花粉症に効果的なツボ。花粉症シーズンの妊活中の注意点は?

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2025.06.04

不妊治療

東洋医学

花粉症に効果的なツボ。花粉症シーズンの妊活中の注意点は?

今や“国民病”といわれる花粉症。妊活中に、くしゃみや鼻水などの症状に悩まされている方もいるのではないでしょうか。症状を緩和するために、セルフ灸に取り組んでみませんか。花粉症の効果的なツボを鍼灸師の徐大兼さんが解説します。

 

花粉症に悩む人は、年々増加傾向に


花粉といっても種類はさまざまですが、なかでもスギ花粉やヒノキ花粉が主な原因とされています。飛散時期としては25月。春に症状がひどくなる人が多いのが現状です。症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか、目のかゆみ、喉がイガイガする方もいます。これらの症状が悪化すると、生活の質の低下にもつながります。仕事に影響が出る場合もあるでしょう。

 

日本で花粉症を有する人の正確な数は分かっていません。ただし、東京都福祉保健局花粉症患者実態調査報告書によると、昭和58年度(1983年度)~平成28年度(2016年度)に4回行った調査で、都内のスギ花粉症推定有病率として算出した数は、昭和5862年度が10.0%でしたが、平成28年度になると48.8%に。30年で[IC1] 、実に4倍以上に増えているのです。

 

また環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022[IC2] 」によると、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査で1998年が19.6%の有病率だったのに対し、2008年には29.8%、2019年には42.5%。およそ10年おきに10%増加しています。

 

妊活中は花粉症の薬に気をつけよう


一方、治療薬の満足度をみると、日本調剤・自主企画調査「2016 花粉症の実態と対策」では、1053の回答のうち、「満足している」「やや満足している」と答えた人が全体の52%ほど。およそ半数近い人が満足していないといった結果もあります。

治療薬の効果に満足できても、妊活中はできれば薬を減らしたいと思う方も多いでしょう。もちろん、花粉症においても注意しておきたい薬はあります。

例えば、第一世代抗ヒスタミンです。胎児へ影響を及ぼすリスクがあるといわれています。また点鼻薬である血管収縮薬は、交感神経を刺激し、鼻粘膜の血管を局所的に収縮する働きをします。長期的な使用で、子宮や卵巣の血流、着床に何らかの影響が出る可能性も否定できません。

妊娠中は禁忌とされている薬もあります。花粉症の薬を病院で処方してもらったり、薬局で購入したりする場合、妊活中であることを伝えましょう。

花粉症の発症要因と緩和するためのポイント


花粉症を発症する要因はさまざまです。両親が花粉症の場合、発症リスクが高いとされる遺伝的な要因、花粉の暴露量、また腸内環境やストレスによる免疫バランスの乱れ、食生活や睡眠不足、運動不足などの生活習慣などが挙げられます。

したがって、日常の生活で花粉症の症状を緩和するには、できるだけ花粉を浴びないこと、栄養バランスの良い食事や質の良い睡眠、適度な運動などが有効だといえます。

さらに、東洋医学の視点からは、花粉症に効果的とされるツボに“セルフ灸”を行うことも、選択肢のひとつとしておすすめします。セルフ灸をする際は、台座灸を使うと手軽です。
 

お灸が良い理由とセルフ灸での注意点


お灸には、さまざまな効果が期待されます。例えば、温熱効果による血流促進、細胞の活性化、体のエネルギーの流れの改善などです。またお灸のヨモギに含まれる有効成分シネオールには強力な鎮静、鎮痛効果があり、リラックス効果が期待されます。


その結果、花粉症で過剰に反応していた免疫機能が整い、自律神経が調整されます。抗炎症作用、腸内環境の改善やストレス軽減にも役立つでしょう。


台座灸はシールをはがして指にのせて火をつけてから、次に紹介するツボに置きましょう。熱いと感じたら我慢せずにやめてください。火傷しないように注意しながら行いましょう。火事防止のため近くに灰皿を用意してください。 

花粉症に効果的な基本のツボ3選


花粉症が楽になるツボは次の通りです。3つとも「基本穴」と呼ばれるもので、妊活にも良いツボなので、ぜひ覚えておいてください。


〇足三里(あしさんり)
膝のお皿の外側のくぼみから指幅4本ほど下がったところの最もくぼんだ場所にあります。もともとは胃腸の機能を高めて栄養の吸収を上げ、体全体に届くようにするツボです。


〇合谷(ごうこく)
手の甲の親指と人差し指の骨が交わる部分から、やや人差し指寄りのくぼんだ場所にあります。肩こりや頭痛、便秘など、さまざまな症状に用いる万能なツボです。


〇曲池(きょくち)
肘を曲げたときにできるシワの端、親指側(外側)に位置し、圧痛がもっともつよいところにあります。自律神経の調整や免疫機能の向上が期待できるツボです。

さらに効果を高めたい時のツボ3選


鼻づまりや鼻水、くしゃみがひどい場合は、次の2つのツボが効果的です。顔にあるツボなので、セルフ灸をする際は慎重に行ってください。
 

〇迎香(げいこう)
小鼻の両脇(鼻翼の横)、ほうれい線がくぼんだところにあります。

 〇印堂(いんどう)
眉間の中央にあるくぼみです。

 最後にとっておきのツボとして紹介したいのが、首の後ろにあるツボです。

 〇大椎(だいつい)
第7頸椎です。首を前に倒した時に首の後ろで最も出っ張っているところの下にあります。


 体の後ろ側なので、ご自身でお灸をするのは難しいかもしれませんが、追加すると、さらに効果が高まるでしょう。

この記事の動画はこちらから

本日お話をおうかがいした方

アキュラ鍼灸院

鍼灸師/認定 不妊カウンセラー

徐 大兼

「こころもからだも温める」 開院から20年、鍼灸と独自のアキュラメソッドでこころとからだを整え、お一人おひとりが持つ妊娠するチカラを最大限に引き出す鍼灸治療を目指しています。一人で悩まれている方、一緒にお悩みの解決をしていきましょう! アキュラ鍼灸院:https://ninkatsu-ayumi.com/facility/629/

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