたパーソナリティテストを自己理解に活用してもらいたいと思っています。「ビッグ・ファイブ理論」とは、パーソナリティを「5つの要素」に分けて、その人の「特性」をグラデーションで捉えるものです。この「グラデーションで捉える」というのがポイントになります。
タイプ分けするのではなくグラデーションで捉える
よく、あなたは「Aタイプ」とか「Bタイプ」といったタイプで分類することがあります。タイプ分けすることは、もちろん受け手にはわかりやすいのですが、タイプ分けをした瞬間に、自分にそのラベルを貼ってしまいます。すると「私はこのタイプだから」と、そのタイプの行動をしがちなんですね。
「ビッグ・ファイブ理論」では、ラベリングではなく、あなたが5つの要素をそれぞれどのくらい持っているのか、この要素は強いし、この要素も強い、でもこれは弱いからトータルで見るとこんな特性があるといった捉え方をします。人によってそのグラデーションは違います。その人個々の特性として考えていくので、自分を捉えやすい理論だと言われています。
自分の特性を知る「ビッグ・ファイブ理論」の5つの要素
まず「ビッグ・ファイブ理論」を簡単におさらいしたいと思います。ビッグ・ファイブ理論とは、パーソナリティを「5つの要素」に分けて、その人の「特性」をグラデーションで捉えるものです。この理論をもとにしたパーソナリティテストは、「この要素は強い」「この要素も強い」「この要素は弱い」といった捉え方をして、その人の性格に迫っていきます。
5つの要素をそれぞれ解説していきます。ぜひ自分についてこの要素が強いか、弱いかを考えながらご覧ください。
開放性の傾向と特徴
開放性とは、知的、美的、文化的なものごと、新しい経験に対して開放的な傾向にあるかどうか、新しい考えや人間関係、環境をどの程度受け入れられるかを表します。好奇心、審美眼、アイデア、クリエイティビティと結びつきが深い特徴があります。
誠実性の傾向と特徴
誠実性とは、自分に対して責任感があり、勤勉で真面目な傾向にあるかどうかを表します。誠実性の高さは決めたことを計画を立てて実行していく自己規律、良心、慎重さなどの特徴があります。誠実性が低いと、だらしない、成し遂げられないという印象を持つかもしれませんが、そうではありません。直感、インスピレーションを大切にしながら物事を進めていくという捉え方になります。
外向性の傾向と特徴
外向性とは、興味や関心が外界に向けられる傾向を表します。積極性、社交性、明るさなどの特徴があります。外向性が低く、意識が自分に向いている人は内向型という捉え方です。例えば外向性が高いと積極的に外に出ていき大勢でいるのが好きな傾向にありますが、外向性が低いと少人数で深い関係を築いていく、自分の内の方に興味や関心が向く傾向にあります。
協調性の傾向と特徴
協調性とは、周囲とバランスを取って協調的な行動を取る傾向を表します。協調性が高いと、思いやり、やさしさ、献身的といった特徴があります。低い人は、人の気持ちよりも合理的に物事を見ていく傾向にあるといえるでしょう。例えば企業の経営者や役職についている人は役割として合理的判断を求められがちで、この点に対してストレスを感じないのが協調性が低い人で、協調性が高い人はストレスを抱えることもあります。
情緒安定性の傾向と特徴
情緒安定性とは、感情面、情緒面の安定性の傾向を表します。情緒安定性が低い人は、ストレスや不安を感じやすかったり、衝動的だったりなどの特徴があります。高い場合は、わかりやすく言うとストレス耐性があるといった捉え方になります。
これら5つの要素がどのくらい高いのか、低いのかを質問紙にして、答えからその人全体としての特性を見ていくというのが「ビッグ・ファイブ理論」をもとにしたパーソナリティテストです。
次回は「ビッグ・ファイブ理論」をもとにしたパーソナリティテストについてお届けします。
>>自分を知る「ビッグ・ファイブ理論」をもとにしたパーソナリティテスト
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