夫婦で一緒に!性交のタイミングを効率よく!!
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妊活お役立ち情報
2024.09.18
基礎知識
夫婦で一緒に!性交のタイミングを効率よく!!
妊活中に抱く素朴な疑問。排卵の時期やタイミングの回数、男性の禁欲や性交後の逆立ちは効果的なのか……。
自分たちでタイミングを取って妊娠を目指しているカップル向けに、知りたいけれど聞きにくい疑問の数々を不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんが解説します。
排卵の時期、性交のタイミングや回数にまつわる疑問
ご夫婦でタイミングを取っている場合、妊娠について疑問に思っても専門家に聞く機会がなく、解消されないままになっていることもあるかもしれません。または聞くまでもないことだと、うやむやにしていることもあるでしょう。
今回は私自身が妊活中の方からよく受ける質問をもとに解説していきます。まずは妊活の基本となる排卵の時期、性交のタイミングや回数などにまつわる疑問についてです。
排卵の時期がわかりません。
排卵日は、月経周期や基礎体温から予測します。
月経が規則正しい方であれば、大まかには「月経周期マイナス14日目頃」が排卵の時期の目安です。
多少前後しますが、例えば月経28日周期の方なら生理初日から14日目頃、32日周期の方なら18日目頃。基礎体温でいうと、低温期から高温期に入る直前が排卵の時期です。
排卵の時期を調べるときには、薬局で売っている排卵検査薬(LHホルモンを検出)を活用しても良いでしょう。これは女性の尿で調べるものです。予測線が出て陽性になったら排卵直前です。
排卵を考えてSEXする場合、いつからどのくらいすれば良いですか?
排卵の2日前が妊娠しやすい時期です。
念のため、少し早めに月経28周期の方は生理になって10日目頃から、月経32周期の方は生理になって14日目頃から、1~2日ごとに排卵直後まで3~4回の性交があるのが理想です。
精子は射精後に1~2時間で卵管采にたどり着き、卵子を待ちます。寿命は、精子が2~3日、卵子が排卵後24時間です。
妊娠のためには、精子と卵子がその間に出会うことが必要になります。
排卵のときに運動率の良い元気な精子がたくさん泳いでいるためには、やはり2日ごとに性交があるのが良いと考えます。
毎日SEXしているけれど妊娠しません
2~3か月行っても妊娠しないのであれば、夫婦でクリニックを受診して、検査を受けることをおすすめします。妊娠しない原因を早めに見つけて対応しましょう。
男性の禁欲にまつわる疑問
妊娠に向けて、男性側が禁欲して精子を貯めたほうが効率良いのか、禁欲は長い期間したほうが良いのかなど聞かれることがありますが、結論から言えば、禁欲する必要はありません。
ここからは禁欲にまつわる疑問について解説していきます。
禁欲して精子を貯めてからタイミングをしても妊娠しません
禁欲日数が長いほうが精子の数は増えますが、10日以上になると運動率が下がったり、奇形精子が増えて元気の良い精子が動きづらくなったりするといわれています。
またDNAが破損され胚発育の不良や着床率の低下、流産率の上昇といった報告もあります。妊娠のために禁欲をする必要はありませんが、禁欲は2~3日、長くても7日以内が理想です。
禁欲せずに毎日SEXしても妊娠しません。
毎日性交して、排卵時期の性交回数が増えるほど妊娠率は上昇します。
また精子は射精されると、新たに精巣で精子が作られ、繰り返すことで造精機能が保たれるので、射精の回数が多いことは良いことです。しかし毎日しても妊娠しないのであれば、3か月経過を目安に、夫婦で受診して検査を受けたほうが良いでしょう。
性交中の体位や性交後の姿勢にまつわる疑問
性交中の体位についても、よくご質問を受けます。
体位や性交後の姿勢によって、妊娠しやすくなるといったことはありません。元気が良い精子はちゃんとたどり着きますので、気にしないで良いでしょう。性交中や後の体位や姿勢にまつわる疑問についてです。
妊娠しやすい体位はありますか?
性交時の体位によって、妊娠率が上昇するデータはありません。カップルが好きな体位などで性交することが、満足度が上がり、ホルモンの流れも良くなるでしょう。
子宮後屈なので、SEX後にうつ伏せになった方が妊娠しやすいですか?
子宮の形態別に性交時やその後の体位や姿勢によって妊娠率が上昇するデータはありません。リラックスできる過ごし方をしましょう。
性交後は逆立ちしたほうが良いですか?
