使用薬剤を知っておこう#6 漢方医学の周期療法や低温期での漢方薬の使い方
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妊活お役立ち情報
2024.04.19
不妊治療
使用薬剤を知っておこう#6 漢方医学の周期療法や低温期での漢方薬の使い方
一般不妊治療であるタイミング療法と人工授精の違いについて、それぞれどのような使用薬剤があるのか、漢方薬剤師の住吉忍さんが全6回にわたって解説します。前回は排卵誘発に用いられる注射やLHサージを起こす薬の特徴をお届けしました。6回目の今回は漢方医学の視点より、周期療法や漢方薬の使い方についてお伝えします。
周期療法と低温期について
周期療法とは、ホルモン周期を全体的に整えていくために、自然な形で手を加え、基礎体温などを調整していく方法です。基礎体温の低温期は、排卵に向けて卵の成熟を助ける時期なので、この期間を充実するための漢方医学の視点について説明したいと思います。
低温期は、基礎体温が36.3度から36.5度くらいまでの間で安定していることが望ましいと言われています。しかし、この間の体温ではないから妊娠しないということではありません。中医学では「体の機能が充実している状態」ととらえられている体温ということで、目安にしてください。
漢方医学では正常な排卵に向けて「潤い」を充実させる時期
漢方医学では正常な排卵に向けて、月経の開始からスムーズに経血が排出されて、卵子の成熟に必要な「気血」、また五臓六腑の中で考えられている「陰」つまり「潤い」が充実した状態であることが大切だと考えられています。
低温期を充実させるためには、まず月経期にしっかりと経血を排出させ、「潤い」を補充することが大切です。漢方医学では血や陰が不足しているのかどうか状態によって「活血薬」「補陰薬」「補血薬」などを用います。
例えば、陰が不足していると、低温期なのにすぐに高温期のように基礎体温が上がってしまい、「暑い」とか「ほてりがある」といった症状が出ることもあります。すると排卵までのスピードが速く、卵巣の機能が落ちていることがありますので、補陰薬で陰を補っていきます。
以上、6回にわたり一般不妊治療のタイミング療法や人工授精、排卵などの基礎知識、また排卵誘発で使われる薬やLHサージ誘起の薬、漢方医学での周期療法や漢方薬についてお伝えしました。
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