【特別対談】着床前検査PGT-Aで妊娠率は上がる!|にしたんARTクリニック代表西村誠司
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妊活お役立ち情報
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今回は、現在、全国に続々と開院されている「にしたんARTクリニック」の西村社長に、不妊治療クリニック開院までの想いと今後の展望について、東尾理子と、森瞳がお話をお伺いしました。
PGT-A(着床前診断)で出逢えた命
森:本日は、タンタンにしタンにしタンタンでおなじみの、エコングローバル株式会社の西村社長にお話を伺いたいと思います。 よろしくお願いします。
西村社長:はい、よろしくお願いします。
ー 冒頭、西村社長が、40代に行ったPGT-Aの検査結果についてお見せいただき、それについてお話いただきました。
西村社長:なかなかね見る機会がないんでね、これが。
東尾:いいんですか。
西村社長:これは2014年です。娘が15年の10月12に生まれたので、その前の年の11月15にバイオプシーをしています。
西村社長:僕自身も男3兄弟なんですよ。僕は次男で。自分自身の子供も、1人目男、2人目男で、もう男しか生まれないかな、と思って、検査結果を見たら「男は6番だけだね」と。他は全部、女だったんですね。
東尾:これはおいくつの時ですか?
西村社長:妻が41歳で妊娠して、42歳で娘が生まれたので、僕が3つ上なので、44歳の時ですね。翌年の2015年の10月12日に娘が生まれたので。
東尾:PGT-A(着床前診断)の結果を見られた時、どう思われましたか?
西村社長:妊娠したと聞いた時より、この結果をドクターのところに聞きに行って、ドクターが満面の笑みで「誠司、1個あったよ!」と言われたのが、すごく印象に残っています。
もちろんその後、胚移植して、妊娠しないと意味はないのだけれども「(染色体異常のない胚が)1個あった、1個あった」と。「(検査した胚のうち)7番目の卵だった」と。
東尾:この時に、ご自身では何個ぐらいできるかな、と想像されていましたか?
西村社長:いや、(異常がある卵が)ないだろうという想いもあったし、正直、全くどっちか分からない、という感じでした。妻の採卵自体は2回おこなって、1回目の卵子をとっておいて。でも、50個近く採れたんですよ。
森:えー!!
東尾:すごい・・・。
森:41歳で凄いですね。
東尾:アメリカの排卵誘発が強いからですかね?
西村社長:でも僕ね、その先生のところに行く前に、アメリカで別の病院に行っていて、その時は3個しか採れなかった、という経験があるので、僕は自分の経験で、いわゆる、排卵促進の調合※というのか、ドクターのノウハウなり違いもあるな、と感じたんですね。
※採卵するための排卵促進剤の使用方法は、患者様の状態に合わせて医師が薬の種類や量を決めていきます。
僕は日本で不妊治療を受けたことがないので、日本との比較はできないんです。アメリカでは二つ病院に行っているので。1個目の病院は、もう全然腕がにっちもさっちも行かずに、採卵も下手だったし、次の病院の先生が、本当に腕が良くて。
ざっくりというと2回。それぞれ25個前後くらい採れて、卵は合計50個。その中で、培養していって胚盤胞までいったのが12個。そしてその結果が、これ(PGT-A検査の結果)。そして、この1個(7番)を戻して、妊娠した、と。
僕はやっぱり、この検査は意味がある検査だなと思っていて、日本で広めたいなという想いがあります。
うちの弟の奥さんは最後に****クリニックに行ったのかな。でも、そんな40歳を超えていて、低刺激で卵を1個採ったって、妊娠するわけないよね。いつまで経っても。
だから、身体に負担はかかっても、卵を沢山採って、PGT-A(着床前診断)で狙っていくのが良いかなと思ったのですが、彼女と弟は、アメリカでの治療をする時間もなかったので。
PGT-A(着床前検査)を広めたい!と日本へ帰国
今日もうちの娘が「小学校行ってきます!」って元気に出て行ったわけですが、アメリカでこの先生に出逢って、こういうPGT-A(着床前診断)が受けられて、娘は世に生まれてきたけれど、その出逢いと治療がなかったら、娘に会えていません。自分はその先生への感謝の気持ちをすごく深く持っています。
それで、日本に戻ってきたときに、うちの弟夫婦のように、全員の夢は叶えられないかもしれないけれど、特に年齢が上の人が、PGT-A(着床前診断)の検査を受けたいときに誰もが受けられるようにすると、不必要な流産であったり、着床をしないであったり、諸々を全てではなくても、結構な割合で減らせるのではないかという想いがあります。
自分はこの検査で結果が出て、幸せを掴んだので、日本に帰国したら不妊治療のクリニックを開いて、PGT-A(着床前診断)を広めたいなと思っていました。
そして、2010年から11年暮らしたアメリカから2021年6月に本帰国し、そこから準備をして、2022年の6月に、1番最初の新宿院をオープンしました。
ちょうどその年の4月から保険適用が始まりました。でも僕は、保険適用が始まるのを狙って始めたわけでは全くありません。なぜなら、最初から自由診療だけでPGT-A(着床前診断)をやろうと思っていたので。
自由診療で着床前診断。日本の不妊治療業界に大激震が走った
その年の3月末くらいに、保険適用がはじまるということで東洋経済の特集で「不妊治療の保険適用が始まる」という内容で取材を受けました。
そこで「にしたん」が、全面的にPGT-A(着床前診断)をやるといったことが記事になったら、大激震が走ったのですよ。
東尾:患者にも激震がきていましたよ。
西村社長:それが相当(日本産婦人科学会の)逆鱗に触れたというか。学会はもちろん、学会が決められたルールをまるっきり無視してやっているやつだから、頭にきたのは頭にきたと思うのですよ。
しかし、実は学会の中心にいる方々は、不妊治療の領域の方たちではないんですよ。いわゆる婦人科の癌などを専門にやっている方たちが多いので、学会の主流の方々からするとPGT-A(着床前診断)のことについては、どうでも良い領域だったのですよ。
でも、それを学会の中の世論で「にしたんを潰してやれ」と仕掛けたのは僕は****先生(某有名クリニックの院長)だと思っています。
東尾・森:アハハハハ…。
東尾:今、ピー(****)って入りました。
PGT-A(着床前診断)は条件が定められている。なぜ誰でも受けられないのか?
