PGT-Aはいつ保険適用になるの?【2026年最新】PGT-Aのための病院選び、先進医療Bに入るには

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2026.06.08

PGT-Aはいつ保険適用になるの?【2026年最新】PGT-Aのための病院選び、先進医療Bに入るには

「何度胚移植しても妊娠できない」「流産を繰り返してしまう」・・・
そんなつらい経験の末に、PGT-A(着床前染色体異数性検査)にたどり着き「PGT-Aは保険が効かないし……保険適用になるのを待ったほうがいいのかな?」このようなことを考えた方も多いのではないでしょうか。


この記事では、PGT-Aがなぜ保険適用外なのか、保険適用の道筋はどうなっているのか、そして今できる選択肢について、大手不妊治療専門クリニックにて、15年以上勤務する胚培養士の博士太郎さん監修のもと、わかりやすく解説します。

1. PGT-Aとは


PGT-A(着床前染色体異数性検査)は、受精卵の染色体数を胚移植する前に調べる検査です。受精卵の中には染色体の数の違いを持つものがあります。

受精卵の見た目で染色体の数の違いはわかりません。そして、染色体の数に違いのある受精卵は胚移植をしても着床しないか、着床してもほとんどが流産に至ります。PGT-Aは、胚移植する前に受精卵の染色体の数を確認することで、

  • ・妊娠率の向上
  • ・流産率の低下
  • ・治療期間の短縮(無駄な胚移植を避ける)

などの効果が期待できます。

【2025年9月〜 対象が拡大されました】

これまでは反復着床不全・反復流産の方に限定されていましたが、2025年9月に日本産科婦人科学会が細則を改定し、女性年齢がおおむね35歳以上の不妊症の方もPGT-Aの対象に追加しました。

2. なぜPGT-Aは保険適用されないのか


2022年4月、体外受精は保険適用になりましたが、PGT-Aは先進医療にも加わることができませんでした。その理由は主に2つあると言われています。

① 「治療」か、「選別」か、倫理的な課題

PGT-Aは染色体異常のある受精卵を見つけることができます。染色体異常のある受精卵の中には出生に至るものも存在するため、命の選別にあたるという見方です。


一方、そのような受精卵は胚移植をしても出生に至ることが稀であり、妊娠率・流産率の改善および治療期間の短縮において、十分な治療効果があるという見方もあります。

② 全てのカップルに有効な治療とは証明されていない

高年女性(一般的に女性年齢が35歳以上)では妊娠率と流産率を改善する効果が多くの研究で確認されています。

しかし、それ以外の若年層では治療改善効果が認められず、逆に検査に伴う胚生検の影響で妊娠率を下げる可能性が指摘されています。

またPGT-Aはどの年代においても最終的に子どもを持てる確率(生児獲得率)を向上させるかどうかについては、まだはっきりと証明されていません。

しかしながら、先進医療Aには、PGT-Aより治療効果が明確でない治療が含まれていることは明らかです。なぜPGT-Aは先進医療Aに入れなかったのか?その背景には、受精卵の選択に関する倫理的議論や優生思想への懸念があると指摘されています。

3. PGT-A保険適用への道「先進医療B」

PGT-Aは2024年にようやく「先進医療B」として認められ、保険診療を目指した研究が進んでいます。

先進医療=「保険への入口」

そもそも先進医療は、将来の保険適用を目指して、有効性・安全性を評価している段階の医療技術のことです。保険治療より優れているという意味ではありません。

先進医療はAとBの二種類があり、どちらも保険未承認の診断機器や医薬品を用いて行われますが、Bはより研究的な位置づけで管理され、実施数、実施施設、データ管理が厳格に定められています。

本記事執筆時点(2026年6月)で、PGT-Aは大阪大学が主幹の着床前胚異数性検査1(研究完了)と徳島大学が主幹の着床前胚異数性検査2(進行中)があります。なお、徳島大学の着床前胚異数性検査2は進行中ですが、実施症例数に限りがあり、既に予定症例数に達した施設もあります。

