妊活を前向きなものに変える受け止め方・捉え方
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妊活お役立ち情報
目次
妊活を前向きに捉えたい!ジャーナリングで心が整う!
妊活中は、さまざまなことが起こり、ネガティブな感情に悩むことがあるかもしれません。このような感情とどのように向き合っていけば良いのでしょうか?
公認心理師の今井さいこさんが、「妊活を前向きなものに変える受け止め方・捉え方」についてアドバイスします。
ショッキングな出来事で起きる気持ちの受け止め方
妊活中は、身体的にも精神的にも負担が大きくなります。そんななかでも、前向きな気持ちでいられることによって、少しでも楽になるよう、妊活中に役立つ心の持ち方についてお話していきたいと思います。
重要なのは、ショッキングな出来事やネガティブな感情に対して、何も感じないように心に「ふた」をするということではなく、ありのまま受け止めて、認めることです。
「こういう感情を私は持っているんだ」といった受け止め方をすることで、自己肯定感を下げずに過ごせるようになります。
妊娠に対して「嬉しい気持ち」と「焦りや孤独感」が入り混じるように、複雑な感情が同時に生じることもあるのです。
気持ちを整理するための書く方法「ジャーナリング」
ありのままを受け止めるための実践方法として、書き出すことで気持ちを整理する「ジャーナリング」という方法があります。
〇ジャーナリングの実践
1: ノート、またはアプリなど記録できるものを準備する
2: 1日の終わりや気持ちが揺さぶられる出来事の後、自分の感情を自由に書き出す(5分)
3: 書いた後に振り返り、共感できる部分や新たな気づきを探す
時間がなくて書き出せない場合は、記録できるアプリなどデジタルツールを活用しても良いです。
5分で構いません。とにかく記録してみてください。
ただできれば、紙に書く行為をしていただきたいと思います。紙に書くことは、脳にとっては、「こういうことを書いている」といった記憶になり、認めていく方向につながっていくからです。
紙に書き出したものを改めて見ることで、客観的に自分の気持ちを捉えることができます。
正しい文章やきれいな文字で書く必要はありません。頭に浮かんだことを、どんどん記録していきましょう。
もし書くことがなければ、「今は書くことない」とか「思い浮かぶことがない」なども含めて、記録していってください。
ジャーナリングを行う際は、タイマーをかけるのも良いでしょう。書いている間はひたすら自分と向き合い、アラーム音が鳴ったら現実に戻るといったメリハリができます。
書いたものを読み直してみて、気付きや共感できる部分があれば、丸で囲んだりして「自分にはこういう感情があるんだ」と受け入れていきましょう。
「こんなことを考えている私って悪いのだろうか」などと評価する必要はありません。自分のなかにこういうことがあるんだと認めるのが重要です。
肯定感を高めるために出来ること
加えて、ありのままを受け止めるために、自分自身をぜひ肯定していただきたいと思います。その日の出来事を振り返ってみて、できたことを探してみてください。
大きな成功ではなく、当たり前にしていること、小さな成功で構いません。
例えば「今日も基礎体温を測ることができた」とか「新たなサプリを飲み続けることができた」など、とにかく「今日は~ができた」ということを見つけて、自分を肯定してほしいのです。
小さな成功体験を積み重ねていくことで、「できていることもあるんだ」とネガティブな感情を跳ね返し、自己肯定感をはぐくんだり、自信をつけたりすることができます。ありのままの自分自身を認めやすくなるでしょう。
ものごとの前向きな捉え方のポイント
同じ物事でも、どう捉えるかで見え方が変わってきます。前向きに捉えていくために大事なのは、長期的な視点を持つことです。
妊活中であれば、治療の1周期ごとの結果だけではなく、プロセス自体を意味のあるものとして捉えていきましょう。
例えば「結果が出なかったから、今周期を無駄にした」と捉えるのではなく、「結果は出なかったけど、睡眠が整ってきて健康にとって良い習慣が身についてきた」と捉えたらいかがでしょうか。
長期的な視点を持ち、その物事がどんな意味があるか、プロセスに意味をもたせていきます。
喪失感やどうにもならない不安はどうするのか
さらに物事の捉え方として大事なのは、自分がコントロールできる部分に注力し、できない部分は手放すということです。
妊娠は、自分でコントロールできるものではありません。周囲の反応も同様です。
コントロールできないことに意識を向けるのではなく、食生活や睡眠改善、仕事の調整など、自分でコントロールできることに対して、意識を向けて進んでいきましょう。
ネガティブな感情をひとりで抱えないためにできること
ネガティブな感情を1人で抱えないことも大事です。
自分1人で抱えると、負のスパイラルにどんどんはまってしまいます。ほかの人に気持ちを支えてもらいましょう。
パートナーと感情を共有したり、信頼できるひとや専門家に話を聞いてもらったり、相談するのも良いでしょう。また、同じ経験を持つ人と交流を持つようにすると、同じ経験をした人だからこそ、感情面での共有ができます。
ネガティブな面だけではなく、ポジティブな面にも光を当てて、捉えていくことができます。
一緒に困難を乗り越えるための夫婦のコミュニケーション
パートナーは、身近な存在というだけではなく、妊活をともに歩んでいる戦友とも言えるでしょう。気持ちを理解してほしい人でもあります。
ショックなこと、ネガティブなことがあれば、感情を共有し、2人で受け止めて捉えていきましょう。「2人はチームである」意識を持つことが重要です。
妊活中は、どうしても女性のほうがやることが多くなります。これを「役割分担」ととらえてしまうと、「私ばっかり」とか「やりたくてもやることがない」など、どうしても不公平感が出てきます。個人戦になってしまいます。
「2人のこと」として、チームで捉えていく意識に変えてみてください。自分もやりたいけれど、代わりにやってもらっているという意識を持つことは大事です。
また、自分だけではなく、日常のなかでパートナーを肯定していきましょう。お互いに相手の小さな成功を認めて、伝え合っていきます。感謝の気持ちも言葉で伝えましょう。
言葉にするのは恥ずかしいかもしれませんが、2人はチームです。自分がやりたいけれど、やってくれていると思ったら「ありがとう」という気持ちが出てくるかと思います。
またあえて言葉にして伝え合っていくことで、パートナーとの間にコミュニケーションのポジティブな循環が生まれていきます。
治療の結果はどうであれ、プロセスとして夫婦の絆が深まっていったなど、意識して伝えていくことが必要です。ぜひ実践して、2人で妊活を前向きなものとして捉えていってほしいと思います。
どうしても、前向きになれない時は、妊活を少し休憩してみることもありだと思います。自分のなかで負担にならないやり方を模索していってください。
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本日お話をおうかがいした方
LIB Laboratory 代表
今井さいこ
1979年6月14日生まれ 公認心理師睡眠指導者 自らの手で人生の選択をしていく女性のメンタルサポートをしています。 心理学×睡眠マネジメントの知識とスキルを使って、お悩みの解決を一緒にしていきます。 ◆オンラインカウンセリングラボ LIB Laboratory代表 https://www.liblaboratory.com/ <保有資格> 公認心理師(国家資格) 日本心理学会認定心理士 ベスリクリニック認定睡眠指導者 サンカラ認定
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