二人目不妊の原因と受診の目安|育児中も通いやすいクリニック選びのポイント
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妊活お役立ち情報
目次
「一人目はすぐに授かったから、次も当たり前にできると思っていた」
「一人目と同じように生活しているのに、 なぜ妊娠しないの ?」
日本では二人以上のお子さんを望むご家庭も多く、二人目や三人目を希望される方は決して少なくありません。
しかし実際には、二人目の妊活が思うように進まない「 二人目不妊 」は、決して珍しいものではありません。
今回は、一人目とは異なる二人目不妊の原因や身体の変化、そして育児と両立するためのクリニック選びのポイントについて、わかりやすく解説します。
二人目不妊とは?

二人目不妊は医学的には 「続発性不妊(ぞくはつせいふにん)」 と呼ばれます。これは、一度以上の妊娠・出産を経験した後に一定期間妊娠に至らない状態を指します。
一般的には、
- ・1年間妊娠しない場合
- ・35歳以上では半年
が受診の目安とされています。
現在、日本で不妊治療を受 けて いる方のうち、約3人に1人が二人目不妊という調査も あります。
二人目不妊│ 女性側の要因
二人目不妊の原因は決して一つではありません。
1.一人目の時からの 「時間の経過」
2.出産という 「身体への大きな負担」
3.「 環境の変化」
などが複雑に絡み合っています。以下に詳しく説明します。
① 加齢の影響
女性の妊娠する力(妊孕性:にんようせい)は35歳頃から低下し始め、37歳を過ぎるとそのスピードはさらに加速 すると言われています。
日本産科婦人科学会のデータによると、不妊の頻度は年齢によって変わってきます。
・20代後半:約9%
・30代後半:約30%
・40歳以上:約64%

引用: 公益社団法人 日本産婦人科医会 ※日本の年齢と不妊の割合
一人目から数年しか経っていないと思っていても、その間に妊孕性が大きく変化していることは珍しくありません。
30年前には一人目を出産した平均年齢は約27.5歳でしたが、現在31.0歳まで上昇しています。第一子の出産年齢は年々上昇しており、二人目不妊は世界的にも重要な課題となっています。
② 出産による身体の変化
出産は身体に大きな変化をもたらします。
- 子宮内膜炎や卵管障害:出産時の感染などにより、子宮や卵管に影響が出ることがあります。
- 帝王切開後の影響:子宮の傷跡に月経血が溜まり、着床に影響する場合があります。
- 高プロラクチン血症:授乳後もホルモンの影響が残ることで排卵が起こりにくくなることがあります。
二人目不妊│ 男性側の要因
「一人目ができたから大丈夫」と考えがちですが、男性側にも変化が起こります。
実際、こうしたお考えをお持ちの男性は少なくないと感じます。
男性も加齢 や生活習慣によって、 精子の数、運動率が低下し、奇形率が上昇する ことが分かっています。
さらに近年注目されているのが、 「精子DNAの断片化(DFI)」 です。
見た目が正常でもDNAが損傷している精子が増えることで、
- ・受精率の低下
- ・流産率の上昇
につながることがあります。
さらに、二人目の妊活で初めて無精子症が見つかるケースもあり、過去の妊娠実績が現在の状態を保証するものではありません。
⇨DFI検査に関してはこちらの記事参照
※参考資料・Advanced Paternal Age and Sperm DNA Fragmentation: A Systematic ReviewReprod Sci. 2023 Aug;30(8):2489-2494.・Secondary male infertility: the importance of the urological assessment for couples who desire children in later life Nagoya J Med Sci. 2022 Feb;84(1):133–138.
二人目不妊│夫婦の要因

二人目不妊では、生活環境の変化も大きく影響します。
- ・育児による睡眠不足や疲労
- ・夫婦間の妊活への温度差
- ・子どもと同室での生活
- ・家事、育児負担の偏り
これらにより、夫婦生活の機会そのものが減少することも少なくありません。
「一人目のときよりタイミングが取りにくい」
「第一子のときよりも、夫婦生活に対して前向きになれなくなった」
というお声は実際に非常に多く、妊娠の機会そのものが少なくなることが、結果的に二人目不妊の原因になることもあります。
二人目不妊 かも?と思ったら

