排卵障害に効果的なツボ
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妊活お役立ち情報
2025.02.05
東洋医学
排卵障害に効果的なツボ

排卵がないと、卵子が精子と出会うことができず、受精卵ができないため、妊活がうまくいかない可能性が高まります。排卵の確認方法や排卵障害、セルフ灸などについて、鍼灸師の徐大兼さんが解説します。
排卵を自分で確認する3つの方法
排卵とは、卵子が体内の腹腔内に放出されることです。排卵を確認する方法は、3つあります。 1つめは基礎体温です。
排卵をすると黄体ができて、黄体ホルモンが分泌されます。体温を上昇させる効果があるので、排卵後の体温上昇で、自分が排卵しているかを確認できます。
2つめは、おりものの変化です。排卵日2~3日前は、透明感が増し粘り気がピークに達します。排卵日当日から排卵後にかけては、乳白状になり粘り気はやや減ります。
生理直前になると、白っぽいゼリー状になり、粘り気はほとんどありません。
3つめは、排卵検査薬の使用です。尿中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度を測定して、排卵の1〜2日前に陽性反応を示します。もし連日陽性反応を示す場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があるので、医療機関を受診しましょう。
これら3つの方法で排卵が確認できない場合は、速やかに医療機関を受診することを推奨します。排卵が確認できても、タイミングを排卵前から一日おきに4回程度行っても、妊娠に至らない場合は、3か月を目安に医療機関で検査をしてください。
男性も精液検査を行いましょう。
自分で確認しにくい排卵障害もある
実は排卵障害には、確認しにくいものがあります。黄体化非破裂卵胞(LUF)と呼ばれるものです。卵胞が破裂せずに、そのまま黄体化してしまうため、卵子が排出されません。
排卵していないのに、基礎体温は高温期に移行し、排卵検査薬も陽性になるので、気付きにくいのです。 すべての排卵周期の中で5~10%程度の確率で起こるといわれています。
ホルモンバランスの影響や加齢、ストレスが多い状況ではLUFが発生しやすくなります。LUFは発見しにくいです。医療機関を受診したら、排卵前と排卵後の両方をしっかり確認してもらいましょう。
東洋医学からみた排卵障害
東洋医学では、排卵は「陰」と「陽」のバランスが大事。陰とは静的なエネルギーで引っ張る力、陽とは動的なエネルギーで出す力です。
陰の力が充実していないと、陽の力は出にくくなります。陰の力が不足すると、陽とのバランスが崩れ、排卵障害になると考えます。 そこで、陰の力をチャージするツボをお灸で温め、刺激することでスムーズな排卵をサポートしていきます。
医療機関を受診しつつ、セルフケアとして東洋医学で用いられるお灸を取り入れてみましょう。
お灸の4つの効果と注意点
お灸には、次の4つの効果があります。 ・血行が良くなる 温熱効果によって血管が収縮、拡張して局所の血流の充実や貧血を調整 ・細胞が活性化され、免疫が調整される 皮下にある筋肉や血管、リンパ節が刺激され、細胞が活性化 ・体のエネルギーの流れが良くなる 気血水の流れの滞りを改善。
その結果、冷え性、肩こり、腰痛、目の疲れ、むくみ、ストレス、不眠などの症状の改善をサポート ・鎮痛・リラックス効果 お灸のヨモギに含まれる有効成分シネオールには強力な鎮静、鎮痛効果があります。
皮膚内部から浸透、または煙にも含まれていてリラックス効果が期待 セルフ灸を行う際は、台座灸が使いやすいです。指にのせて火をつけてから、次に紹介するツボに置きましょう。熱いと感じたら我慢せずにやめてください。
火傷しないように注意しながら行いましょう。火事防止のため近くに灰皿を用意してください。
排卵障害の3つのツボ
排卵障害に良い3つのツボを紹介します。詳細は、「動画 お灸 アキュラ」でインターネット検索をすると、解説動画が出てきますので、確認してください。
〇三陰交(さんいんこう)
排卵には「陰」の力が大事と前述しましたが、文字通り3つの陰の経絡(腎経、脾経、肝経)が交わるところで、排卵障害に重要なツボです。冷えを緩和しホルモンバランスを整えます。場所は内くるぶしから指幅4本上に上がったところにあります。
〇陰陵泉 (いんりょうせん)
むくみなど体内水分を調整したり、消化不良を改善したりする働きがあるツボです。三陰交の機能をサポートします。場所は、三陰交より指を置き、膝のほうに上げていくと骨の湾曲部があります。周辺のくぼみを強く押して圧痛があるところです。
〇足三里(あしさんり)
胃腸の機能を高めて栄養の吸収を上げ、体全体に届くようにするツボです。三陰交の機能を補助します。膝のお皿の外側のくぼみから指幅4本ほど下がったところの最もくぼんだ場所にあります。
カップルでセルフ灸を行うのも効果的
排卵障害に良いツボは、前回の男性不妊の記事で紹介したツボと同じです。カップルで行うとより効果が高まるでしょう。
そしてカップルで行う際は、もう1つ紹介したいツボがあります。 「八髎穴(はちりょうけつ)」というツボです。腰の中央、背骨の一番下の仙骨付近にあるツボです。交感神経、副交感神経の束がある場所になります。
背面のお灸は1人だと難しいので、ぜひ2人で取り組んでみてください。
この記事の動画はこちらから
本日お話をおうかがいした方
アキュラ鍼灸院
鍼灸師/認定 不妊カウンセラー
徐 大兼
「こころもからだも温める」 開院から20年、鍼灸と独自のアキュラメソッドでこころとからだを整え、お一人おひとりが持つ妊娠するチカラを最大限に引き出す鍼灸治療を目指しています。一人で悩まれている方、一緒にお悩みの解決をしていきましょう! アキュラ鍼灸院:https://ninkatsu-ayumi.com/facility/629/
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