自分を知って上手に乗り切ろう!#4 自分で自分のことを理解しているとどんなことが起こるのか

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2024.05.05

心理師

自分を知って上手に乗り切ろう!#4 自分で自分のことを理解しているとどんなことが起こるのか

「自分を知って妊活中の自分ともっと上手に付き合おう」をテーマに、公認心理師の今井さいこさんが解説するコラム第4回。前回は自分軸を作るための「ビッグ・ファイブ理論」をもとにしたパーソナリティテストについてお伝えしました。今回は自分のことを理解しているとどんなことが起こるのかについてお話します。

自分を知っていると客観的な判断ができ無駄なストレスがなくなる

パーソナリティテストなどを用いて、きちんと自分を理解していると、どんなことが起こるのかについてお話したいと思います。

本コラムの第1回では、自分のことを知っていないと陥りやすい考え方について解説しました。例えば、同じような境遇や体験をしている人がうまくいっていることを、自分がやってみたらうまくいかなかった時に「どうせ私はこんなだからうまくいかないんだ」とか「同じようにできない私はダメなんだ」など、自分にダメ出しをしてしまうことにつながってしまうとお話です。


しかし、きちんと自分のことを理解していると、自分と似た境遇の人や体験をしている人の話を聞いても、例えば「私は情緒安定性が低いから、同じようにできなかったらきっと落ち込む。だから、内向型の私に合った方法を自分で模索してみよう」と、境遇が似ていても性格までは同じじゃないよね、といった捉え方ができるようになります。つまり自分を責めなくなり、無駄なストレスを感じなくなります。「自分」を「軸」に物事を捉え、客観的に判断できるようになるのです。

妊活中に落ち込みやすい人は特に自己理解を深めよう

特に、妊活中に落ち込みやすいと感じる人は、自分を理解すること、自分軸を作ることをぜひやっていただきたいと思います。「もしかしたら情緒安定性が低いから、ちょっとしたことでも落ち込みやすいのかもしれない」など自分のことをわかっていたら、こまめにケアしようということにもつながっていきます。

または、今はすごく落ち込んでいるけれど、これは私の性格によるものであって、人と比べて劣っていることに原因があるわけではないこともわかります。今の状況をどう変えたらストレスを小さくできるかなどに目を向けられるようになり、すぐに気持ちを切り替ええることもできるでしょう。ずっと悩むことから脱することができるので、ぜひ自分で自分を知ることを意識していきましょう。

あなたはパートナーにどんな人と言われる?

ここまで、自分で自分を正しく知る1つめの方法として、自分軸を作ることについてお話しました。ビッグ・ファイブ理論などのパーソナリティテストなどを活用して自分の特性を知って自己理解を深めていくことを紹介しました。ここからは2つめの方法として、周囲から見た自分について理解していく方法を紹介していきましょう。


さて、ここで質問をしたいのですが、みなさんは、パートナーにどんな人だと言われていますか?「〇〇な人」という形でお答えください。そのことについて自分でどう思いますか?

パートナーから見た私、私から見た私には違いがある

例えば、私の場合、夫から大雑把とか、大勢の中にいても誰とでも仲良く話せるオープンな人と言われることがあります。それを聞いて、自分はどういう感想を持つかということが大切なのです。


私は大雑把には同意しますが、大勢の中にいても平気でいられるオープンな人ということについては、そうは思えません。実は私は人見知りで、そういうところに行く時はいつも緊張感があって、できれば避けたいと思っているところもあります。夫はまだ私のことをわかってないな、なんて思うこともありますが、しかし、その緊張感を表情に出さない人とか、必要があれば知らない人ともうまくコミュニケーションを取れる人とも捉えることができます。


実際に夫から見た私と、私から見た私には違いがあります。どっちが正しいということではなくて、事実、他の人からそう見えているということは、それもまた私だということになります。 自分には、自分も周囲も知っている自分、自分は知らないけれど周囲は知っている自分、自分しか知らない自分などが存在します。

次回は自己理解に役立つ「ジョハリの窓」という心理学のモデルを解説します。
>>自己理解に役立つ「ジョハリの窓」を知ろう

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