着床前胚異数性検査2進行中の施設はこちら

徳島大学病院

セント・ルカ産婦人科 

加藤レディスクリニック 

IVF大阪クリニック

先進医療で受けるメリット

先進医療として受けることで、体外受精費用の負担を大きく抑えられます。

  先進医療Bで受ける場合 全額自費の場合
体外受精 保険適用(約9万円) 全額自費(約80万円)
PGT-A(1個:約10万円)
受精卵3個を検査した場合
全額自費(約30 万円) 全額自費(約30万円)
合計 約39万円 約110万円以上

※費用はあくまで目安です。施設により異なります。

4. PGT-Aはいつ保険適用になるのか?

結論:現時点では「未定」です。ただし、研究は着実に進んでいます。
先進医療は研究が終了し、有効性・安全性が認められれば、厚生労働省が保険適用に向けた審査を行います。ただし、このプロセスは数年かかるのが通例です。

さらに結果次第では「保険適用にならない」可能性もゼロではありません。先進医療はあくまで「保険適用を目指した研究」であって、保険化が約束されているわけではないのです。

それでも「前進している」と感じられる動き

  • ・2025年9月:実施対象の拡大(学会による適応基準の見直し)
  • ・大阪大学が主幹の先進医療B:着床前胚異数性検査1は終了
  • ・徳島大学が主幹の先進医療B:着床前胚異数性検査2が開始

大阪大学と徳島大学の先進医療Bは同じPGT-Aですが、別のグループです。大阪大学の研究は終了し、その研究成果が近々、先進医療技術審査部会で評価されます。有効性が認められた場合は保険収載に向けて一歩前進します。

5. PGT-Aを先進医療で受けるための条件と注意点

先進医療Bとして受けられる条件(2026年6月時点)

  • ・有効な保険適用の治療回数が残っていること
  • ・日本産科婦人科学会の定めるPGT-Aの適応があること※

※先進医療は臨床研究であり、研究計画書を作成時のルールに沿って運用されます。学会が認めるPGT-Aの適応が変わっても計画書のルール変更がなされていない場合は、計画書のルールが優先されます。

先進医療Bは希望すれば指定の病院で比較的簡単に受けられる先進医療Aとは異なります。実際、先進医療BのPGT-Aは、限られた施設で行うため「受けたい」と思っても、ほとんどのクリニックでは実施できません。

実施施設の一覧は厚生労働省のホームページで確認できます(「先進医療 実施医療機関 PGT-A」で検索してください)https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

また、大阪大学の研究は終了し、徳島大学の研究も終了に近づいています。今後、別グループで同様の先進医療が実施される可能性もあります。先進医療会議などの最新情報をチェックしてください。

先進医療特約の活用を忘れずに

先進医療は加入している生命保険や医療保険に「先進医療特約」がついている場合、費用(自費部分)が給付金の対象になる可能性があります。

先進医療特約 確認チェックリスト

  • ・加入中の保険証券を確認する
  • ・「先進医療特約」付帯の有無を保険会社に問い合わせる
  • ・申請に必要な手続きを確認し、実施した医療機関に証明書等の発行を依頼する

最後に

「いつ保険適用になるの?」という問いに対して現時点で答えはありません。少なくとも次の診療報酬改定(2028年春)まではかかるのでは、という見方が現場の肌感覚です。

保険適用まで待つか?自費でPGT-Aを受けるのか?限られた時間の中で保険適用を待つのはあまり現実的でないかもしれません。しかし、状況や考えはお一人おひとりで異なります。

年齢、治療経歴、費用面など……さまざまな要素をパートナーや主治医とじっくり相談しながら、ご自身が納得できる選択をしていただけたらと思います。

記事監修

胚培養士

博士太郎

年間1,000周期以上の体外受精を実施する大手不妊治療専門クリニックにて、15年以上勤務する胚培養士。日々の臨床に加え、「妊活の歩み方」オープンチャットでも患者に向けたアドバイスを発信し、不安や疑問に寄り添いながら一人ひとりをサポートしている。
▼「妊活の歩み方」オープンチャット▼
https://line.me/ti/g2/FQMXbXLU9T1oe21CcLIJ4g1E6HBrNfElx9l9bQ?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default

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