男性不妊に効果的なお灸について
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妊活お役立ち情報
2025.01.08
東洋医学
男性不妊に効果的なお灸について
不妊治療は、女性だけではなくカップルの男性と一緒に歩むもの。男性不妊のホームケアとして、セルフ灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。ふたりの絆が深まるきっかけにもなるでしょう。お灸の効果やセルフ灸の取り組み方について、鍼灸師の徐大兼さんが解説します。
男性不妊の主な原因
男性不妊の主な原因は、大きく2つあります。1つは造精の問題です。お灸が有効とされるのは、乏精子症と精子無力症です。もう1つは、勃起障害(ED)です。神経質になっていたり、リラックスできなかったりする場合にお灸が役立ちます。まずは病院で精子検査をしましょう。男性の場合は泌尿器科を受診します。
この他、射精の感覚が弱い方、快感が得にくい方にもお灸をおすすめします。東洋医学の基本に「陰陽論」があります。この世に存在するすべてのものには、陰と陽の対立した2つに分けられるという考え方です。この考えに基づくと、引っ張る力は陰、リリースする力は陽になり、射精の感覚が弱い、快感が得にくいのは、引っ張る力が弱いため出る力も比例して弱いと判断します。陰の力を強化するのにお灸は有効です。
男性不妊の原因別のお灸の効果
お灸で得られる効果について、男性不妊の造精の問題と勃起障害に分けて具体的に説明します。
男性不妊│造精機能障害の効果
乏精子症や精子無力症に対してのお灸の効果には次の3つがあり、精子の状態を良くすることが期待できるでしょう。
・血行が良くなる
温熱効果によって血管が収縮、拡張して局所の充実や貧血を調整
・細胞が活性化され、免疫が調整される
皮下にある筋肉や血管、リンパ節が刺激され、細胞が活性化
・体のエネルギーの流れが良くなる
体のエネルギー(気血水)の流れの滞りを良くする結果、冷え性、肩こり、腰痛、目の疲れ、むくみ、ストレス、不眠などの症状の改善をサポート
男性不妊│勃起障害の効果
・リラックス効果がある
勃起障害(ED)に対してのお灸の効果は、鎮痛、リラックス効果が挙げられます。お灸にはシネオールという有効成分が含まれ、強力な消毒、殺菌、鎮静や鎮痛作用があるといわれています。お灸をすることで、有効成分を皮膚や香りからも取り入れることができ、リラックスできるでしょう。
お灸とは別の話になりますが、勃起障害に悩む男性に使わないほうが良い「NGワード」があります。たとえば「今日は子どもをつくる日」「今日でないとまた来月になってしまう」「今日は絶対に出して」などです。プレッシャーになってしまい、症状が悪化することもあります。
男性不妊のセルフ灸のツボ
男性不妊に効果的なお灸のためのツボを3つを紹介します。精巣をサポートします。女性の場合は、排卵前(低温期)に行うと効果的です。ツボの位置など動画で確認したい場合は「動画 お灸 アキュラ」で検索してご覧ください。
1つめは、足三里(あしさんり)です。胃腸の機能を高めて栄養の吸収を上げ、体全体に届くようにするツボです。膝のお皿の外側のくぼみから指幅4本ほど下がったところの最もくぼんだ場所にあります。
2つめは、三陰交(さんいんこう)です。文字通り3つの「陰」が交わるツボで、3つの陰とは、腎経、脾経、肝経のこと。冷えやホルモンバランスを整えます。場所は内くるぶしから指幅4本上に上がったところです。
3つめは、陰陵泉 (いんりょうせん)です。むくみなど体内水分を調整したり、消化不良を改善したりする働きがあるツボです。場所は、三陰交より指を置き、膝のほうに上げていくと骨の湾曲部があります。周辺のくぼみを強く推して圧痛があるところです。
セルフ灸を始めるにあたっての注意点
お灸にはさまざまな種類があります。一般的に手に入りやすく、セルフ灸で使いやすいのは、台座灸です。当院でも独自の台座灸を開発しています。市販のものはメーカーによっては熱すぎたり、火花が散ったりするものもあるので、試してみて選びましょう。
台座灸は、シールをはがして手の指などにのせて火をつけてから皮膚(ツボ)にのせてください。ツボに置いてから火をつけるのは危険です。火を使うので火傷には注意しましょう。灰皿を用意しておきます。シールがはがれてしまうと、床やベッドなどに落ちて危険なので、お灸はしっかりと皮膚に粘着させるのがポイントです。
セルフ灸は自己責任のもと、行ってください。糖尿病の方は、お灸は適用外になります。傷が治りにくかったりするので注意が必要です。持病がある方は医師に相談しましょう。
セルフ灸をする場合は、お灸前と後で体の柔軟性をぜひ比べてみてください。体が硬いのがやわらかくなっているのが実感できると思います。
夫婦でお灸をして情報交換の場に
プラスアルファとして、カップルで一緒にお灸をして妊活について情報交換の場にしてみましょう。
カップルでお灸をする場合、もう1つ紹介したいツボがあります。「八髎穴(はちりょうけつ)」で、腰の中央、背骨の一番下の三角形の形をした仙骨付近にあるツボです。交感神経、副交感神経の束がある場所になります。背面のお灸は1人だと難しいので、2人で行うと良いでしょう。男性の場合、勃起する際は副交感神経、射精する際は交感神経が優位になる必要があり、両者のバランスを整えておくことは重要です。女性の場合は、排卵や着床のサポートになります。
好きな音楽や香りをセッティングすると、よりリラックス効果が高まるでしょう。「ホメホメ作戦」として、日々口に出して言えない感謝の気持ちを伝えてみるのも良いですね。
妊活は女性主体になりやすい傾向にありますが、2人でお灸をすることで一緒に取り組むきっかけになると思います。夫婦仲良く前向きに、妊活を歩んでいきましょう。
この記事の動画はこちらから
本日お話をおうかがいした方
アキュラ鍼灸院
鍼灸師/認定 不妊カウンセラー
徐 大兼
「こころもからだも温める」 開院から20年、鍼灸と独自のアキュラメソッドでこころとからだを整え、お一人おひとりが持つ妊娠するチカラを最大限に引き出す鍼灸治療を目指しています。一人で悩まれている方、一緒にお悩みの解決をしていきましょう! アキュラ鍼灸院:https://ninkatsu-ayumi.com/facility/629/
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