妊活に必須。葉酸いつからいつまでとるべき?厚労省推奨の理由と正しい選び方

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2025.07.28

栄養

妊活に必須。葉酸いつからいつまでとるべき?厚労省推奨の理由と正しい選び方

「そろそろ赤ちゃんを…」と考えたとき、多くの方が耳にする栄養素、それが「葉酸」です。妊活の”必須栄養素”とも言われますが、なぜそれほど重要なのか、いつからいつまで摂ればいいのか、疑問に思うことも多いのではないでしょうか。

この記事では、葉酸が妊活に不可欠な理由から、厚生労働省が推奨する正しい摂取期間・量、そして数ある製品の中から後悔しないサプリメントを選ぶためのポイントまで、わかりやすく解説します。正しい知識を身につけて、安心して未来の赤ちゃんを迎える準備を始めましょう。

 葉酸は妊活の”お守り”。なぜこれほど重要視されるの?


妊活を考え始めた人が、最初に出会う栄養素「葉酸」。なぜこれほどまでに、国を挙げて摂取が推奨されているのでしょうか。その最大の理由は、未来の赤ちゃんを「神経管閉鎖障害」という先天性の異常から守るためです。


神経管とは、赤ちゃんの脳や脊髄、中枢神経系を作るための、とても大切な管です。この神経管は、お母さんが妊娠に気づくよりもずっと早い、妊娠6週末ごろまでには、そのほとんどが完成します。

この非常に重要な時期に葉酸が不足していると、神経管がうまく作られず、無脳症や二分脊椎といった深刻な障害のリスクが高まることが、多くの研究でわかっています。

つまり、葉酸を十分に摂ることは、未来の赤ちゃんへの最初のプレゼントであり、健やかな成長を願う「お守り」のような役割を果たしてくれるのです。

【いつからいつまで?】葉酸を摂取すべき正しい期間と量


「葉酸はいつから飲み始めて、いつまで続ければいいの?」という、最も多い疑問にお答えします。

 厚生労働省が推奨する摂取期間は「妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで」

厚生労働省が葉酸の摂取を特に推奨しているのは「妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで」の期間です。

これは、赤ちゃんの脳や脊髄の元となる”神経管”が作られるのが、妊娠6週末ごろまでだからです。多くの人が妊娠に気づく頃には、この非常に大切な器官の形成はすでに終わっています。

そのため、妊娠が判明してから慌てて飲み始めるのではなく、「妊娠を計画した時点」で飲み始めることが理想なのです。

【具体例でイメージしてみよう】

例えば、あなたがこのように妊活を進める場合…

  • 2025年9月:「そろそろ赤ちゃんが欲しいな」と妊活を計画 ⇒ この時点から葉酸サプリをスタート!
  • 2025年10月:本格的に妊活を開始
  • 2026年1月:妊娠が発覚(この時点で妊娠5週目くらい)
  • 2026年3月:妊娠3ヶ月を迎える ⇒ このあたりまで、特に意識して摂取を続ける

推奨される摂取量:食事から240μg + サプリから400μg

厚生労働省は、通常の食事から推奨される240μgの葉酸に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から1日に400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。

「なぜ食事だけではダメなの?」と疑問に思うかもしれません。実は、食品に含まれる葉酸(ポリグルタミン酸型)は、サプリメントに含まれる葉酸(モノグルタミン酸型)に比べて、体内での吸収・利用率が約50%と低いことがわかっています。

一方、サプリメントの葉酸の利用率は約85%と非常に効率的です。そのため、神経管閉鎖障害のリスクを確実に低減させるためには、吸収率の良いサプリメントからの摂取が推奨されているのです。

日本人の約半数は、葉酸を使いにくい体質?

さらに、サプリメントでの摂取が推奨される理由がもう一つあります。それは、葉酸を体内で使える形(活性型葉酸)に変換する能力が、遺伝的に低い人がいるということです。

この変換を行う「MTHFR」という酵素の働きが、遺伝子のタイプによって生まれつき弱い人がいます。研究によれば、日本人の約半数は、この酵素の働きが弱い遺伝子タイプを持っていると報告されています。


このような体質の方が食事から葉酸を摂っても、うまく活性型に変換できず、十分に利用できない可能性があるのです。この点からも、体質に関わらず効率的に吸収できるサプリメントの活用が、非常に合理的と言えます。

食事だけで葉酸を摂るのは難しい?


