使用薬剤を知っておこう#1 タイミング療法、人工授精の基礎知識を解説

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2024.04.14

不妊治療

使用薬剤を知っておこう#1 タイミング療法、人工授精の基礎知識を解説

一般不妊治療には、タイミング療法と人工授精があります。どのような使用薬剤があるのかについて、漢方薬剤師で国際中医専門員の住吉忍さんが全6回にわたって解説します。1回目は、本題に入る前に、まずタイミング療法、人工授精とはどのような治療なのかについてお話します。

タイミング療法とはどのような治療?

タイミング療法とは、超音波検査によって、卵胞の直径を計ったり、尿中のLH値を検査したりして、排卵日を予測し、夫婦生活を持っていただくのに最適なタイミングをドクターからアドバイスを受けるものです。治療といっても自然妊娠に近く、負担の少ない方法と言えます。妊娠しやすいカップルの場合、タイミング療法によって1周期で16~18%の方が妊娠に至ると言われています。

基本的な不妊検査を受けた結果、問題がないカップルであれば、年齢にもよりますが、タイミング療法から治療を始めていくことが多くなります。タイミング療法の適応としては次の3つがあります。

・排卵があること(投薬治療でもOK)
・卵管が少なくとも片側は通っていること
・精液の中に元気な精子が十分な数いること

「元気な精子」について補足すると、精子濃度が精液1ml中に1500万個以上、精子の総運動率40%以上、または前進運動精子32%以上、正常形態4%以上となります。施設によって基準が異なる場合がありますが、およその目安としてとらえていただけたらと思います。

人工授精とはどのような治療?

人工授精とは、女性側の排卵の時期に合わせて、洗浄濃縮したパートナーの精子を子宮内に注入する方法です。主な適応としては次の2つがあります。

・子宮頚管性不妊症
・男性不妊

子宮頚管性不妊症とは、子宮の入り口である子宮頚管の粘膜が不足していたり、精子が適切に子宮内に移動できかったりといったケースを言います。また男性不妊とは精子の数量や質に問題があって自然な受精が難しい場合です。人工授精で妊娠する方の約90%が4~6回までに成功するといったデータがあるので、体外受精にステップアップする際の目安にすると良いでしょう。

人工授精と自然妊娠の違い

人工授精と自然妊娠との違いは、精子が入る場所です。自然妊娠は膣に精液が入り子宮に到達するのに対して、人工授精は直接子宮に精子を注入します。したがって、人工授精は精子と卵子が出会う確率が上がり、平均すると1回で5~10%の確率と言われています。受精から妊娠までの過程は同じなので、限りなく自然妊娠に近い方法と言えます。

次回はタイミング療法、人工授精の流れを月経初日からの期間で解説します。
>>タイミング療法、人工授精の流れを月経期間別に解説

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