「なぜか排卵がうまくいかない…」その悩み、東洋医学のセルフケアで整えてみませんか?

ARTICLE

2025.08.07

東洋医学

カラダ

排卵を整えるツボ

「基礎体温がガタガタ」「排卵が遅れがちでタイミングが読めない」「排卵痛がつらい」など、毎月の排卵に関する悩みは、妊活に取り組む多くの方にとって切実な問題です。

病院での治療ももちろん大切ですが、東洋医学の視点を取り入れたセルフケアで、体全体のバランスを整え、排卵をサポートすることができます。

今回は、鍼灸師・徐大兼先生の解説を基に、排卵の仕組みを東洋医学的に解き明かし、ご自宅で簡単にできる「お灸」を使ったセルフケア方法を詳しくご紹介します。

なぜ排卵が乱れるの?東洋医学の視点

東洋医学では、排卵は単一の臓器の働きではなく、体の中の複数の機能が連携し合う「チームプレー」によって成り立つと考えられています。その主なプレーヤーは以下の4つです。

1. 腎(じん):生命エネルギーの貯蔵庫
「腎」は、生まれ持った生命力の源やエネルギーを蓄えるタンクのような存在です。このエネルギーが充実していると、体は自然と排卵の準備を整えられます。加齢や過労で「腎」のエネルギーが消耗すると、排卵の力も弱まってしまいます。

2. 肝(かん):心と血流の司令塔
「肝」は、気の巡りや血流をコントロールし、精神状態を安定させる役割を担います。ストレスやイライラを感じると「肝」の働きが乱れ、気の流れが滞ります。この"交通渋滞"が、スムーズな排卵を妨げる原因になるのです。

3. 脾(ひ):栄養をつくる工場
「脾」は、食事から取り入れた栄養を、体を動かすエネルギーや血液に変える工場です。この工場の働きが悪いと、栄養が十分に吸収されず、質の良い卵子が育ちにくくなります。

4. 奇経(きけい):女性のリズムを司る特別なルート
「奇経」は、月経や排卵など、女性特有の体のリズムを調整する特別なエネルギーの通り道です。このルートの流れが乱れると、排卵のタイミングがずれたり、妊娠に至りにくくなったりします。

これらの4つの要素が互いにバランスを取り合うことで、初めて健やかな排卵が起こるのです。

あなたのお悩みはどれ?タイプ別で見る原因と対策

ご自身の悩みがどのタイプのバランスの乱れから来ているかを知ることで、より効果的なセルフケアが可能になります。


  • ① 排卵していない・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の傾向がある方
    原因:エネルギー不足(腎)
    おすすめのツボ:照海(しょうかい)


  • ② 排卵が遅れる・タイミングが予測できない方
    原因:ストレスによる気の滞り(肝)
    おすすめのツボ:太衝(たいしょう)


  • ③ 排卵痛や腰痛がつらい方
    原因:気や血の巡りが悪い(肝)
    おすすめのツボ:太衝(たいしょう)、血海(けっかい)

  • ④ 卵が育たない・未成熟な方(40歳以上やAMHが低い方など)
    原因:栄養不足(脾)やエネルギー不足(腎)
    おすすめのツボ:陰陵泉(いんりょうせん)、照海(しょうかい)



  • ⑤ 排卵はしているのに妊娠しない(原因不明)方
    原因:女性のリズムの乱れ(奇経)
    おすすめのツボ:内関(ないかん)、関元(かんげん)

今日から始める排卵ケア!セルフお灸におすすめのツボ


前述の専門的なツボに加えて、まずは体全体の調子を整える「基本のツボ」にお灸をすることから始めるのがおすすめです。

  • 三陰交(さんいんこう):「女性のツボ」とも呼ばれ、婦人科系全般の不調に効果的です。(場所:内くるぶしの最も高い点から、指4本分上)


  • 足三里(あしのさんり):胃腸の働きを整え、体力や免疫力を高める万能のツボです。(場所:膝のお皿の外側にあるくぼみから、指4本分下)


まずはこの2つのツボにお灸を習慣にし、慣れてきたらご自身の悩みに合わせたツボを追加していくと良いでしょう。

また、安全にお灸を行うため、
①体に置く前に火をつける
②熱さを我慢しない
③使用後は水を入れた灰皿で完全に消火する
という3つのポイントを必ず守ってください。

東洋医学と現代医療の架け橋

近年、体外受精などの不妊治療では、より質の良い成熟卵を確保するため「デュアルトリガー」や「ダブルトリガー」といった誘発方法が主流になりつつあります。

そこで私(徐大兼)から、一つのご提案があります。それは、こうした現代医療のトリガー(きっかけ)に、お灸によるツボ刺激を組み合わせる『トリプルトリガー』という考え方です。

薬物によるトリガーに加えてお灸で体を整えることで、現代の治療をさらに力強くサポートできるのではないか、と考えています。これは私自身のアイデアですが、ぜひ一つの可能性として試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

自分自身の体を慈しむ時間がお腹の赤ちゃんへの第一歩となります。

  • 排卵は「腎・肝・脾・奇経」のチームプレーで成り立っている。
  • 自分の悩みの原因を知り、対応するツボでケアすることが効果的。
  • まずは基本のツボ「三陰交」「足三里」からお灸を始めてみよう。
  • お灸は「心地よい温かさ」で安全第一に行うこと。


毎日の生活に「お灸」というセルフケアの時間を取り入れることは、自分自身の体を慈しむ大切な時間となります。その温かい癒やしが、健やかな体づくり、そして未来の赤ちゃんへと繋がっていくかもしれません。

この記事の動画はこちらから

本日お話をおうかがいした方

アキュラ鍼灸院 鍼灸師/認定 不妊カウンセラー

徐 大兼

「こころもからだも温める」 開院から20年、鍼灸と独自のアキュラメソッドでこころとからだを整え、お一人おひとりが持つ妊娠するチカラを最大限に引き出す鍼灸治療を目指しています。一人で悩まれている方、一緒にお悩みの解決をしていきましょう! アキュラ鍼灸院:https://ninkatsu-ayumi.com/facility/629/

RELATED ARTICLEおすすめ関連記事

RANKING⼈気記事

KEYWORDキーワード検索

ALL TAGSタグ一覧人気のタグ

CATEGORY

会員限定記事

会員限定の記事です。
ログインしてからご覧ください。会員登録は無料です。