二人目不妊かもしれないと思ったときは、これまでの妊娠経過を踏まえて考える必要があります。
まず、一人目を自然妊娠で授かった場合、「前は自然にできたから、今回もそのうちできるはず」と考えてしまい、受診が遅れることがあります。
しかし、
- ・年齢
- ・出産後の身体の変化
- ・生活環境
などにより、一人目のときとは状況が大きく変わっていることが多いのが現実です。
そのため、 自然妊娠だった場合でも一定期間授からなければ、病院を受診して評価を受けること が重要です。一方で、 一人目を体外受精や顕微授精で授かった場合は、凍結胚の有無に関わらず、まずは通っていたクリニックに相談する ことが基本です。
施設によって異なりますが、「二人目を希望するのであれば、早めに来院してください」と医師から伝えられることもあります。
これまでの治療経過や身体の反応を把握しているため、より適切な治療方針を立てやすいというメリットがあります。もちろん、体外受精後でも自然妊娠に至るケースは一定数報告されています。ただし、第一子は体外に卵子を取り出すなど、人為的な方法を選択したからこそ出産に至った可能性がある、という視点も大切です。
二人目不妊で重要な「クリニック選び」

二人目不妊では、治療内容と同じくらい「通いやすさ」が重要になります。特に多くの患者さんが悩まれているのが、「子どもを連れて通えるかどうか」という点です。
実際に二人目不妊で受診されている方から、
- 子ども連れで通える施設が少ない
- 預け先がなく通院が難しい
といった悩みを伺うことも少なくありません。
二人目不妊は、医師の間でも一つの課題として認識されており、施設によっては二人目不妊の方も安心して来院できるよう、ホームページなどで取り組みを発信していることがあります。
一方で、一人目がなかなか授からず悩んでいる患者さんへの配慮から、子ども同伴に制限を設けている施設もあります。そのため、ホームページなどで方針を事前に確認し、自分の状況に合った施設を選ぶことがとても重要です。ここでは、気にしておきたい点を2つ挙げます。
① キッズスペースや託児サービスの有無
不妊治療では待ち時間が長くなることも多く、小さなお子さんが長時間静かに過ごすのは簡単ではありません。
- ・子連れ専用の待合スペース
- ・キッズルーム
- ・保育士常駐の託児サービス
これらの有無を確認してみましょう。
ただし、治療内容によっては対応できない、事前予約が必要、などのルールを設けている場合もあります。どの場面で利用できるのかまで具体的に確認しておくことが大切です。

▶▶二人目不妊に優しい病院とは?子連れで通えるクリニックの選び方【全国一覧】
② 「距離」以外の通いやすさ
二人目不妊では、 生活の中で無理なく通えるか が非常に重要です。不妊治療は一度きりではなく、何度も通院が必要になります。
わずかな負担が積み重なって大きな負担になってしまうことも多いため、
- ・駐車場の有無
- ・予約の取りやすさ
- ・託児所や保育園の時間に間に合うか
- ・土日診療や夜間診療があるか
などを確認しておくとよいでしょう。
二人目不妊で受診を検討すべき目安:チェックリスト

以下の症状や経験に心当たりがある場合は、早めの医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
- □妊活を始めてから1年以上妊娠しない
- □前回の出産が帝王切開だった、 または 分娩時にトラブルがあった
- □タイミングを取るのが難しい
- □一人目の とき に妊娠までに1年以上かかった
- □パートナーが一度も精液検査を受けたことがない
- □一人目で不妊治療を行っていた
【まとめ】
二人目不妊は決して珍しいものではなく、多くの方が直面する可能性のある問題です。
知っておくべきは、一人目のときとは、年齢や身体の状態、生活環境が変化していることです。そのため、「前と同じようにすれば大丈夫」と考えるのではなく、今の状況に合わせて考えましょう。そして何より大切なのは、治療をどう進めるかと同じくらい、「どこで治療するか」という点です。
無理なく通い続けられる環境を選ぶことが、結果的に治療の継続と成功につながっていきます。子どもをもう一人望む気持ちがある場合には、一人で悩まず、早めに専門医へ相談することも大切な選択肢の一つです。
本日お話をおうかがいした方
塚田寛人
大学卒業後、検査会社にて動物検査業務に従事。その後、医療法人三秀会中央クリニックにて胚培養士として勤務。また、クリニック開業時の培養室立ち上げにも参画。現在は川越レディースクリニックで医療部マネージャーを務めながら、高度生殖補助医療(体外受精)や妊活に関するオンライン相談を行い、患者様支援に幅広く携わっている。

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