もちろん、日々の食事から葉酸を摂ることも非常に大切です。葉酸は、ほうれん草やブロッコリーといった緑黄色野菜、いちご、納豆などに多く含まれています。


しかし、葉酸は水に溶けやすく、熱に弱いという弱点があります。茹でたり炒めたりといった調理工程で、半分以上が失われてしまうことも少なくありません。


毎日、調理による損失を考慮しながら、十分な量の葉酸を食事だけで摂り続けるのは、非常に難しいのが現実です。

葉酸を多く含む食品と含有量の目安

具体的にどの食品にどのくらい含まれているのか、目安を一覧表にしました。調理で失われる前の、食品そのものに含まれる量として参考にしてください。

食品 目安量 葉酸含有量(約)
鶏レバー ※ 焼き鳥1本(約30g) 390μg
焼きのり 全形1枚(約3g) 57μg
枝豆(ゆで) さや付き20個(約50g) 130μg
ほうれん草(ゆで) 1/4束(約50g) 55μg
アスパラガス(ゆで) 3本(約60g) 114μg
ブロッコリー(ゆで) 3房(約45g) 54μg
いちご 中5粒(約75g) 68μg
納豆 1パック(約45g) 54μg


※鶏レバーは葉酸が非常に豊富ですが、ビタミンAも多く含みます。妊娠初期のビタミンAの過剰摂取は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、食べる量には注意が必要です。

(参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)

後悔しない「葉酸サプリ」の選び方 3つのポイント


葉酸サプリと一言でいっても、たくさんの種類があります。ここでは、安心して飲み続けられる製品を選ぶための3つのポイントを解説します。

Point 1:葉酸の種類と含有量を確認する

まず確認したいのは、吸収率の高い「モノグルタミン酸型葉酸」が使われているか、そして厚生労働省の推奨量である「400μg(マイクログラム)」が配合されているか、という点です。製品の裏にある栄養成分表示を必ずチェックしましょう。

Point 2:安全性への配慮(GMP認定など)

デリケートな時期に毎日口にするものだからこそ、安全性は妥協できません。医薬品レベルの品質管理基準である「GMP認定工場」で製造されている製品は、安全への意識が高い一つの目安になります。パッケージや公式サイトで確認してみましょう。

Point 3:葉酸以外のサポート成分にも注目する

葉酸サプリの中には、葉酸の働きを助けるビタミンB12や、同じく妊活中に不足しがちなビタミンDなどが一緒に配合されているものも多くあります。

これらの栄養素を一つで補えるオールインワンタイプのサプリは、手軽で続けやすいというメリットがあります。

葉酸に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 葉酸を摂りすぎても大丈夫?

A1. 通常の食事から葉酸を摂りすぎる心配はほとんどありません。ただし、サプリメントからの摂取については、1日あたり900μg〜1,000μg(年齢により異なる)という上限量(耐容上限量)が定められています。


複数のサプリを併用する場合などは、合計量に注意しましょう。製品に記載された目安量を守っていれば、まず問題ありません。

Q2. 男性も葉酸を摂ったほうがいいの?

A2. はい、男性が摂取することにもメリットがあると考えられています。葉酸は細胞分裂やDNAの合成に不可欠であり、これは精子が作られる過程でも同様です。


一部の研究では、男性の葉酸摂取が、精子の染色体異常のリスクを低減させる可能性も示唆されています。夫婦で一緒に飲むのも良い選択です。

Q3. 妊娠が分かってから飲み始めても遅い?

A3. 「遅すぎる」ということは決してありません。妊娠がわかった時点からでも、すぐに飲み始めることを強くお勧めします。


葉酸は、妊娠初期だけでなく、中期以降の赤ちゃんの成長や、お母さんの造血作用にとっても重要な栄養素だからです。ただし、神経管閉鎖障害のリスク低減という目的においては、妊娠前から始めることが最も効果的である、とご理解ください。

まとめ

今回は、妊活における葉酸の重要性について解説しました。

  • 葉酸は赤ちゃんの先天性異常のリスクを減らす「お守り」
  • 「妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月まで」サプリで400μgの摂取が推奨されている
  • 安全性が高く、必要な成分が含まれたサプリを賢く選ぶことが大切


正しい知識を持って、あなたと未来の赤ちゃんのために、今日から葉酸の摂取を始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献

  • 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」.
  • 文部科学省. 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」.
  • Kamei, Y., et al. "MTHFR gene polymorphism is a risk factor for late-onset Alzheimer's disease in the Japanese population." Psychiatry and Clinical Neurosciences, 2005.
  • Wong, W. Y., et al. "Effects of folic acid and zinc sulfate on male factor subfertility: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial." Fertility and Sterility, 2002.
  • Czeizel, A. E., et al. "Periconceptional folic acid supplementation and the prevention of neural tube defects." The New England Journal of Medicine, 1992.

 

(編集)妊活の歩み方編集部

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