こちらもよく聞かれるのですが、逆立ちなど性交後の体位や姿勢によって妊娠率が上昇するデータはありません。リラックスできる過ごし方をしましょう。
排卵期の入浴や高温期の過ごし方にまつわる疑問
排卵時期の入浴、タイミングの後、高温期の過ごし方などに迷われる方も多いようです。基本的には「いつも通り」で構いません。排卵期の入浴や高温期の過ごし方などにまつわる疑問です。
排卵時期のおりものが多いのですが、お風呂に入っても大丈夫ですか?
LHホルモンが多くなると子宮頚管の分泌液が増えますが、普段と変わらず入浴して問題ありません。
性交後、精子が出てしまわないようにお風呂には入らないほうがいいですか?また洗っても良いのでしょうか?
精液が性交後に膣から流れたとしても、それは余分なものが出ただけです。
そのため性交後であっても、入浴して構いません。外性器は優しくお湯で、またはデリケートゾーン用の洗浄液で洗いましょう。
タイミングの後、安静にしていなくても大丈夫ですか?
性交直後やその後の日常でも安静の必要はありません。通常通りに過ごしましょう。
高温期は妊娠の可能性を考えて、スポーツや旅行はしないほうが良いのでしょうか?
自己タイミングや一般不妊治療(タイミング療法、人工授精)であれば、今までしていたスポーツなら同じようにしていただいて構いません。また旅行で遠出しても大丈夫です。日常生活に制限はありません。
ただし予定の月経開始日が過ぎて、高温期が続き、妊娠検査薬にてうっすら陽性が出たときに、腹痛や出血があった場合には安静にしましょう。
タバコやアルコール、カフェインにまつわる疑問
妊娠を望むのではれば、必ず禁煙してください。女性だけではなく男性もです。ご自身はもちろん相手や胎児にも悪影響を及ぼします。
またアルコールやカフェインの過剰摂取にも気をつけましょう。タバコやアルコール、カフェインにまつわる疑問についてです。
女性は禁煙しなないとダメですか?
必ず禁煙してください。タバコにはニコチン、タール、一酸化炭素など5300種以上の有害物質が多く含まれており、さまざまな悪影響を及ぼします。
例えば、流早産、死産、前置胎盤、妊娠高血圧症などのリスクが高まり、低出生体重児や胎児発育不全、胎児奇形の原因にも。
出生児には乳幼児突然死症候群(SIDS)、喘息、2型糖尿病の発症につながることもあります。
男性は換気扇の下やベランダで喫煙なら良いですか?
男性の副流煙によって、上記と同様に母体、胎児、出生児に悪影響を及ぼします。
また男性自身も喫煙によって、精子の数の減少や運動率の低下が起こり、不妊の原因になる場合がありますので、禁煙をしてください。
アルコールを控えています。飲んでもいい日があれば教えてください。
女性の場合、妊活中は過剰摂取だと妊娠率が低下するデータがありますが、控えめの量であれば、禁酒する必要はありません。
妊娠が分かったら禁酒を推奨します。
男性の場合は、毎日アルコールを摂取することで精液量や正常形態率を低下させるデータがあります。時々適量を飲むのであれば影響はありません。「休肝日」を作りながら、適量を楽しむことを推奨します。
妊娠中なのでカフェインをやめてみました。
妊活中のカフェインの大量摂取は、流産や早産の原因になります。
ただし妊活中または妊娠後、コーヒー1日1~2杯くらいであれば問題がないとするデータもあります。
コーヒーに限らず、緑茶、紅茶、ウーロン茶などにもカフェインが含まれているため注意しましょう。デカフェなどで工夫してみてください。
プレッシャーになり過ぎず、気持ちを伝え合おう
妊活中は、気持ちの充実も重要です。排卵予定日にスケジュールが合わなかったり、プレッシャーで性交ができなかったりなど、パートナーとのすれ違いや関係がぎこちなくなることもあるかもしれません。
「排卵日だけのSEXで気持ちが入らないと言われた」と相談されることもあります。妊活中は「生殖の性」だけになりがちなので、「快楽の性」や「連帯の性」も大切にできたら良いですね。
プレッシャーになり過ぎず、お互いの気持ちを伝え合いながら過ごしてみましょう。
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本日お話をおうかがいした方
不妊症看護認定看護師
生殖医療コーディネーター
小松原 千暁
不妊治療の専門クリニックに勤務して20年、妊活をしている方の母的存在になれるように日々頑張っています。 不妊治療は時間もお金もかけて頑張って通院するのですから、一緒に勉強して自分達の歩く道を自分達で決めてみませんか?
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