西村社長:うちは、22年の6月から自由診療で、自分の経験から、日本の女性を救っていきたいだとか、無駄な流産を絶対にやってはいけないという想いで、PGT-A(着床前診断)を始めました。
そして、開院当初の6月から、最初の20件、PGT-A(着床前診断)をやって移植した人のうち、20人中19人妊娠した*んですよ。(*平均年齢36.8歳、最高年齢44歳)
とんでもない!これは僕たちのリアルな数字で、なんの改ざんもしていないし、それでとんでもなく驚いたし、結果が出たし、僕の経験もあったので、PGT-A(着床前診断)は良いなという想いがありましたね。
しかし、産婦人科学会や、業界の医師の中には、「あんな、にしたんなんかに関わってたら、お前ら分かってるよな?」みたいな、という、なんでPGT-A(着床前診断)の推奨を認めさせないかというと、産婦人科学会の上層部の先生方にとっては、どうでも良い話なんですよ。そんな、自分たちの領域ではないので。
でも、自分で開業している不妊治療のトップにいるような人が、僕個人の意見ですが、なんでPGT-A(着床前診断)を誰でも受けられないようにしないかというと、妊娠しちゃうからですよ。
森:妊娠しないほうが儲かるからですよね?
西村社長:そういうことです。そういうことです。 僕はでも、そんなことより短期間で妊娠したほうが良いし、自分の経験もあるから。
(会社として別の事業で安定していて)お金は十分にあるから、お金がどうこうということではなくて、やらなければいけない、ということでやったわけですが、それが、自分たちの界隈の村で、お互いにもたれ合っていた人たちからすると、こんな奴が業界に殴り込んできたら、自分たちの利権が丸々奪われてしまうから、と、批判的になるじゃないですか。
森:私たちも、にしたんARTクリニックに行きました、と言った時に、親しくしている先生方からは「いやぁ~(どうなの?)」という話は正直沢山聞きました。
でも、先日の講演会(Femtech Tokyo 女性のウェルビーイング推進 EXPOにて)でお話をおうかがいし、実際に肌で感じて、やっぱり、このメスを入れた改革者だねと。やっぱり西村さん凄いね、っていう話を二人でしていたのですよ。
西村社長:だから、苦渋な決断ではあるけれども、これは学会と協調路線を取って、彼らの道に従っていくしか道がなかったので、22年の6月にスタートして、12月くらいに方向性を変えて、学会のルールを順守して、自由診療のPGT-A(着床前診断)もやりません、保険診療でやっていきます、ということで、にしたんARTクリニックの認定施設の申請も出しました。
日本産婦人科学会が認める「PGT-A・SR承認実施施設」として認定が通るのが23年の4月に1個通って、そこからちょっと増えていくので、今は、ちゃんと学会のルールに従って、PGT-A(着床前診断)はやっていくという形にしていますけれどもね。
森:では、2回流産しないと(いけない?)?
西村:そういうことです。
実際に言えないだけで、PGT-Aに賛同している医師も実は多い
西村社長:実際に、当院でPGT-A(着床前診断)やっていた時も、これはすごく意外だったのですが、PGT-A(着床前診断)を受けたいという患者さんが殺到したわけではなく、患者さんもそんなについてこなかったんですよ。意外と。やっぱり皆、保険診療なのかなという想いもあって、保険診療を行うことになりましたね。
森:アメリカで治療をしていてPGT-A(着床前診断)以外で、他に良かったなと思う治療はありますか?
西村社長:それはないですね。アメリカというくくりでいうと、一番最初に行ったクリニックは、クソみたいなクリニックだったので。国は関係ないですね。
森:アメリカの治療の中でも、日本に持ってきたいなと思ったのはPGT-A(着床前診断)ということですね?
西村社長:僕は、おそらく、産婦人科学会の中でも、半分くらいはPGT-A(着床前診断)支持派だと思うんですよ。心の中では。ただ、それを大人の事情で言えていないだけ。「西村社長、大人の事情があって言えないけど、個人的には僕は応援しています。」ってよく言われますからね。
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ご自身の経験から、熱い想いを持って、PGT-A(着床前診断)を日本で展開したい、とおっしゃる西村社長。次回は、にしたんARTクリニックの治療方針や、どのような医療を提供されているのかなど、詳しくお伺いします!
この記事の動画はこちらから
本日お話をおうかがいした方
エクスコムグローバル株式会社
代表取締役社長
西村誠司
【エクスコムグローバル株式会社はイモトのWiFi/にしたんクリニック/にしたんARTクリニックを展開】アメリカで暮らしていた40代の頃、第三子の妊活を始める。長男・次男は自然妊娠で授かったが、年齢的なこともあり、体外受精を選択。当時アメリカでは当たり前に勧められていた着床前診断(PGT-A)を受け染色体に問題がない受精卵を戻し妊娠。待望の女児が誕生した。
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