不妊鍼灸に通う頻度はどのくらい?いつ通う?回数は?

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2025.04.02

不妊治療

東洋医学

不妊鍼灸に通う頻度はどのくらい?いつ通う?回数は?

妊活の一環として鍼灸に通うことを考えている方もいるでしょう。いつ、どのくらいの頻度で通うのが良いのでしょうか。妊娠しやすい体を目指すために、不妊鍼灸に通う頻度や時期、回数などについて、鍼灸師の徐大兼さんが解説します。

不妊鍼灸の種類には「スポット治療」と「継続治療」がある

 

まず不妊鍼灸の種類について、お話します。当院では、不妊鍼灸を大きく分けると、主に着床をサポートするスポット治療、体質改善を目指す継続治療の2種類があります。

 

〇スポット治療(着床サポート)

自然妊娠、人工授精、体外受精など排卵や移植の前後に、胚盤胞になり、着床するようスポット的に鍼灸を行う。

 

〇継続治療(体質改善サポート)

下記のような悩みを持つ方の体質を改善することを目指し、一定期間鍼灸を行う。

・PCOS(多嚢胞卵巣症候群)

・卵子の質(空胞、成熟卵の数が少ない)

・精子の質(無精子症、運動率、奇形率、量)

・受精障害、胚盤胞到達率

・反復着床不全

・薄い子宮内膜(子宮内膜が厚くならない)

・低いAMH、高いFSHの値

 

当院に来られる患者さんは、グレードの良い受精卵を移植しても着床しない方や子宮内膜が厚くならない方、年齢が少し高めで、FSHの値が高い傾向にあり、AMH値が低く治療で刺激をしても卵がとれない方など、さまざまな悩みを持つ方がいらっしゃいます。

 

不妊鍼灸のスポット治療を始める時期や回数は?

 

着床を左右する要因としては、主に子宮内膜の厚さ、子宮内膜の血流、自己免疫が挙げられます。着床サポートの鍼灸に通うことで、血流が良くなり、子宮内膜の厚さや自己免疫機能を整えることが期待できるでしょう。

 

鍼灸に通う頻度や期間などは、患者さんそれぞれの治療の状況や希望によって異なります。着床サポートのスポット治療の場合は、来院する時期や回数の目安は次の通りです。

 

自然妊娠の場合の通院頻度

 

不妊鍼灸では、生理が始まったら子宮や卵巣がリセットされた状態ととらえます。

生理2~5日目を目安に一度鍼灸を受けてください。排卵前に2回目、タイミングをとった後、胚盤胞になる2日目くらいまでに3回目の来院をするのが良いでしょう。

人工授精の場合の通院頻度

 

自然妊娠と同様に、生理が始まったら1回目、排卵する前に2回目、人工授精後に3回目の鍼灸を受けることをお勧めします。

 

体外受精の場合の通院頻度

 

同様に生理が始まったら2~5日目を目安に1回目、移植の前と後に1回ずつ、来院するのが良いでしょう。

いずれも3回を目安としていますが、必要に応じて回数を増やしてお越しいただいてかまいません。

 

不妊鍼灸の継続治療を始める時期や頻度、回数は?

 

体質改善を目指す継続治療の場合は、当院では3か月継続して通うことを目安にしています。不妊治療中の女性の場合、PCOSや排卵障害、成熟卵が少ないなど、卵子に関する悩みを散見します。このような悩みに鍼灸で体質改善からアプローチしていくのですが、治療期間の目安を3か月とするのは、卵胞(卵子が入っている袋)の発育過程に着目しているからです。

 

卵子のもととなる原始卵胞は約150日かけて一次卵胞に、一次卵胞は約120日かけて二次卵胞へと育ちます。二次卵胞は約90日かけて排卵に至るのですが、この排卵前の3か月という期間が大切なのではないかと個人的に推測しています。長年不妊に対する鍼灸の現場に携わってきた経験でも、当院で3か月継続して鍼灸治療を受けている方のほうが、より不妊鍼灸の効果を得られているのです。

 

したがって、体外受精で採卵をする際は、もちろんスポット治療で鍼灸を受けても良いですが、より効果を求めるのならば、採卵の3か月前から始めて継続されるほうが良いと考えます。自然妊娠や人工授精の方も同様です。卵子はすぐに育ちません。卵が成熟する前から、時間的な余裕をもって鍼灸治療を受けることをおすすめします。治療頻度は、その人の症状や状態によりますが、週に1~2回程度を目安にすると良いでしょう。

 

男性の鍼灸の時期や回数は?

 

男性の場合は、精子の数が少ない、運動率が悪い、奇形率が多いなど気になる方も、鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。造精機能向上をサポートします。

 

精子に関しては、約10週間かけて成熟するといわれています。卵子よりは期間が短いです。2か月半は継続されると良いでしょう。通う頻度は、こちらも個々の状態によって変わりますが週に1~2回を目安にしてください。

 

鍼灸の不妊へのアプローチ

 

最後に、鍼灸の不妊へのアプローチを男女別にまとめます。

 

〇女性の場合

鍼灸をすることで、疲労回復、仕事や妊活のストレスの軽減、卵巣の血流改善、女性ホルモンの調整が期待されます。その結果、妊活において次の3つにつながっていきます。

1. 卵の量の改善

2. 胚盤胞到達率向上

3. PGT-A正常率の向上

 

〇男性の場合

鍼灸によって、疲労回復、仕事や妊活のストレスの軽減、精巣への血流改善、男性ホルモンの調整が期待できます。その結果、妊活において次の3つにつながっていくでしょう。

1. 精子の量の改善

2. 精子の運動率改善

3. EDの回復

 

EDの回復については、精神面が原因であるケースは難しいですが、体調面から来るものであれば、一定の効果が期待できます。

 

以上、不妊鍼灸に通う頻度や時期、回数などについてお話しました。繰り返しになりますが、不妊鍼灸の回数や頻度は個々の状態によるものなので、目安として考えてください。また時期についても、ご自身が受けてみたい、必要だと思ったらそれが来院のタイミングです。気軽に鍼灸の門をたたいていただけたらと思います。

 

この記事の動画はこちらから

本日お話をおうかがいした方

アキュラ鍼灸院

鍼灸師/認定 不妊カウンセラー

徐 大兼

「こころもからだも温める」 開院から20年、鍼灸と独自のアキュラメソッドでこころとからだを整え、お一人おひとりが持つ妊娠するチカラを最大限に引き出す鍼灸治療を目指しています。一人で悩まれている方、一緒にお悩みの解決をしていきましょう! アキュラ鍼灸院:https://ninkatsu-ayumi.com/facility/629/

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